DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2014年10月05日
 銀の女神像を手に入れた僕たちは地上へと戻った。戻った途端、魔物の気配はぱったりと消えた。
「ほほう、まだ聖水の効き目が続いているようですな。効果抜群です」
 トルネコさんが感心するほどに僕の心は削られる。僕たちの出番ナシ効果がこんなにも威力を発揮しているなんて。
 エンドールへと向かって悠々と歩くトルネコさんとスコット。きっとそんな2人の後ろで僕は、傍から見たら肩を落としているように映ることだろう。だって今まさに僕は、むごい事実を前に肩を落としているのだから。
「ん? 旦那、あっちの方に洞穴のようなものが見えないか?」
「洞穴? どれどれ……ああ、本当ですな」
 傷心の僕のことなど構いもせず、2人でそんなやりとりをしている。
「見えてしまったからには気になりますな。行ってみますか」
「うむ」

 その洞穴は川沿いにあった。この川はかなり幅が広く、エンドール側と大陸の東側を隔てている。流れが速いためか、橋も掛けられていない。エンドールも東側も同じ大陸ではあるが、この川と北側にそびえる山脈のため、東側とは船でもない限り行き来はできない。だからエンドールに住んでいてもなかなか行く機会はないのである。
 洞穴はかなり大きい。どうも人工的に掘られたもののように見える。中に入ると少しだけ先へ進むことが出来たが、すぐに行き止まりになってしまった。行き止まりの通路から少し逸れた場所に年老いた男性が1人いる。どうもこの洞穴を住まいとしているらしい。
「わしは東の港町に行くため、この洞窟を掘り始めたのじゃ。船を手に入れて世界中の宝を集めるのがわしの夢じゃった」
 老人は先のない通路をため息混じりに眺めがら語りだした。
「しかし、お金も底をつき、わしも年をとってしもうた。あと60,000ゴールドもあれば工事を再開できるのじゃが……」
 60,000という金額を聞いた途端、トルネコさんの表情が変わるのが分かった。
「あなたの夢、ワタシが継ぎましょう!」
「なんと! 本当か?」
 トルネコさんはドンと自分の胸を叩き、老人もパッと顔を輝かせる。
「といっても、今すぐはムリでして。あぁでも、お金を工面するアテはありますからな。近いうち必ず、お金を持って伺います」
「そうかそうか、それではその日が来るのを待っておるぞ!」

 トルネコさんは鼻息荒く洞窟を飛び出した。僕らも慌てて後を追う。
「東へ渡り港町へ辿り着けたなら、そこから世界中を巡ることができる。そうなったら凄いことです! 今まで目にしたことのないような、とんでもない武器を手にすることができるかもしれないのだから! うまくいけば、噂に聞いたことがある天空の剣なるものをこの目で拝むことができるかもしれない……夢のような話だ」
 トルネコさんはすっかり興奮気味だ。
 60,000ゴールドといえば、エンドール王の注文の報酬と同じ。おそらくトルネコさんはそのお金でトンネルを掘るつもりなのだろう。
「この女神像を店に置いて、ネネに高く売ってもらおう!」
「ほう。ちなみに、幾らぐらいで売れそうなのだ?」
「そうですな、ワタシの見立てでは少なくとも20,000ゴールドの価値はあるはず。ネネだったらうまくすると50,000ゴールドぐらいで売りさばくかもしれません」
 2万のものを5万で売るなんて、一体どんな方法を取るのだろうか。売買の現場にぜひ立ち会ってみたいものだと思った。ところが……

「あら、素敵な女神像ね! これを売ってしまうには惜しいと思うわ。だからあなたが持っていてね」

 ――そうきたか!
 しかし、溢れんばかりの笑顔でそういわれてしまうと、さすがのトルネコさんも
「そ、そうだな。ではこれはワタシが持っていることにするよ」
 としか言えないようだ。ネネさんの恐ろしい、いや、素晴らしい笑顔の魔力……なるほど、彼女の立ち居振る舞いがきっと商品をぼった……高値で売りさばく秘訣なのかもしれない。とにかく、ネネさんに5万で売りさばいてもらう作戦は失敗に終わったようだ。

「仕方ないな。こうなったら素直に城下町の骨董マニアに売りつけるか……」
 城下町には一軒、金持ちの邸宅があり、そこの主人は大の骨董マニアだった。銀の女神像を手に入れたがっているという噂は幾度か耳にしたことがある。恐らくトルネコさんはネネさん経由で彼に高値で売りさばこうと思っていたのだろう。しかしその計画は失敗に終わり、トルネコさんは直接骨董マニアと交渉をすることにしたのだった。

「売った!」
「買った!」
 交渉の末、銀の女神像は25,000ゴールドで売り渡すこととなった。50,000ゴールドには遠く及ばなかったが、トルネコさんの見立て額である20,000ゴールドよりは高く売ることができたようだ。
「まあ、これだけあれば鋼鉄の剣7本と鉄の鎧7着を買ってもお釣りがきますからな。良しとしましょう」
 手にしたお金で早速鋼鉄の剣と鉄の鎧を購入し、エンドール城に納品したトルネコさんはついに60,000ゴールドを手に入れ、トンネル工事も見事再開となった。そしてなんと、僕たちの5日間の契約が切れるよりも早く、トンネルが完成してしまったのだ!
「思ったより早く完成したもんだ。……さて、ネネにはちゃんと説明しないといけませんな」

