DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2011年05月03日
「皆さん、ちょっとお待ちください!!」

 天空への塔を探すべく、新たな目的地を定めたユンケル、ライアン、ルーシアにパノンはそう言い放った。
「パノン、どうしたんだい? そんな真面目な顔をして」
「ユンケルさん、あなたは大事なことをお忘れです!」
 そう言われるも、ユンケルには言葉の意味がよく分からなかった。
「ユンケルさん……あなたは……あなたは」
 ライアンとルーシアも思わずパノンを凝視する。

「あなたはまだ、天空の兜を、かぶっとりませんっっ!!!」

 4人の間に一瞬沈黙が流れた後、ユンケルは目をまん丸にさせた。
「あー!! そ、そういえば、そうだった……」
「そういえばすっかり忘れていましたが、パノン殿はスタンシアラ王を笑わせるべく、我々と共にしていたんでしたな」
「パノンさん、今のさり気ないギャグ、素晴らしい響きですわ!」
「す……素晴らしいですかっ!? ルーシアさん、ワタシと結婚しましょうか?」
「うふふ、それは構いませんが……」
「ええっ?! 構わない? 結婚してもけっこん(結構)なのですかっ?!」
「ただ、人間であるパノンさんと天空人のわたしが結婚したら多分天から雷が落ちますよ。パノンさんにだけ。そうしたら血痕が出来るかもしれませんわね。それでもよろしいですか?」
「いいっ?! 結婚後に血痕?! 雷落ちたら、ひサンダー(悲惨だー)! 遠慮しときますデス」
「うふふ、それは残念ですわ」
 ルーシアの言葉は、どこまでが本気なのだろうか……。
 2人のやりとりをユンケルとライアンは唖然として見ていたが、そんな彼らをよそにパノンはいつものにこやかな表情に戻り、軽やかに気球へと乗り込んだ。

   ◆◆◆

 まずはエンドールに行き支度を整えてから、ルーシアの戦いぶりを見るべくエンドールからスタンシアラまで船で向かってみた。ライアン−勇者−ルーシアの3人パーティー。
 ルーシアはルカナンがお好きなようで結構頻繁に使用。普通の打撃攻撃を時々。ルカナン後の攻撃なのでそこそこ効果がある。
 今回はマヌーサは使わず。海の敵はもはや雑魚なのでベホマを使う機会もなし。

 さて、いよいよスタンシアラに到着ですよ!

   ◆◆◆

 一行はスタンシアラ城に到着し、御触れを出している国王と相対した。
 果たしてパノンはこの国王を笑わせることが出来るのか……今までパノンの数々の微妙なギャグを目の当たりににしてきたユンケルはかなり不安だった。ルーシアはワクワクしながら、ライアンは固唾を飲んで、パノンを見守った。

「ほう、旅芸人のパノンと申すか。さあ、このわしを笑わせてみよ」
 ユンケルの鼓動が早まった。いったいパノンはどうやって国王を笑わせるつもりなのか、もし失敗すれば天空の兜は手に入らない。手に入らなければ、天空へは行けない。

「国王様、ワタクシはこれまで様々な地をまわり、人々を笑わせてきました。しかしある時、ワタクシは知ったのです。人々を笑わせることが出来るのは、ギャグを言ってから一時のみ。
 それは何故か……それは、今の世界が心から笑えるような状態ではないからです。人々は常に凶暴化した魔物に怯え、地獄の帝王に怯えながら暮らしているのです。
 こんな暗い世の中、一時の笑いを呼び起こすことも大切なことでしょう。しかし、本当に必要なのは心から笑えるような世の中にすることだと思うのです。
 今この場にワタクシを導いてくれた後ろの者たちには、忍び寄る魔物たちの影を払拭し、皆を心から笑わせることが出来る可能性を秘めています。ワタクシは暫くの間この者たちと共にし、地獄の帝王エスタークが斃れる様を見てきました。そして今、進化の秘法を用いこの世に誕生しようとしている第二のエスタークを封じる為、この者たちは天空へ行こうとしているのです。
 ですから王様、どうかこの者たちに天空の兜をお与えください。この者たちだったらきっと、皆が心から笑える世界へと導いてくれることでしょう。それは長きに渡って彼らと同行したワタクシが、この命を賭けて保証いたします」
 パノンは跪き、深々とこうべを垂れた。

 スタンシアラ王も、ユンケルも、ライアンも、ルーシアも、ただただパノンの話を聞き入った。
「むむむ……天晴れじゃ! パノンとやら、よくぞこのわしの心を見抜いた! わしはこんな暗い世の中、芸人でも呼び集めれば少しは明るくなるかと思い、この御触れを出した。しかし、人々が心から笑えるようにするにはそれだけではダメだということは薄々感じておった。
 相分かった! わしはこの者たちに天空の兜を託し、その行く末を見守ることにしよう。さあ、持って行くが良い」
 ユンケルは国王が差し出した天空の兜を手に取り、跪いた。
「ありがとうございます。僕たちは必ずや天空へ上り、皆が心から笑える世界にしたいと思います」
 ユンケルの瞳には涙が光っていた。
「パノン殿、本当に素晴らしい……見事なぎゃぐでしたぞ!」
 ライアンは髭に隠れた唇を噛み締めながら涙を堪えた。
「いやだライアンさん、今のはギャグではありませんわ。それにしてもパノンさん、ステキです……ぽっ」
 ルーシアもキラキラと瞳を輝かせた。

 パノンはきっと、いつものあのつかみ所のない言動の裏で絶えず頭を回転させていたんだ。周りの雰囲気、状況を見極めて、絶えず機転を利かせていたんだ。
 それこそが、伝説の旅芸人の、伝説たる所以だったんだ!