「一家の大黒柱として、本来なら60,000ゴールドを元手に店を大きくしていかなければならなかったのだが……ワタシは武器商人として、世界中の様々な武器を集めてみたい! その想いには勝てなかった。ネネ、すまない」
 自分の店に戻るなりそう言って頭を下げたトルネコさんに、ネネさんは優しく語りかけた。
「いいえ。あなたはいつも夢を持っていないと生きられない人。そんなあなただから、私も好きになったのね。だから大丈夫、お店のことは私に任せておいて」
「ネネ……」
「実はね、あなたがあちこち奔走している間に、私もこのお店で密かにお弁当販売をしていたの。ありがたいことに売れ行きも良くて結構お金も貯まったから、それを元手に貸金業も始めてみようかと思っていたところなのよ。お金が必要な人に貸して、返してもらうときに手数料を徴収するの。なかなか良いアイデアでしょう?」
 僕たち一同、目を丸くした。どうもこの奥さんはお弁当で既に財を築いてしまったようだ。しかもそのお金をさらに殖やそうという目論見らしい。確かにトルネコさんの上を行く才能かもしれない。

「だからあなた、私たちのことは気にしないで、でも体にだけは気をつけて……」
「ネネ……」
 僕とスコットは示し合わせたわけでもなく、少しその場から離れた。

 ◇◇◇

「旦那、あなたとの契約は今日いっぱいで満了だ。どうする? もしお望みであるのなら、俺はどこまでもついていくぞ」
 完成したトンネルへと向かう道中、スコットはそう尋ねた。僕もスコットと気持ちは同じだった。しかし、トルネコさんはゆっくりと首を横に振った。
「そう言ってくださるのはありがたいことですが、この先はどうなるか全く分からない旅になります。5日1,000ゴールドという値段であなた方の命を預かるわけにはいきません。この先は1人で行きます」
「そうか……」

 完成したトンネルには既に多くの通行人がいた。仕事を求めエンドールへ向かう者、未知の場所へ心を躍らせる冒険者。5日とかからずに完成したトンネルは多くの人の夢を運ぶ場所となっていた。自身の夢を継いだトルネコさんの姿を見るなり、老人は笑顔で歩み寄ってきた。
 トンネルの中には夢と希望が溢れていた。トルネコさんはとてつもないことをやってのけたのだと、僕は改めて気づいたのだ!

 そろそろトンネルも出口に差し掛かった頃、トルネコさんは背中の荷台から何かを取り出した。
「スコットさん、これを」
 スコットに差し出したそれは、一振りの鋼鉄の剣だった。さすがのスコットも驚きの表情を隠せなかった。
「これはワタシから、というより、ネネからなんです。あなた方のことを話したら、お世話になったのだからお礼をというわけで」
「世話になったも何も、俺は雇われた身。当然のことをしたまでだ……」
「まあそう言わずに、受け取ってくださいよ」
「……そうか。分かった。では有り難く使わせていただこう」
 スコットは力強く頷き、鋼鉄の剣を受け取った。
「それからロレンスさんには、お仕事を斡旋させてもらいました。お城では近いうちにリック王子とモニカ王女の結婚式が執り行われるでしょう。そのときには詩吟の仕事を優先的にロレンスさんに回すようにとお願いしておきました」
「本当ですかっ?!」
 予想だにしなかった言葉に、思わず声が裏返ってしまった。そんな僕を見てトルネコさんはニッコリと頷いた。
「お2人には色々と世話になりました。どうもありがとう。この先はもう東のブランカ領になります。ここまでで結構です。お2人の今後の活躍を願っています」
「こちらこそ世話になった。あなたの旅の成功を祈っている」
「体に気をつけて、絶対無事に戻ってきてくださいね。そのときはまたお会いしましょう」
 僕たちは最後に握手を交わし、そして、旅立っていくトルネコさんの背中をただただ黙って見送ったのだった。

 −第3章・おわり−


 ◆◆◆

というわけで、ようやく3章終了です。
今回は「自分の店(ぼったくり営業)を活用せずにクリアする場合、どの程度時間がかかるのか」を調べるためのプレーでした。お店を持ったあとに女神像を取りに行ったのはそのためです。
結果、2時間10分でクリアしました。
ちなみに、ごくごく普通にプレーした際の時間の記録が1回目のプレー記の最終回に残っていました。こちらは2時間13分でした。いずれも破邪の剣ナシです。
どのみち大差はないという結果でした。少し意外です。

本当はこのプレーの経過を単に記すだけの簡潔なプレー記にしようかと思ったのですが、それだとスコットとロレンスを全く目立たせることが出来ないので、ロレンス視点の小説形式に改めました。3回ぐらいで終わらせたいところでしたが、行き当たりばったりで書いたためちょっと間延びしてしまいました(´・ω・`)
でもようやく2人の見せ場を作ることができたので概ね満足しています。多分もう1回見せ場がくるかも?

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2014年10月13日
「死ね! エドガン」
「……バルザック?!」
「し……師匠ーー!」

 今日もまた同じ夢で目が覚めた。飛び起きるたびに、もうほとんど治っているはずの傷跡が疼いた。
 錬金術の研究中、私、オーリンの師匠・エドガンは恐るべきモノ、その名も「進化の秘法」を発見してしまった。それは生物の進化を操れるというものであり、使い手によって大いなる果実にも、脅威の毒にもなるものだった。しかし、人間とはほぼ例外なく欲の塊のような生き物である。この秘法の行く末は私でも容易に推測できた。だからエドガン様は秘法を再び封印しようとした。だがそれは、エドガン様の弟子であり、私の弟弟子であるバルザックによって持ち去られてしまった。非力に見えたバルザックは悪魔のような形相でエドガン様に襲い掛かり、不意を突かれた私も奴によって深い傷を負わされてしまったのである。
 私は錬金術師としてはまだまだ駆け出しであったが、腕力には多少自信があった。それなのにエドガン様をお守りすることが出来ず、バルザックの力に屈してしまうという結果になった。私は自分を恥じた。この有様ではエドガン様の住んでいたコーミズ村の人たちにも合わせる顔などない。エドガン様は村のみんなに慕われていた。そんな彼を見殺しにしたも同然である男が、どうしておめおめと村に戻ることができよう。

 私は1人、秘密の研究所があるこの洞窟の奥に身を潜めた。ここでただひたすら傷の回復を待ち、いずれ必ずバルザックを討ってみせる。それだけを胸に、この暗い洞窟で時を過ごしたのだ。
 この洞窟には特殊な仕掛けが施されている。階層を移動するための階段が存在しないのだ。ある特定の床のみが上下に移動し、階層間を移動できるようになっている。だからその仕組みが分からない者は大抵最初の階層で迷ってしまい、そのまま引き上げる。秘密の研究所を構えるにはうってつけの場所だった。

 しかし、人間がまず来ることはないであろうこの階層に人の気配を感じた。魔物との戦いには慣れていたが、人間となると話は別だ。敵か、味方か、ただの迷い人か……久々に緊張が走った。
 人の気配は徐々に大きくなってくる。でも、その気配はどこか懐かしさを感じるものであった。洞窟は薄暗く、先の方まではしっかりと見通すことはできなかったが、どうも2人いるようだ。

 ……まさか

「オーリンみっけ! こんなトコにいたのね。探しまくったわよ」
「オーリン、大怪我をしたと聞いたけど、もう大丈夫なの?」

 やはり、2人の人物はエドガン師匠のご令嬢、マーニャ様とミネア様であった。お会いするのは何年ぶりになろうか。暫く見ない間にお2人ともすっかり大人の女性になっておられた。姉のマーニャ様はモンバーバラ劇場の売れっ子ダンサー、妹のミネア様はよく当たると評判の占い師として生計を立てているということは、風の噂で聞いていた。マーニャ様はどうやら作業服(*注 踊り子の衣装)のままここまでいらっしゃったようだ。この洞窟は魔物も多いはずなのによく2人だけで、そんな格好でこんな奥まで……。
「ちょっとオーリン、なんで黙りこくってんの? まさかあたしたちのこと、忘れちゃったの? エドガンの娘、美人姉妹のマーニャちゃんとミネアちゃんじゃない! あ、そっか、あまりに美しくなりすぎちゃったからビックリして声も出ないのね!」
「姉さん、ちょっと黙ってて。オーリン、無事みたいで良かったわ……全然顔を見せてくれなかったから凄く心配していたのよ」
「……! マーニャ様、ミネア様……申し訳ございません! 私が不甲斐ないばかりに……師匠をお守りすることが出来ずに」
 ハッとわれに返った私はお2人を前に、ただただ頭を下げることしかできなかった。
「あんたが悪いわけじゃないよ。憎むべきはただ1人、バルザックだけだ。だからあたしたちは絶対奴を見つけ出して、父さんの仇を討つんだ」
 マーニャ様は先ほどまでの朗らかな表情から一転して真剣な声色になり、私の肩に手を置いてそうおっしゃった。ミネア様も黙って頷かれた。お嬢様方もバルザックへの仇討ちをなさるつもりのようだ。ならば私もお2人の力にならなければならない。たとえこの命果てようともお2人をお守りしバルザックを討たねばならないのだ!
 だから私はお2人と行動を共にする決意を固めた。進化の秘法はすでにバルザックの手に渡ってしまった。奴のことだ、自分自身に秘法を使う可能性がある。奴は元々魔法をかじっていた。腕力よりも魔力に頼るタイプだった。だとしたら魔法の力を増幅させるはず。だが、それはむしろ都合が良いともいえる。何故ならこの洞窟のさらに奥にはエドガン様がひそかに隠しておいた「静寂の玉」と呼ばれる魔封じの宝玉があるのだ。あの宝玉さえ使えばいかにバルザックといえども魔法を使うことはできないはずだ。
 私はそのことをお2人に進言した。ところが、
「いや、それは使わないでおくよ」
 マーニャ様の口から予想外の答えが返ってきたのだ。
「得意技をガンガン使ったのに負けた。その方が精神的ダメージもでかいでしょ? あいつにはありったけの屈辱を与えたうえで絶望のうちに葬り去りたいのさ。そうじゃないとこっちの気が済まない。ねえミネア」
「そうね。あの手の人はプライドをズタズタにしてあげないと、色々と勘違いしやすいタイプだから」
 ミネア様も表情1つ変えずにそう答えた。
「ですがお2人とも、進化の秘法を甘く見てはなりません! 進化の秘法は……」
「シンカーの秘法だかなんだか知らないけど、復讐に燃えるあたしたちの敵じゃない! 鮮やかに撃ち返す!」
「姉さん、変化球なボケね……」
 この絶妙な掛け合い。お2人は昔から全然変わっていないようだ。ならば一度決めたことは絶対曲げないということも、昔と変わってはいないということなのだろう。
 それならばお2人の願いが叶うよう、精一杯サポートをするまでだ。
「わかりました。それでは私もあなた方と共に戦います。復讐に燃えているのは私も同じ。この命、あなた方に捧げましょう!」
「一緒に来てくれるのは嬉しい。でも、命を捧げるのはダメだよ。もうこれ以上、誰も死んじゃダメなんだからね」
 私はただ黙って頷いた。そして、お2人と一緒に地上へ出た。久々に浴びる日の光は少し眩しかったが、そこには溢れる希望があるように感じられたのだった。