   ◇◇◇

「さてさて、これでワタシの役目も終わりですネ。とても寂しいですが、これでお別れです」
「パノン……この先も一緒にいることは無理なのか?」
「ははは、ワタシに戦いは不向き。この先ご一緒しても足手まといになるだけです。ならばワタシは自分に出来ることをいたしましょう。たとえ一時の笑いでも、ときに人を元気にすることも出来ます。笑いは良質の薬と同じ。それも旅で学んだことなんですヨ」
「そうか……わかった。パノン、今までどうもありがとう。どうか元気でね」
「旅先でのぎゃぐの成功を祈っておりますぞ」
「せっかく良いお友達になれたのに残念ですわ。またどこかでお会いしましょうね!」
 パノンは3人と順々に握手を交わした。
「皆さんなら絶対、世界中のみんなが心から笑える日をもたらしてくれると信じていますヨ!
 ワタシは気ままな旅芸人。ワタシにシアターはいりません。人が集まればそこが舞台! ワタシも旅先から皆さんのご無事を祈っています。それではごきげんよう!」
 そう言うと懐からキメラの翼を1枚取り出し、天に放ったのだった。

   ◇◇◇

 こうしてパノンは旅立っていった。
「パノンとは随分長い間一緒だったから、寂しくなるな」
 ユンケルは呟き、視線を落とした。
 視線の先に1枚の布切れがあるのを見つけて、手を伸ばす。それには滲んだ文字で何か書かれていた。


 ワタシ、新しい旅先でユンケルさんとの旅の話をしようと思うのです。
 様々な武勇伝を語って、で、最後はこうシメるんですよ

 これが勇者の雄姿や!!

 ってね!
 そんなワタシをどこかで見かけたら、盛大にツッコミを入れてくださいネ。
 その日が来るまで、しばしの間、サヨウナラ。

 パノン


「さあ、浅瀬に囲まれたあの場所へ行こう!」
 ユンケルは高らかに宣言し、布切れをそっと懐に忍ばせた。


なまえLvHPMPそうび
ゆんける3323516423619173奇跡の剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン32320028018225はぐれメタル剣 はぐれメタル鎧 風神の盾 鉄仮面
ルーシア156180958180理力の杖 水の羽衣

<携帯閲覧用>
ゆんける LV33 H235 M164 攻236 守191 早73
奇跡の剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン LV32 H320 M0 攻280 守182 早25
はぐれメタルの剣 はぐれメタル鎧 風神の盾 鉄仮面
ルーシア LV? H156 M180 攻95 守81 早80
理力の杖 水の羽衣

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2011年05月23日
 旅芸人パノンと別れたユンケル、ライアン、ルーシアの一行は地図のど真ん中に位置する浅瀬に囲まれた謎の場所へと向かった。
 かつて船で見かけたときと同様、その周囲は雲に覆われていた。その雲の中へと入り、浅瀬の内側に進入するも、地上の様子はよく分からない。ユンケルは意を決して気球の高度を下げてみた。
「お、陸地が見えてきましたぞ」
 雲が切れ、眼下に陸地が見えてきた。浅瀬に囲まれたその場所は、島のようになっていた。しかもその島は想像していたより遥かに広かった。
 平地を見つけて気球を着陸させ、3人は地上に立った。空を見上げれば、雲ひとつない青い空がそこには広がっていた。視線を地上に戻し、遠くを眺めてみると、その先には天まで届こうかという高い塔が建っているのが分かった。
「あれが天空へ通じるという塔ですかな?」
「不思議ですわ。あれだけ雲が立ち込めていたのに、いざ降り立ってみると雲ひとつないなんて……」
「あの雲は、浅瀬の外側からあの塔を隠す為に存在したものなのでしょうか」
 だとしたら、実に不思議な島だ。地図には記されてなく、小島かと思えばそれなりの広さを持ち、雲が立ち込めていたかと思えば、空は実に澄み渡っている。天まで届きそうな塔が建っているのに、浅瀬の外からは塔の存在を全く知ることは出来なかった。この島には、何か大きな力がはたらいているということなのか?
 それは神と呼ばれる者の力なのか、それとも邪悪なる者の力なのか……。

 とりあえず3人は島を探索すべく、歩みを進めることにした。

   ◆◆◆

 というわけで、天空へ一番近い島へ到着。
 ここで比較的よく遭遇するのがブラックマージ。ベギラゴンと世界樹の葉を使うちょっとイヤな敵。AIキャラはブラックマージを後回しにするきらいがあって少し厄介なのですが、今回は勇者様がいます! 勇者は最優先でブラックマージを倒します。さらにベギラゴンが来ても勇者とルーシアは耐性持ち、ライアンはHP自慢なので怖くないです。
 ピンチになることはまったくなく、ゴットサイドへ到着。宿で泊まって天空への塔へ。


天空への塔 1回目
 ライアン−勇者−棺−ルーシアの順番。
 サントハイムご一行と腹姉妹のときは「じゅもんつかうな」で進まなくてはいけなかったけど、今回はその制約はナシ! ……もっとも、今回作戦自体あまり意味がないんだけど。まあそれは置いておくとして、なんと気が楽なんだろう!
 ルーシア、結構的確にベホマを使う。マヌーサ、ルカナンも程よく唱え、とても賢いという印象。宝箱の小さなメダルを手に入れ、これで合計20枚。ライアンにヘルム被せよう! というわけで、ピンチでも何でもないけど一旦脱出。
 はぐれメタルヘルムを手に入れライアンに装備。守備力200突破。


天空への塔 2回目
 勇者、途中でギガデインを覚える。早速試しうち。200前後のダメージを与えられて気分爽快。ルーシアに殆ど攻撃がいかないし、ライアンはHP高いしで、回復呪文フル回転という状況でもなく、MPはわりと余裕。ビーストの痛恨の一撃を何度か食らったものの、誰も死ぬこともなく無事天空城へ。宝箱を1つ取り残す。いつものごとく、魔法の聖水。通り道じゃないからなぁ。

   ◆◆◆

 天空へと続くと思われる塔の中は邪悪な魔物たちが蔓延っていた。
「この塔にまで魔物たちが棲みついてしまっているなんて、やはりただ事ではありませんわね。……まぁ! ピンクのくまさん! かわいらしいわ。ユンケルさん、ライアンさん、くまさんにルカナンをかけておきますから、サクサクザクザクっとやっつけちゃってくださいね」
「う、うむ。相分かった」
「あら! 今度は青いヘビさん。とさかが付いているわ! ヘビさんにはマヌーサがいいかしら? ユンケルさん、知っていますか? マヌーサが決まるとわたしたちがいっぱい増えたように見えるんですって。ルーシアAとルーシアBとルーシアC、どのルーシアが一番可愛らしく見えるのかしら?」
「……そ、そうだなぁ、元が可愛いからみんな可愛く見えるんじゃないかな」
「やだユンケルさん、お上手ですわね!」
 ビーストやピットバイパーなどの魔物たちを前にしても、ルーシアは至って自然体だった。パノンもかなり面白かったけど、ルーシアも負けてないな……ユンケルはそう思いながら剣を振るって先へと進んだ。
「水の羽衣を身にまとう天女のルーシア殿はまさしく天衣無縫な方ですな」
「まあ! ライアンさんもお上手ですわね。あら! 今度は紫のカバさん」
「カバじゃねーよ! 俺は夜の帝王だ! せめてコウモリって言え!」
「分かりましたわ、カバコウモリさん」