 −つづく−


*******

オーリンも今まであまり出番がなかったので(スコット&ロレンスよりはあったけど)、オーリン視点で進めることにしました。ただし4章は「『静寂の玉』なしでバルザックを倒す」ことを主眼におく予定なので読み物は短くなると思います。


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2014年10月23日
 コーミズ西の洞窟から出た私たちはキングレオ城を目指した。その道中、ミネア様が突然こんなことを口にされた。
「オーリン、洞窟内であなたが居た場所に闇のランプがあったわよね(*注 今回は取っていません)しかも重要アイテム扱いで。でもこの章において、闇のランプを必ず使わなければならない場面はないはず……それなのに何故重要アイテムとしてあの場所に置いておいたの?」
 ……あれは別に私が置いたわけではないのだが、そう言われてみれば闇のランプは特に使いどころがない上に、一度取ってしまえば売れない、捨てられないという正直厄介な謎アイテムではある。しかし、存在の理由は私にだって分からない。
 ミネア様と私、神妙にしていると、突然マーニャ様はケラケラと笑い出した。
「ミネア、あんたモンバーバラの住人のくせに面白いコト言うわね」
「それはどういうこと?」
 ミネア様は少しムッとされたようだ。
「モンバーバラは夜の街なのよ。使えばすぐに夜になる闇のランプはある意味必須アイテムでしょうが!」
 なるほど。たしかにマーニャ様の仰るとおりだ。劇場でのステージは夜のみだし、酒場だって昼間はやっていない。酒場がやっていないということは、2階のぱ……ぱぱぱ、ぱふっちょすーやの店(仮称)だって……
「……オーリン、顔がニヤけているわよ。何か良からぬことを考えているんじゃない? 不潔だわ」
「えー? なになにー? 良からぬことってー。ミネアちゃん、お姉さまにちょっと教えてよ〜。何がフケツなのさ」
 マーニャ様はニヤニヤしながらミネア様の肩をつつかれた。
「そっ、そんなの、寝静まった民家に侵入して、鉄製品を錬金術で金に変えて持ち逃げすることに決まっているじゃない! 言わせないでよ恥ずかしい」
「……あっそ」
 ミネア様の発想は、若干斜め上だった。

 そんなやりとりをしながらやって来たキングレオ城。噂ではバルザックの奴はこの城内のどこかにいるようだ。
 城の全ての入り口には施錠がなされていた。形状を見るに、どうも魔法の鍵で開けられそうな扉である。この程度の鍵なら私は力ずくで開けることができた。
「ちょっと待ったー!」
 私が鍵をこじ開けた途端、マーニャ様からNGが出された。
「オーリン、あんた錬金術師でしょ! なんでそんな脳筋みたいなコトしてんのよ! 錬金術師なら鍵を作って、もっとスマートに開けて、ついでにその鍵をあたしにちょーだい!」
「姉さん、さり気なく図々しいわね」
 魔法の鍵を作ることは、いわば錬金術師のたしなみのようなものである。もちろん私にだって作ることはできる……まだ試したことはないが。
「自分の手でこじ開けることが出来るのなら、はだって作る必要はありません。お嬢様だって、ギラを使えるのに敢えて3,500ゴールドを出して破邪の剣など買わないでしょう? 鍵を作るにもそれなりに材料費がかかるのです」
 ……と、もっともらしい理由を付けてみた。
「なるほど、一理あるわね」
 どうやらうまく納得してもらえたようだ。
 城内を一通り回ってみたものの、バルザックの居場所はよく分からない。臆病な大臣を驚かせることが出来れば……などという話もチラホラと聞こえてはくるのだが。
「てことはさぁ、大臣の部屋に爆弾岩でも転がせばいいんじゃないのー?」
「そんなことして大臣がショック死したら、バッドエンドになりそうね」
 どこかで聞いたことがあるようなネタが展開されたが、おおよそ現実的な案ではない。私たちはひとまず城を出て、港町ハバリアへ向かうこととなった。

 キングレオの北に位置するハバリアは、モンバーバラほどではないものの賑やかな街だった。やはり酒場があり、夜は大盛況。ジルという女性がこの酒場の看板娘であるようで、多くの客からダンスの誘いを受けていた。今ちょうど、いかにもどこかの田舎から出てきたような男と踊っている。男はとても幸せそうだ。先ほどまで「ジルをオラの嫁っこさするだ!」と息巻いていた。
「営業スマイルを真に受けるなんて、純情よねぇ。かわい! ……顔を見なけりゃだけど」
 マーニャ様は葡萄酒を口の中で転がした。酒場で上機嫌のマーニャ様とは対照的に、この場が苦手なミネア様は落ち着かない様子を見せていた。注文したお茶にもほとんど口をつけていない。
「私、ちょっと外に出てきます」
 いよいよ耐え切れなくなったのか、突然そう仰って席を立った。
「お1人で大丈夫ですか?」
 と尋ねると、装備品のくさり鎌をサッと取り出され
「危険の芽はこれで刈り取るので大丈夫です」
 刈り取る真似をしながら下へと降りて行かれた。
「今の、あの子なりの渾身のギャグね」
「そ、そうなんですか」

 外へ出たミネア様はなんでも「気分転換」に地下牢に行ってらっしゃったらしい。何故地下牢に行くことが気分転換になるのか、凡人である私には分かりようもない。凡人ではないマーニャ様ですら首をかしげておられた。まあそれはともかく、そこでミネア様は囚人からとある情報を仕入れられたようだった。
「キングレオ大臣の部屋のそばで火薬を爆発させただけで牢屋に入れられたんですって『ただそれだけなのにあんまりだ!』と嘆いていたわ」
 城内で火薬を爆発させたのなら地下牢に入れられるのも当然のような気もするが、そういうわけでもないのであろうか。
「で、火薬は西のアッテムト鉱山で手に入るみたいよ。明日になったら行ってみましょうか」
「爆発って、あたしのイオじゃダメなの?」
「姉さん、まだイオなんか覚えていないじゃない」
「あぁ、そうだった」
 というわけで、私たちは明日、鉱山の町アッテムトへと向かうことになった。火薬を爆発させるのと爆弾岩を放り込むのと、さほど変わらないようにも思えるが……。

 翌日、出立の前にまず店をまわった。道具屋でミネア様は何故か聖水を注文なさった。
「オーリン(NPC)がいてくれて良かったわ。これならアッテムトまで安全に行くことができるもの。鎌を振り回せないのは少し残念だけれど。ねえオーリン、ちょっとこの聖水持っててくれる?」

オーリンはもちたくないようだ

「わお! 持ちたくないって……アンタ、師匠の娘を前にイイ度胸してるわね」
 そ、そんな! 誤解だ! 仕様だからしょうがないんだ!
 お2人の刃のような視線を浴びつつ、何故か我が身体は道具を持つことを頑なに拒否した。
「いいわ、もうあなたには頼まない。まあ、あなたがいるだけで地上では魔物も出てこないし、それだけで十分よ……」
 怒りやら諦めやらが混じった言葉を浴びせられ、冷たい視線が突き刺さり、私は地味に削られた。

 気まずさを感じながらもアッテムトの町を目指す。どうも私がいるときに聖水を使うと地上には魔物が現れなくなるらしい。しかし、何事もなく歩き続けるこの時間は息が詰まる。お2人とも全然話しかけてくださらないし、こちらから話しかけられるような雰囲気でもない。こんなことならいっそ魔物と戦っていた方が余程気も紛れるというものだ。
 しばらく歩き続け、私たちはようやく鉱山の町アッテムトへと辿り着いたが、その途端、眼前に異様な光景が広がった。町の中がもやっていて、異臭が立ち込める。町の住民は皆顔色が悪く、まるで覇気が無い。
「コレってもしかして、毒ガスとか?」
 マーニャ様は眉間にしわを寄せられた。
「多分そうね。毒性はそれ程でもなさそうだけど、長時間吸い込むのはまずそう」
 道具袋から取り出した布で鼻や口を覆うミネア様を見て、マーニャ様も私も同じ行動を取った。
「このガスってどう考えても鉱山から出てるのよね……。でもって、あたしたちこれからその鉱山に入るのよね……」
「そうね、入らないと火薬が手に入らないし」
 お2人は布越しのくぐもった声で言葉を交わされる。このような状況で鉱山の中を進めるのかどうか。住民もガスにやられて床に臥せっている者が相当数いる。もしお2人の身にもしものことが起これば、私は未来永劫、エドガン様に顔向けすることができなくなる。
「お嬢様方、ここは私1人で鉱山に入ります。ですからガスの届かない町の外で待っていてください。ここに留まるのはあまりに危険です!」
「オーリン……あなた、何てことを……」
 私が意を決して提案すると、ミネア様は言葉を詰まらせているご様子だった。
「あなたが1人で行っても、火薬を持ってこられないじゃない。どうせ道具は持ちたくないんでしょう?」
 ……言葉を詰まらせていたというのは私の思い違いだったようだ。でも確かに火薬を持てないのは事実。これでは行っても意味がない。
「それに、アンタだけを危険な目に遭わせるわけにはいかないね。あたしたちも行くからね。バルザックはあたしたちの仇でもあるんだから!」
 なんだかマーニャ様のお言葉が天使の言葉のように思えてきた。
「分かりました。それでは速やかに用を済ませて、速やかに脱出してしまいましょう」