 いくつもの戦闘を繰り返しながら、高く高く、どこまでも続くと思われた塔の頂上へようやく辿り着き、ユンケルたちは雲に乗ってさらに天高くへと進んでいった。
 城での任務で高い山へと登ったことがあったライアンは、いくら上っても空気が薄くならず普通に呼吸が出来る今の状況に驚いた。
「それは、お2人が『選ばれた方』だからだと思いますわ。普通の方だったら到底ここまでは来られないと思います。それ以前に塔の入口で門前払いかもしれませんわね。
 それにしても、いつもだったら簡単に天空と地上を行き来できるのに、羽根が使えないとここまで来るのも大変ですわ。そのおかげでこうやって素敵な殿方の皆さんとご一緒できたのですけど、うふふ」


 ユンケルたちを乗せた雲の動きが止まった。眼前にはさらに大きな雲が広がり、その真ん中には空と同化しそうな色合いの美しい城が建っていた。
「ああ! 天空城ですわ! おかげ様で戻ってくることが出来ました。ユンケルさん、ライアンさん、どうもありがとうございました。無事に帰ったことをみんなに知らせなくては……それではまた、後ほど」
 ルーシアは2人よりも先に城の中へと入って行ってしまった。
「しかしなんというか……実に肝の据わった女性であられましたな」
「そうですね……。でも、天空城に着いたということは、もう彼女は同行しないということですよね?」
「それは少し残念ですな」
「残念ですね」
 2人で顔を見合わせて思わず苦笑いしながら、天空城へと入っていったのだった。


 城内を進み謁見の間に入ると、2人の兵士と、奥には巨大な金色の竜の姿があった。
「ほほう、そなたが我らと人間たちの血を引く勇者であられるか。我がマスタードラゴンはいつもそなたのことを気にかけておられたようだ」
 天空人にはすでにユンケルが人間と天空人の血を引く者だということが分かっているらしい。そして奥にいる竜こそが、ユンケルを気にかけていたという竜の神・マスタードラゴンだった。マスタードラゴンはここまで辿り着いたユンケルたちに労いの言葉をかけ、デスピサロが究極の進化を遂げようとしていること、神の力をもってしてもデスピサロを止めることは不可能であることを告げた。
「しかし、人間とは不思議な生き物だな。か弱き人間が、時として思わぬ力を出すことがある。だから私はそれに賭けよう。天空と人間の血を引きし勇者、ユンケルよ! そなたなら進化した邪悪なる者を倒せるかもしれぬ。そなたに私の持てる力を与えよう!」
 神の言葉と同時に、ユンケルが手にしていた天空の剣が眩く光る。
 世界樹でこの剣を見つけたとき、ユンケルにもライアンにも、それは大した剣だとは思えなかったが、それが見違えるような変化を遂げた。内側から不思議な力が溢れ出てくるようだった。
「これが天空の剣の本当の姿だったのか……」
 ユンケルは思わず、そう声を漏らしたのだった。


 マスタードラゴンへの面会を終え城内を一回りしてみることにした2人は、とある小さな部屋に入った。中には1人の天空人女性が座っていたが、ユンケルを見るなり驚きの表情をし、突然話を始めた。
「その昔、地上に落ちて木こりの若者と恋をした娘がおりました。しかし、天空人と人間は夫婦になれぬのが運命。木こりの若者は雷に打たれ、娘は悲しみに打ちひしがれたまま天空へ連れ戻されたのでした」
 それはユンケルも何度も聞いたことのある話だった。その2人の間に生まれたのが自分であることはもう分かっている。
「しかし娘はどんなときでも、地上に残してきた子どものことを忘れたことはありません。もし今のあなたを見れば、きっと涙にくれることでしょう……」
 女性はそこまで話すと、嗚咽を漏らし、目元を手で覆った。その姿を見たユンケルは胸に何かがつかえたような感覚を覚えたが、結局何も口にはせず、軽く会釈をして部屋を去った。
「ユンケル殿、今のご婦人は……」
「……ライアンさん、木こりの若者に雷を落としたのって誰なんでしょうね」
 ライアンの話を遮るように言ったが、雷を落とせるほどの力を持つ者などそうはいない。恐らくは今さっき会った、あの竜の神の仕業なのだろう。

 あの神はずっと僕のことを気にかけていたらしいと天空人の兵士は言っていたけど、だったら何故、神は母親と僕を引き離したんだ。
 僕は一体、何なのだろう。交わることの許されない人間と天空人との間に生まれてしまった、望まれない存在だったのだろうか。だから母親とともに天空へは連れて行かれず、地上に残されたのだろうか。それが、地獄の帝王が蘇ろうとしていたから、急に僕のことが必要になったというのか?

 僕はデスピサロのことは何とかする。でもそれは、神の為ではなく、僕を育て、守ってくれた村のみんなの為、ピサロが野望を捨てることを望んでいたロザリーの為に、僕は僕の意思で何とかするんだ。

「この雲の下に闇への入口があると言っていましたね。もうここには用はないし、行きましょうか」
「ユンケル殿、その前にルーシア殿に挨拶していきませんかな?」
 握り締めた自分の拳をじっと見つめていたユンケルのことを察してか、ライアンは不器用に笑いながら提案した。
「それもそうですね」
 ユンケルも肩の力を抜いて、笑顔で答えた。


 ルーシアは庭園のような場所にいた。傍には竜が2匹いたが、竜にしては小柄に見える。まだ子どもなのであろうか。
「まあ! ユンケルさん、ライアンさん、今からお2人を探しに行こうと思っていたのですけど、わざわざ来てくださったのですね。嬉しいですわ」
「ルーシアは竜の飼育係だったの?」
「そうなんです。もう、みんなヤンチャで、世界樹の雫を作るためにと保管してあった若葉を食べ散らかしてしまったので、それでわたし、あのとき世界樹まで降りてきたのです。お2人には本当に感謝していますわ」
 ルーシアはそこまで話すと、急に手をポンと叩いた。
「そうだわ! ドラン、こっちへいらっしゃい」
 ルーシアの言葉を受けて、2匹の仔竜のうち1匹が彼女の方へやって来た。
「わたしはもうご一緒することは出来ませんけど、代わりにこの子を連れて行ってください。ドランはまだ子どもですけど凄く強いんですよ。きっとあなた方のお役に立てると思いますわ」
「グオーン、グルグル」
「おお、これは心強い助っ人ですな」
「頼りになりそうですね。ところでルーシアはドランの言葉は分かるの?」
「残念ながら分かりませんけど、きっと『よろしく』と挨拶をしたのですわ」
「グー、グオグオ、グオーン!(えー、せっかくルーシアちゃんが戻ってきたと思ったら、今度はおいらが出てくのかよ。しかも連れはヒゲとガキ!)」
「ドラン、僕はユンケル。こちらはライアンさん。どうぞよろしく」
「グルグル!(おいらの足を引っ張るなよ!)」
 大きな瞳をした愛くるしい顔からまさかそんな言葉が紡ぎ出されているだろうとはユンケルもライアンも、もちろんルーシアも知る由もなかった。

 こうして新しい仲間・ドランを加え、ユンケル一行は闇の世界へと潜って行くのであった。


なまえLvHPMPそうび
ゆんける3423917325119377天空の剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン32320025020725奇跡剣 はぐれメタル鎧 風神盾 はぐれメタルヘルム
ドラン258019516035

<携帯閲覧用>
ゆんける LV34 H239 M173 攻251 守193 早77
天空の剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン LV32 H320 M0 攻250 守207 早25
奇跡の剣 はぐれメタル鎧 風神の盾 はぐれメタルヘルム
ドラン LV? H258 M0 攻195 守160 早35

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2011年05月28日
 ユンケルたちは天空城を後にし、闇の世界へと続くであろう洞窟に足を踏み入れた。闇への洞窟に相応しく、中は薄暗く、じめじめして蒸し暑い。
「こう重装備だと、暑さが堪えますね」
 ユンケルの緑色の前髪から、汗が滴り落ちた。
「水分はこまめに補給した方が良いですな」
「ドランは何も着ていないから少しは涼しいだろう?」
「グオグオ、グオーン(このくらいへっちゃらさ! おまえ達もおいらみたいに裸で歩けばいいのにな。まあせいぜい茹で上がらないように気をつけるこった)」
 そんな会話を交わす一行の前に魔物の群れが現れた。ユンケルとライアンはいつもどおり剣を振るって戦う。そして、初めて戦地に立ったドランは大きく息を吸い込んで……
「グゴゴゴゴーン!」
 凍える吹雪を吐き出した。あたりは一気に冷気に覆われ、魔物の群れは氷漬けになってしまった。
「おお! さすがは竜の子どもだな。これは末恐ろしい」
「ドラン、僕たちのために辺りを冷やしてくれたんだね。ありがとう」
「グ、グゴゴン(べ、別に、おまえ達のために吹雪を吐いたわけじゃないんだからね)」

   ◆◆◆

闇の洞窟 1回目
 というわけで、ドランは吹雪を多用。時々甘い息を吐き、繰り出す攻撃は痛恨の一撃。なかなか役に立つ。
 ところが、最初の回廊部分を抜ける少し手前でマネマネと遭遇。いきなり襲い掛かられ、そのターンはモシャス。次のターンで逃走を試みるが失敗。そんな中「ゆんけるもどき」が繰り出したのは……ギガデイン
 ギャー! 酷すぎる。ライアン死亡。続いてライアンもどきの手痛い一撃が勇者に炸裂して死亡。ドランを残して全滅。
 マネマネに負けるなんて……なんという屈辱!

「グゴゴン、ゴン(情けなさすぎー。あれほどおいらの足を引っ張るなと言ったのに)」


闇の洞窟 2回目
 今回は逃げ多用。ひたすら逃げる。宝箱も通り道以外は全て無視。塔の部分になってからは戦闘をこなす。逃げて温存できていたMPでギガデイン連発。多数の落雷を巻き起こしつつ、無事希望の祠到着。

 この時点でレベル、勇者34、ライアン33。

 引き続き四天王戦。
 早く奇跡の剣の2本目を欲しいのでヘルバトラーから。

ヘルバトラー戦 1回目
 確かヘルバトラーはイオナズン等を使ったはず、というわけでライアンにミラーシールドを装備させる。まどろみの剣は勇者のみ装備(状況に応じて天空の剣と使い分け)
 1ターン目の勇者の攻撃で眠らせる。運良く最長の3ターン熟睡。その間天空の剣で攻撃。起きた後、吹雪や激しい炎を吐いてきたが、また2ターン後には眠る。ただし今回は眠ったターンで起きた。
 起きた後の激しい炎でウィンドウが緑のピンチ状態になったが、そのまま打撃でごり押しして倒す。被害はゼロ。
 ドランは吹雪ばかりで打撃攻撃を殆どしなかった。


 引き続き、南下してギガデーモン戦。こいつは過去2回、ルカナンに苦戦させられた相手だったが……

ギガデーモン戦 1回目
 ライアン、まどろみの剣と風神の盾を装備。
 ルカナン対策として念のため天空の盾とマホステを使う。今回はライアンもまどろみの剣装備だったこともあり(最初のうちはまどろみの剣を道具として使っていたけど……)、比較的よく眠ってくれた。おかげでルカナンを一度も使われることなく、余裕の勝利。
 やはり自由に動かせる勇者の存在は大きい。


 次は忠臣・アンドレアル×3。

アンドレアル戦 1回目
 ライアンは今回もまどろみの剣と風神の盾。
「こいつはギガデインが効けば楽勝だよな。でも多分効かないだろうな」と思いつつギガデインを唱えたら……効果バッチリで拍子抜け。アンドレアルDが助っ人に駆けつけたものの、ギガデイン2発でほぼ瞬殺。とても「四天王」相手とは思えぬ、あっけない勝利。