 こうして私たちはアッテムト鉱山へと突入することになったのであった。

 −つづく−

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2014年11月03日
 私たちは火薬を求めてアッテムト鉱山へと入った。内部はガスが立ち込めているが、人は何人かいて、普通に仕事をしていた。とりあえず鼻と口を布で覆えば何とかなるレベルであろうか。だからといって長居したい場所ではない。さっさと用を済ませてしまいたいところではある。

 ところでふと思ったのだが、アッテムト鉱山では一体何が掘れるのであろうか。石炭、金属類、宝石の原石など、考えられる物は色々あるのだが、実は何が掘れるのかというのを聞いたことがないのである。ある鉱夫に話を聞くと「金を掘り当てるまでやめられない」と言う。ということは「いまだ金を掘り当ててはいないが金山である」のだろうか、それとも「元々別のものが採掘できるが金を掘り当てて一儲けしてみたい」のだろうか。あるいは「金があるかもしれないからとりあえず掘っている」のだろうか。
 ハバリアの宿屋にいた姉弟はアッテムトで働く父親に会いに来たと言っていた。残念ながら父親は既に他界していたが、姉弟ともまだ若い(弟の方は幼い)ことを考えると出稼ぎに来ていたのであろう。既に何かが採掘できるから出稼ぎに行っていたのか、一攫千金を求めたのか、その辺も謎である。
 ううむ、考えれば考えるほど深みにはまるようだ。この鉱山では一体何が掘れるというのだ?!

「オーリン、さっきから何か考え事をしているの?」
「ブツブツ言いながらトラ男をブン投げたり、コウモリを叩き落したり、器用よねぇ〜」
 お2人の言葉にハッとする。そうだった、今は火薬を探している最中。任務に集中しなくては……とはいえ、やはり気になる。
「実は、この鉱山では一体何が採掘されるのかが気になっておりまして……」
「なーんだ、そんなこと考えてたの? そんなの金銀財宝に決まってるじゃない。あたしもさっきからカケラかなんか落ちてやしないかと探してるんだけどさ。なかなかないわよねぇ」
 マーニャ様は肩をすくめられた。マーニャ様の妄想……もとい、推測に水をさすわけではないが、かつて恒常的に金銀財宝が掘れていたのであれば、町にはもう少し、過ぎし日の栄華をうかがい知れる「夢の跡」のようなものが散見されるはずである。しかし、アッテムトは到底そういう感じには見えない寂れた町並みである。
「だったら私が調べてみるわ。ちょうどさっき銀のタロットを見つけたことだし」
 い、いつのまに銀のタロットを拾われたのだろうか。全然気がつかなかった……。
「タロットカードをわざわざ銀で作ったということは、かつては銀が採れていたという可能性も捨てられないわね。そういう風には見えないけれど。それにしても何故作ったものがタロットカードだったのかしら。昔この町に高名な占い師でもいたのかしら……」
 ミネア様はそう仰りながら、カードをめくられた。
「これが答えみたい」

アッテムトは炭鉱

「えー? 炭鉱なのぉ〜。ちぇっ、平凡すぎてつまんないのー」
 本当は実際のゲーム画面を貼り付けたかったようだが、そのためにはDS版を最初からやりなおさなければならず(5章クリア時のデータでは炭鉱という言葉が出てこない)、当時(クレバカDSプレー時)の「ついーと」と呼ばれるものを貼るしかなかったようだ……って、自分でも何を言っているのかよく分からないが。
 それはともかく、なるほど、石炭が掘れるものの、もっと儲かるものを求めてなおも掘り続けているというわけか。彼らの想いはいつか報われるのであろうか……。

 火薬の壷は最深部にあった。今は湿ってしまって大きな音を出すことぐらいしか使い道がないらしい。だが爆発されては却って困る。あの臆病大臣を驚かせるだけなのだから爆音が出ればそれで十分なのである。
 最深部ではなおも2人の鉱夫が鉱山を掘り進めている。ガスの充満するこの状況では無謀とも思えるが、だからといって私たちは彼らに口出しすることは出来ないし、力添えすることも出来ない。2人の成功を祈りつつ、私たちは鉱山を後にした。

 この火薬壷をキングレオ大臣の部屋のそばで使えば、きっと新しい道が開けるはずである。その道の先には恐らく、あの憎きバルザックがいるだろう。進化の秘法を手に入れた奴は、一体どんな力を手に入れただろうか。魔法を封じる「静寂の玉」を手にしていないこの状況で、私たちに勝ち目はあるのだろうか。いや、私がこんな弱気でどうする。マーニャ様もミネア様もバルザックを討つことだけを考え、戦いに臨まれるはずだ。私もその気持ちは同じ。何があろうとも私は絶対にお2人をお守りして、バルザックを討ち果たし、エドガン様の無念を晴らさねばならぬのだ!

(ちょっとオーリン、あんた独り言多すぎ! あんまりブツブツ言ってると大臣に気づかれちゃうわよ。せっかくこの火薬壷であいつを驚かせたってんだから!)
(あ! 壁にボタンがあるみたい。隠し扉だわ!)

 ……いいっ?! いつの間にそこまでコトが進んでたのかっ?!