   ◆◆◆

 4つの結界のうちの3つを破ったユンケルたちは、最後の祠へと向かった。
 塔のような建物の頂上に人間の姿をした者が立派な椅子に腰を下ろしていたが、ユンケルたちのことを目にすると、ゆっくりと立ち上がった。
「ほほう、ついにここまで来たか。天空の勇者よ。しかし全ては遅かったようだな。もうすぐデスピサロ様が我が魔族の王として目覚めるだろう。
 デスピサロ様の心にはもはや人間に対する憎しみしか残っておらぬはず。
 冥土の土産に教えてやろう。ロザリーを人間にさらわせたのは、この私なのだ」
 そこまで言った途端、男は人間から魔族へと姿を変えた。エビルプリーストと名乗った男はその名のとおり、邪悪な神官なのであろうか、真っ白な法衣を身に纏い、その上に軽装の鎧を身に着けていた。
「なんだと?!」
 エビルプリーストの暴露にユンケルは衝撃を受けた。
 こいつが黒幕だったのか! デスピサロを、自分の主君を王にせんがため、その主君のもっとも大切なものを奪った。こいつが裏で、全てを操っていたというのか。
「憎しみだけに囚われてしまった者が真っ当な王になれるとでも、おまえは思っているのか?!」
「ククク、別に真っ当な王になって欲しいなどとは思ってないさ。王に余計な思想など要らぬし、下手に頭が切れる必要などないのだ。何故ならこの私のような有能なブレーンが、王の傍にいるのだからな。王はブレーンの言うとおりに動くだけでよい」
 エビルプリーストはニヤニヤしながら答えた。
「ならばおまえが全て、デスピサロを裏から操っていたというのか? 僕の村を襲わせたのも、おまえがそそのかしたのか!」
「操っただのそそのかしただの、人聞きの悪い。私はデスピサロ様に助言を続けたまで。純情な魔族の若者は、私の言葉を実によく聞き入れてくれたよ……ククク」
 ユンケルはずっと、デスピサロが首謀者であると思い続け、いつか必ずデスピサロを仕留め、村のみんなの仇を討つと思っていた。そんな思いが今、音を立てて崩れるようで、さすがにショックだった。しかしそれ以上に、エビルプリーストへの怒りが湧き上がってきた。
「そんな私のたった1つの誤算は、勇者であるおまえが生き残っていたことだが、まあ別に良い。今ここで倒してしまえば良いのだからな」
「おまえは絶対に許さない! その誤算とやらが命取りになることを今から思い知らせてやる!」
「ククク、青二才め! かかって来い。返り討ちにしてくれるわ!!」

   ◆◆◆

エビルプリースト戦 1回目
 立派な前振りの割りに、呪文さえ封じ込めれば実はあまり強くないエビルプリースト。ライアンには奇跡の剣とミラーシールドを装備させる。
 早々にお供のスモールグールを蹴散らすにはギガデインが良いが、エビルプリーストにマホカンタがかかっているので危険。まずは天空の盾とマホステで勇者とライアンの守りを固める。その間にライアンの攻撃やドランの痛恨の一撃で順調にスモールグールの数を減らすが、相手のマヒャドやバギクロスの連発で徐々にHPを減らされたドランにまで回復&マホステの手が回らず、ドランは途中リタイア。
 勇者とライアンには魔法無効効果がかかっているのでもはやエビルプリーストの攻撃は怖くない。2人とも奇跡の剣を装備しているので回復面もバッチリ。あとはコツコツと攻撃を続けて無事勝利。
 ドランがリタイアしたことを考えると、四天王戦で一番苦戦したと言えるのか?

   ◆◆◆

 怒りに駆られたユンケルではあったが、その戦い方はライアンも舌を巻くほどに冷静だった。自分たちに魔法を無効化する術をかけ、エビルプリーストの唱える吹雪や真空の呪文をことごとくかき消したのだ。
 その上で繰り出されるユンケルとライアンの怒涛の攻撃に、エビルプリーストはなすすべなく、床に膝をついた。
「バ、バカな……。この私が敗れるとは。あと、あと一歩で、私はこの世界の影の支配者になれたのに……口惜しや」
 唇を噛み締めるエビルプリーストの前に剣を手に仁王立ちしたユンケルは考えた。

 やはり、僕とあいつは似た者同士なんだ。
 僕は人間たちから勇者と呼ばれる存在であり、あいつも魔族の世界では将来を嘱望された者だったのだろう。そして互いに、1人の女性を愛する若い男だった。そして互いが敵対する者の手により、愛する者を奪われた。
 僕は魔族や魔物を憎み、あいつは人間を憎んだ。でも僕は素晴らしい仲間たちに恵まれた。ホフマンは心よどんだ僕のことをずっと「瞳が澄んでいる」と言ってくれて、自分も酷い目に遭ったにも関わらず、明るく僕に接してくれた。パノンも、面白いかどうかは別として、常に僕の心をほぐそうと気を遣ってくれていた。天真爛漫なルーシアとの短い間の旅も、心に潤いを与えてくれた。ドランはまだ子どもなのに、一生懸命戦ってくれている。そしてライアンさんは、王宮仕えの戦士でありながら世界中を巡って僕を探してくれた。時に優しく、時に厳しく接してくれた。ライアンさんがいなかったら、僕はまだ魔族に激しい憎しみを抱いていたかもしれない。
 そんな仲間たちに恵まれたから、僕は今日、ここまで来られた。
 もしあいつがもっと仲間に恵まれていたのなら、また違った道があったのかもしれない。あのアンドレアルという奴がもっと強く、A〜Dだけじゃなくて、YやZぐらいまでいて、あいつの傍で支えることができたなら、憎しみに支配されて進化の秘法に手を出すなんてことも、もしかしたらなかったのかもしれない。

「おまえなんかに、世界を支配なんかさせない。僕が絶対に、させない。あの世でロザリーに詫びろ。おまえが逝った後、デスピサロもそっちに寄越す。デスピサロにも詫びるんだ!」
 ユンケルは手にした剣を頭上に掲げ、真っ直ぐに振り下ろした。
 エビルプリーストの断末魔の叫びが響く中、どこかで何かが弾けるような激しい音もまた鳴り響いた。
「どうやら、宮殿を覆う結界が全て破れたようですな」
「グゴッ!(エラい目に遭ったけど、これでついにデスピサロとかいうヤツと戦えるな。おいらワクワクするぜ!)」

 デスピサロ、もはやおまえを止められるのは僕しかいない。僕が止めないといけない。何故ならおまえは僕だから。どこかで道を踏み外していたら、僕がおまえになっていたかもしれないから。
 僕は全力でおまえを倒す。憎いからじゃない、村のみんなの遺志を継いで憎しみの連鎖を解くために、ロザリーの遺志を継いでおまえを憎しみから解放するために、倒す!

「さあ、行きましょう。デスピサロの宮殿へ」

 ユンケルたちの最後の戦いがいよいよ始まる。


なまえLvHPMPそうび
ゆんける3525218024619580奇跡の剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン33336025820725奇跡剣 はぐれメタル鎧 風神盾 はぐれメタルヘルム
ドラン258019516035

<携帯閲覧用>
ゆんける LV35 H252 M180 攻246 守195 早80
奇跡の剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン LV33 H336 M0 攻258 守207 早25
奇跡の剣 はぐれメタル鎧 風神の盾 はぐれメタルヘルム
ドラン LV? H258 M0 攻195 守160 早35

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2011年06月03日
 いよいよ最終攻略。まずはデスピサロの宮殿。1回目は賢者の石を取りに行く編。いきなり土偶戦士と2回も戦うハメに……。ザラキを食らったりしたものの、全滅は免れる。やはり土偶地帯はトラマナがないと逃げにくい。その他ガーディアンにも苦戦。吹雪と甘い息は脅威。ドランの吹雪、ガーディアンには1しかダメージを与えられない。オマエははぐれメタルか! とつっこみたい気分。
 賢者の石は取れたものの勇者のMP浪費が激しいので、預金は全て祈りの指輪に充てることにした。

 2回目以降も苦戦はすれど全滅することはなく、わりとスムーズにデスピサロのところへ行けた。戦う直前に祈りの指輪を使い勇者のMP回復。1個1万G相当の祈りの指輪の破損だけが恐怖。

   ◆◆◆

 デスピサロは宮殿の中にはおらず、宮殿を抜けた先にある山の頂上に1人、うずくまるように虚飾の玉座に腰を下ろしていた。ユンケルたちが目にしたデスピサロは、かつてのような魔族の若者という風体ではなく、まさに化け物と化していた。それはかつて、アッテムトの奥深くで眠っていた地獄の帝王・エスタークと瓜二つであった。これが進化の秘法を使った成れの果ての姿。
「……何者だお前達は? 私はデスピサロ。魔族の王として目覚めたばかりだ。
 私には何も思い出せぬ……」
 全てを捨て、憎しみだけに囚われてしまった哀れな男の姿だと、ユンケルは思った。自分から全てを奪い、あれほど憎くて憎くて、いつか探し出して八つ裂きにしてやると思っていた、そんな感情はもはやユンケルにはなかった。でもそれでも、決着をつけなくてはならない。今ここでデスピサロを仕留めたところで、もはや失ったものは何一つ戻ってはこないであろうが、それでも戦わなくてはならない。
 村のみんなのために、ロザリーのために、そして、自分とよく似たこの男の心を解放するために。
「……しかし、何をやるべきかは分かっている。お前達人間どもを、根絶やしにしてくれるわ!」
 デスピサロが狂気の目を光らせ、吼えた。
「ライアンさん、ドラン、いきましょう!」
「うむ、このライアン、全てをかけて必ずやあやつの憎しみを封印してくれよう!」
「グオッ! グオーン!(腕が鳴るぜ! おいらがケチョンケチョンにやっつけてやる!)」

 こうして、ユンケルたちの最後の戦いが始まった。

   ◆◆◆

デスピサロ戦 1回目
レベルは勇者35、ライアン33。
武器、勇者はまどろみの剣と奇跡の剣を使い分け。ライアンはまどろみの剣固定。
勇者に世界樹のしずく&葉を持たせる。最終形態対策に皆殺しの剣も持たせたので道具欄が満タン。天空の剣の所持は諦める……天空の勇者なのに。
ライアンの鎧は「魔神の鎧」ブレス軽減特典を買う。素早さは元々25しかないし、0になっても問題なし。賢者の石もライアン。天空の剣も一応持たせておく。

では戦闘開始。
第一形態 まどろみ効果炸裂! デスピサロ眠りっぱなし。
第二形態 起きていたのは1ターンだけ。ドランは吹雪吐きすぎ。痛恨の一撃を望める通常攻撃をしてくれない。
第三形態 最初のターン以外寝ていた。ザキが飛んできたけど被害ナシ。
第四形態 またもや眠りっぱなし。まどろみの剣凄すぎる……。余裕で突破。
第五形態 このあたりから余り眠らなくなる。眠らないとまどろみの剣を道具として使うライアン。普通に攻撃して欲しいけど、この辺は学習待ち。立派な腕が生えた形態なのでデスピサロの攻撃力が半端ない。ベホマズンを2回も使ってしまった。
第六形態 甘い息を連発するドラン。無駄すぎる……。ライアンも道具使用だし。2人とも、普通に戦って! それでも被害はなく、無事突破。
最終形態 全然寝てくれない。焦って回復がおろそかになった隙を突かれて勇者がやられる。さすがに勇者がいないと無理。ここで全滅。


デスピサロ戦 2回目
道中、ライアンのレベルが上がる。ちから大幅アップ。HPにいたっては20以上上昇! 凄すぎ!
今回は賢者の石を勇者に持たせ、世界樹のしずくをライアンに持たせる。「いろいろやろうぜ」にすれば使ってくれるはず。

では第二戦、開始。
第一形態 今回はあまり寝てくれない。ライアン、「まどろみ道具使用」はこの形態では行わなかった。学習効果発揮か? 攻撃が痛いので回復は賢者の石でこまめに。
第二形態 2ターンの間だけ寝てくれた。その間にボコボコと殴って突破。今回はドランもわりと通常攻撃を使ってくれる。痛恨の一撃は出ないけど。
第三形態 この形態からライアンがまどろみの剣を道具として使い出す。まだ学習は完璧ではない模様。デスピサロがスクルトを唱えてきたが、天空の剣はライアン持ち。「いろいろやろうぜ」にしようかと思ったけど、世界樹のしずくをここで使われても勿体無いので作戦そのまま。勇者所持の皆殺しの剣を使用して相手の守備力を下げた。ザキは唱えてこなかった。
第四形態 全く寝なかった。今回はまどろみ不発気味。ライアンはひたすら道具使用。この形態、相手は瞑想を使ってくるのでここはちゃんと攻撃して欲しい。それでもドランの痛恨の一撃が出たりして無事突破。
第五形態 ここでは比較的よく寝てくれた。この形態から攻撃力が上がるので早めの回復を心がける。
第六形態 全く寝てくれない。ライアンを回復させようとしたターンでデスピサロに先制されてライアンやられる。ベホマ空回り。次のターンも先制され勇者もやられ、ドランを残し全滅。