 −つづく−

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2014年11月13日
 隠し扉の向こう側、隠された王座にバルザックは座っていた。その姿はもはや人間のものではなかった。例えるのなら角の生えた熊である。やはりバルザックは自分自身に進化の秘法を使ったのだ。
「えー、昔は多少は見れたのに、もう全然ダメじゃん! まったくの守備範囲外!」
「なんていうか、人間離れしちゃったわね」
 お2人が評されるとおりの変貌ぶりである。しかしながら私としては、その外見よりもむしろ能力の変化具合が気になるのである。元々奴が得意としていた魔法の力に磨きをかけたのか、それとともに腕力も増強させたように思える。奴が人間の姿だったころは私の腕力の方がはるかに上であったが、果たして現時点ではどうなのであろうか。
 いやいや、あれこれ考えても仕方がない。今はこれから起こるであろう戦いに全神経を集中させねばならない。隙を見せては決して勝てないのだから!
「マーニャ様、ミネア様、行きましょう! 今こそ仇討ちのときです!」

  ◇◇◇

「バルザック! あたしの魔法でギッタンギッタンにしてやる!」
 そう仰ってマーニャ様が唱えた呪文はルカニであった。意外と堅実でいらっしゃる。思わず感心してしまった。
「ホントはイオでもぶっ放そうと思ったんだけどね、あたしまだ覚えてないのよ。レベル10だから」
 ううむ……静寂の玉なしでイオもなし。そう聞かされると堅実であるのか無謀であるのか微妙なところだ。
 そんなマーニャ様のお隣で、ミネア様が銀のタロットを引いた。銀のタロットとは使い手でも何が起こるのか分からないというある意味ギャンブル要素の強い代物である。堅実である(と思われる)ミネア様らしからぬ行動だ。
「……正義のカード。これであいつが素直に消え去るわけないじゃない。ボスにザキを唱えるようなものね」
 ブツブツと呟かれたその言葉通り、バルザックの身体は謎の霧に包まれたものの、結局は何も起こらなかった。
「ぶははは! 何だそのしょぼい攻撃は? 次はこっちの番だ! ギラ!」
 バルザックは低級の閃光呪文であるギラを唱える。低級呪文で攻めてくるとは、私たちをナメているのであろうか。この程度であればさほど痛手ではない。私は手にしている鉄の槍を振り回し、バルザックに斬りつけた。手ごたえは十分である。恐らく、先にマーニャ様が唱えられたルカニのおかげであろう。
 ミネア様はなおもタロットを引かれる。
「あ、しまった」
「あぁーれぇぇぇー」
 ミネア様が顔をしかめられた途端、マーニャ様がどこからか引っ張り出して来られた大きな箱(*注 ひつぎ)に入られ、ご自分で蓋を閉められた。
「……どうやら私は大丈夫だったみたいね。姉さんごめん、今度ほら、前に行ってみたいって言ってたお店……ええと、羊喫茶だっけ? そこに連れて行ってあげるから」
 ……どうやら「ひいてはいけないカード」というものを引いてしまったらしい。それにしても「ひつじきっさ」とは何のことであろうか。……いやいや、無用な考え事はならぬ! 魔法も占いも出来ない私は、ただこの槍で戦うのみなのである!

 不思議なことに、バルザックの輩も馬鹿の一つ覚えのようにギラしか唱えてはこない。お前の武器はそれだけなのか? 進化の秘法の力とは所詮その程度のものなのか。とはいえ、ギラの呪文によるダメージも蓄積されればいずれ脅威となる。しかしそこは治療術の心得もあるミネア様である。ある程度ダメージを負えばすかさずホイミの呪文で治療してくださる。そして少し手が空けばまたタロットカードを引くのである。
 3枚目のカードを引かれたとき、ミネア様はニヤリと笑われた。
「やっときた」
 そう仰るなり装備品であるモーニングスターを頭上でブンブンと振り回された。杖の先に鎖でつながれた鉄球が物凄いスピードで回転している。その勢いのまま鉄球を振り下ろされる。鉄球は大臣のすぐ横の床にめり込んだ。
「あわわわわ……ふがっ」
 臆病大臣は泡を吹きながら尻餅をついた。どうやら腰を抜かしてしまったようだ。
 それにしても恐ろしいパワーである。私ですらかなわないであろうそのパワー。確かにミネア様は華奢な体格のわりには重装備ではいらっしゃるが、そこまで力があるようには思えなかった。それなのにどういうことであろうか。
「ちからのカードの威力は想像以上ね」
 なるほど、引いたカードの影響であるようだ。

 ミネア様の振り回すモーニングスターの鉄球がバルザックを襲った。
「大臣とは違って、あなたには外さないわよ!」
「ぎょえぇぇぇーーー」
 一撃を受けてうずくまるバルザックに私も鉄の槍を突く。それでも何とかバルザックが仕掛けるのは「ギラ」だけであった。傷だらけの己の体に治療を施すわけでもなく、せっかく立派になった太い腕で攻撃してくるわけでもない。バルザックはあくまでも元から得意としていた魔法にこだわった。あるいはもはや思考が停止してしまっているのか……。

「バルザック……父さんと姉さんの仇!!」
 ミネア様はそう叫ばれると力任せにモーニングスターを振り回した。
 ……エドガン様はともかく、マーニャ様に関してはバルザックは何も悪くはないような気がするが、もちろんそれは言わずにおいた。球状の鉄球が歪んで見えるほどのスピードでバルザックに直撃した。
「ぎゃあああべしっ! ひっ、ひでぶっ!」