さすがにデスピサロはそんな簡単にはいかないか。
賢者の石は勇者に持たせた方がこまめに回復出来て良いので以降も勇者所持。


デスピサロ戦 3回目
第一形態 あまり寝なかったが無事に突破。最終形態以外は自動回復がないのでこちらも攻撃の手を休めてこまめに回復。
第二形態 よく寝ていた。余裕で突破。
第三形態 ライアン、道具使用をしなくなった。ひたすら攻撃してくれる。スクルトは皆殺しの剣で帳消し。ザキは唱えてこなかった。
第四形態 2戦目とはうってかわって熟睡タイム。賢者の石で態勢を整えつつ突破。
第五形態 こちらもよく寝てくれた。寝ている間に回復しつつ、無難に突破。
第六形態 相手の攻撃は手痛いが、やはり寝ている間にせっせと回復。勇者が攻撃しなくてもライアンとドランで100以上のダメージを与えられるのは良い。ライアンが今までで一番輝いて見える。
最終形態 最初のターンで皆殺しの剣が決まり、デスピサロの守備力が118低下。ダメージはライアンとドランだけでも100を超える状態なので勇者が回復にまわっても問題ない。全員で攻撃すれば180〜200程度のダメージ。素晴らしい。しかも比較的寝てくれたし、起きて攻撃を受けてもとにかく早め早めの回復を心がけ、ベホマズンも惜しまず使う。ドランが痛恨の一撃を出してくれるオマケつき。
3戦目、結局誰も一度も死ぬことなく、ついにデスピサロを倒す。

デスピサロはやはり強いかなとも思ったけど、終わってみれば3戦で突破。レベルも勇者35、ライアン34。通常プレーと大して変わらないレベル。まどろみの剣はやはり最強の剣でした。天空の剣いらない……。

   ◆◆◆

 最初はエスタークのような出で立ちだったデスピサロは、ユンケルたちの攻撃を受けるたびにその姿を変えていった。腕を斬り落とせば新しい、より力強そうな腕が生え、頭を叩き潰せば、それまで何もなかった腹部に新しい顔が出来た。ひょろっとした脚もまた、太く立派なものと生え変わり、腹部に出来た顔の上に、さらに新しい頭部が姿を現し、立派な角が生えた。
 形態が変わるたびにどんどん新しい攻撃を繰り出してくる。巨大な爪を振り下ろしてきたり、何もかも燃やし尽くしそうな炎を吐き、逆に全てを氷漬けにしてしまいそうな猛吹雪を吐いてきた。このまま永遠に、奴は進化し続けるのか? これが完成された進化の秘法なのか? 僕たちは、戦い続けることは出来るのか?
 そんな思いを抱き始めたユンケルの前にライアンが剣を構えながら歩み出た。
「進化とは代を重ねて徐々になされるべきもの。己の代のみで永遠に進化を続けることなど不可能。たとえ秘法を使ったとしてもです。必ずどこかで綻びが生じるはず。『成長』が、いつしか『老化』に転じるように!
 私はもう、すっかり老化に転じていますがな」
 ライアンはニヤリと笑い、立派な口髭がわずかに揺れた。
「諦めずに戦い続ければ、かならず勝機はあるはずです。焦りは禁物ですぞ」
「はい! 僕たちは絶対に引かない。諦めない!」
 ユンケルも力強く頷いた。
「グゴゴゴゴーン!(老化のヒゲとは違って成長期真っ盛りのおいらが一泡吹かせてやるぜ!)」
 ドランは一直線にデスピサロへと突進し、ありったけの力を込め、まだ子どもながらも立派な腕を振り下ろした。デスピサロの右腕の付け根あたりをドランの爪が切り裂いた。
 これまで腕を飛ばしても、頭を潰しても決して着くことはなかった膝が、初めて地面に着いた。傷から紫色の血とともに、空気のようなものがシューシューと音を立て抜けているように見え、右腕がみるみるうちにしぼんでいった。

 また新しい腕が生えるのか?!

 ユンケルたちは唾を飲み込みながら成り行きを見守った。
 しかし、デスピサロから新しい腕は生えてこない。
 新しい頭部が現れ、角が生えたあのときが、進化の頂点だったのだ。
 理性を失い、進化の頂点を極めた者に待ち受けるものは、滅びへの道。
「俺もだいぶ枯れてはきたが、まだまだ若い者たちには負けてはおれぬ!」
 ライアンもドランに続くように、剣を手にデスピサロに突進した。もはや動きにキレの見られないデスピサロの左腕の付け根に剣を突き刺した。
「ぐあああ」
 デスピサロは腹に響くような呻き声をあげた。左腕も空気が抜けるかの如くしぼんでいった。
「グゴッ!(ヒゲ! おいらの真似すんな!)」
「ユンケル殿、こやつを……そして、世界を解放できるのはあなたしかいません! あなたを守り抜いた故郷の村のみんなの想い、ロザリー殿の想い、そしてこの、私たち、共に戦ってきた皆の想いを乗せて、複雑に絡み合ってしまった憎しみの鎖を断ち切るのです!」
「グゴゴン!(ちょっと悔しいけど、美味しいところはおまえにくれてやる! 持ってけドロボウ!)」

 ユンケルは目をカッと見開き、剣を握る手に力を込めた。

 父さん、母さん、シンシア、村のみんな、ロザリー、ホフマン、パノン、ルーシア、ドラン、ライアンさん……僕は……僕はみんなの想いをこの体に、一身に受けて、今、全てに決着をつける!
「デスピサロ!」