 人によっては懐かしく感じるかもしれない「おまえはもう死んでいる」テイストな叫びを上げ、バルザックはついに地面に崩れ落ちたのだった。

   ◆◆◆

というわけで、静寂の玉不使用によるバルザック攻略はマーニャ、ミネアともレベル10でまさかの一発勝利という結果でした。ビックリです。下手したらメラミ待ちかと思ったのに、イオさえ覚えずに済んだとは……。


 バルザック戦・1回目

4章のバルザックは最大HP240で毎ターン20の自動回復。静寂の玉を使わない場合、バルザックはギラとベホマを唱えるようです。その他に打撃と火の玉。
ベホマなんか使われたら厄介だな……と思っていたのですが。
こちらの攻撃力、オーリンは40程度のダメージ。ちからのカードでバイキルト状態のミネアは60を超えるダメージを与えました。ちなみに1ターン目にマーニャがルカニを決めたのでバルザックの守備力は0の状態です。

1ターン目
 マーニャ:ルカニ(成功) オーリン:打撃 バルザック:ギラ ミネア:正義のカード=ニフラム(無効)
2ターン目
 オーリン:打撃 ミネア:ひいてはいけないカード(マーニャ死亡) バルザック:ギラ
3ターン目
 ミネア:ホイミ(ミネア) オーリン:打撃 バルザック:ギラ
4ターン目
 オーリン:打撃 ミネア:ちからのカード=バイキルト(ミネア) バルザック:ギラ
5ターン目
 ミネア:ホイミ(オーリン) オーリン:打撃 バルザック:ギラ
6ターン目
 ミネア:ホイミ(ミネア) オーリン:打撃 バルザック:ギラ
7ターン目
 オーリン:打撃 ミネア:打撃 バルザック:ギラ
8ターン目
 ミネア:打撃 戦闘終了

こんな感じの戦闘でした。マーニャは残念なことになりましたが、1ターン目のルカニが最後まで良い影響を与えてくれたことを考えると相変わらず彼女は優等生です。ミネアは相変わらず行動がギャグです。プレー記は違えど今回も立派なネタ姉妹。オーリンがチマチマとバルザックのHPを削り、最後の2ターンでミネアがボコボコにしたという感じでしょうか。バルザックがギラしか使ってこなかったのが謎です。行動が完全ランダムなのか、あるいはもう少しチマチマとHPを削っているとベホマを使ってくるのか。
メラミ習得前に勝つとしたら「ちからのカード」しかないと思っていたので、そのとおりの展開になりましたが、まさか一発目でそういう展開になるとは思いませんでした。なので証拠写真も何もありません(´・ω・`)

レベル10でのクリアは通常プレーと殆ど差がありません。ちょっと運が良ければ静寂の玉は無くても全然構わないアイテムであるようです。

   ◆◆◆

「ちっ、ちくしょう……この俺様がまさかエドガンの娘ごときに敗れるとは……」
 自慢の角も折れ、瀕死の重傷を負ったバルザックが捨て台詞を吐き出した。あれだけの叫びを上げながらも、まだ生きていたことはむしろ驚きである。
「バルザック、あなたは自分の魔力を過信しすぎたようね。魔力自慢の姉さんでさえ最初にギラではなくルカニを唱えたのに、あなたはギラ一辺倒。……でもまだ終わっていないわ。その息の根を止めて初めて、父さんも姉さんもきっと浮かばれる。覚悟しなさい!」
 ミネア様は再びモーニングスターを振り上げ、鎖の先の鉄球をグルグルと回転させた。その鉄球が振り下ろされたときが恐らくバルザックの最期になるであろう。
「うわぁーやめてくれー! 助けてくれー! た、確かに俺はエドガンを手にかけた、それは悪かったと思ってる! だが、俺ぁマーニャには一切手出ししてねぇ! 濡れ衣だー」
 確かにバルザックはマーニャ様の件とは一切関係はない。しかし、まあいわゆる「勝てば官軍」というやつだ。もはや全てバルザックが悪いということになっているのである。

「命乞いに苦し紛れの弁明とは情けない……。こんなにも弱くて情けない人に父さんが殺されたなんて……」

 ミネア様の悲痛な言葉はそのまま私にも突き刺さった。
 そうである、こんなにも弱くて情けない奴にエドガン様は殺害され、私は大怪我を負ってしまった。こんな奴から私はエドガン様をお守りすることが出来なかったという、厳然たる事実が私には重くのしかかる。

 ――こんなに弱くて情けない奴から、あなたは父さんを守ることができなかったの?

 まるでそう言われてしまったかのようで、もはや立つ瀬もない。錬金術の腕はまだまだ未熟で、力だけが取り柄だったのに……。

 私の頭の中は自責の念で満たされ、周りが見えなくなっていた。だから私は気がつかなかった。強大な獅子王が突如現れバルザックを逃がしたことに。
 考え出すと止まらなくなってしまうこの性格は戦場においては命取りとなる。判断の遅れた私はミネア様の盾になることすら出来ずに、獅子王の凄まじい攻撃の前になす術もなく敗れ去ってしまったのだ――。

 −つづく−



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