 ユンケルはデスピサロに飛び掛るように剣を振り上げ、そして力の限り、その剣を振り下ろした。
 体中に、確かな手ごたえを感じた。

「ぐ、ぐおおおおおお……」

 次の瞬間、ユンケル、ライアン、ドランの前から、あの化け物の姿をしたデスピサロは消え去り、以前の、魔族の若者の出で立ちをしたデスピサロが血まみれで地面に横たわった。デスピサロは苦悶の表情を浮かべながらどうにか体を起こし、ユンケルを見た。
「私は……敗れたのか。
 くくく……天空の勇者よ。あのときあの村で、おまえを仕留めそこなったのが私の致命的ミスだったというわけか」
「…………」
「身代わりになったのは、おまえの女か?」
「……彼女は、僕の大切な人だ」
 デスピサロは体を震わせつつも鋭い目つきで問い、ユンケルもまた、険しい表情で答えた。
「そうか……因果応報というやつだな」
 デスピサロの口からフッと息が漏れた。
「ロザリーは……おまえと一緒にいられさえすれば良いと言っていた。せめてあちらの世界では一緒にいてやれよ」
「フフフ、私がロザリーのいる天上に行けると思うか? 私の行く先は地獄だろうよ」
「おまえはロザリーのために人間を滅ぼそうとした。それだけの行動力があるのなら、地獄の底から這い出してでも、ロザリーの元へ行ってやれよ」
「面白い奴だ」
 デスピサロは目を閉じ口元を歪め、一つ二つ咳き込んだ。鮮やかな赤い花が地面に散った。
「勇者よ……」
「ユンケルだ」
「ククク、ユンケルよ、女のもとへ連れて行ってやろうか? そのくらいの力なら、まだ残っている。全ては終わった。だが、おまえのもとには何も戻っては来ない。ならばもう、生きていても仕方ないだろう?」
 その言葉にユンケルは息を呑み、デスピサロを凝視したが、やがてゆっくりと、首を横に振った。
「僕は生きる。彼女の為にも、みんなの為にも、寿命が尽きるそのときまで、僕は生き抜いてみせる」
「そうか……。ならばもう行け。ここはじきに崩れてなくなるだろう。生きるのならばせいぜい早くここから脱出することだ。地獄に飲み込まれないようにな。
 ……さらばだ、ユンケル」
「さらばだ、ピサロ」
 ユンケルはデスピサロに背を向け、歩き出した。ライアンとドランもそれに続いた。
 ユンケルは決して後ろを振り返ることはなかった。

「地獄の底から這い出しても……か。面白い。死んだ後もやるべきことに事欠かぬというわけか……ククク」

 だからそんなデスピサロの最期の呟きも、耳にすることはなかった。


 つづく。次回最終話。

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2011年06月04日
 ユンケルたちは今、天空城にいた。
 闇の世界を脱出しようとした彼らの前に突如マスタードラゴンが現れ、天空へと連れ出したのだった。
 城に着くなりドランはグゴグゴ言いながら飼育係のルーシアのもとへと行ってしまった。ユンケルとライアンの2人だけが、マスタードラゴンと向かい合うように立っていた。
「天空と人間の血を引きし勇者ユンケル、そしてバトランド王国の王宮戦士ライアンよ、そなたらのはたらきで進化の秘法はデスピサロ共々、地の底深くに沈んでいった。よくぞやってくれた。心から礼を言おう」
 一段高い玉座の上から、マスタードラゴンは神でありながらも恭しく、礼を述べた。
「どうだ、ユンケルよ。ここに残らぬか? もはや地上にいることもあるまい。天空城に残り、我々とともに暮らすが良かろう」

 何故今更そんなことを言うのか。僕が望まれない存在だったから、母親から引き離し、地上に残したのではないのか? それが急に、まるで世界の救世主のような扱いを受け、今度は一緒に暮らさないかだって? そんなの、随分勝手じゃないか!

 ユンケルは腹が立った。この竜の神に、なんて言ってやろうかと考えた。でも、もしここで神の逆鱗に触れることになったら、何も関係ないライアンまで巻き込んでしまうのではないかとも考えた。
 どうせもう、ここからはすぐ去るつもりでいた。地上に戻れば、もう二度とこの地を訪れることもないだろう。竜の神とも、もう未来永劫、会うことはないだろう。

 ならば静かに、ここを去ろう。

 だからユンケルは1つ大きく深呼吸し、穏やかな口調で告げた。
「僕は地上で生まれ育ちました。これからもずっと地上で暮らし、地上に骨をうずめます。
 ……ここにはきっと、僕の居場所はないから」
 最後に呟いた一言だけがユンケルにとってささやかなる、神への抗いだった。
「……そうか、分かった。止めはせぬ。ならば地上へ戻るが良い」
 ユンケルの思いを汲み取ったのか、マスタードラゴンもまた、静かに答えた。
「元気で暮らせよ」
 ユンケルもライアンも、マスタードラゴンに頭を下げ、謁見の間を後にした。


「ユンケルさん! ライアンさん! おめでとうございます」
 竜の飼育場へ着くなり、ルーシアが満面の笑顔で迎えてくれた。
「ドランはお役に立ちましたか?」
「うん、とても頼りになったよ。さすがはルーシアが育てている子だね」
「それは良かったですわ!」
「グゴッ!(こいつらもおいらの子分として頑張ってたぜ!)」
「ルーシア殿にも色々と世話になりましたな」
「わたしも、短い間でしたがあなた方と旅を出来たことを誇りに思いますわ」
「元気でね。また良かったら地上に遊びに来てよ。怪我はしないようにね」
 ルーシアはにっこりと頷いた。
「お2人も、お元気で」
「グゴゴン。ゴゴン!(おいらも地上に行きたいな。って、別におまえたちに会いたいから行くんじゃないんだからね!)」


「ライアンさん、そろそろ地上へ戻りましょうか?」
 竜の飼育場を後にし、ユンケルは外へ向かい歩き出そうとしたが、
「あのご婦人には……お母上には、お会いしなくてよろしいのですか?」
 ライアンが進言すると、ユンケルはわずかに顔をこわばらせた。
「……あの人が本当に僕の母さんなのか、分からないじゃないですか。それに、僕にとっては村で僕を守ってくれたあの人が、本当の母さんなんです」
「あなたがそう思う気持ちは分からなくはない。私も元々は孤児で、拾ってくれた養父母に育てられた身ですからな。
 ですが、あのご婦人が腹を痛めてあなたを産んでくれたからこそ、あなたは今、生きてこの世界にいることができるのですぞ。それだけは忘れてはなりません。今会わなければ、もう二度と会えぬかもしれないのですぞ」
 ユンケルは黙って下を向いていたが、暫くして方向を変え歩き始めた。あの女性のいる部屋の方へ向かって。

 ユンケルがドアをノックし中へ入ると、女性は驚いたように、でも嬉しそうに、ユンケルを見た。
「あの……僕は、その、これからも地上で頑張って生きていきます。だから……ええと……か、母さんも、お元気で」
 顔を赤くしながらもごもごと話したユンケルを、女性は涙を流し抱きしめた。ユンケルも目を赤くし、女性に身を委ねた。
 後ろから2人を見ていたライアンもまた唇を噛みながら鼻をすすったのだった。

   ◇◇◇

 こうして天空城を後にした2人はまず、ミントスの町を訪ねた。
「こんにちは、旅人の宿へようこそ! ……って、おお! ユンケルじゃないか! 来てくれたのか? 久しぶりだなぁ」
 宿屋のカウンターで受付業務をしていたホフマンは懐かしい顔を見るなり言葉遣いを崩した。
「もうすっかり仕事も板についたみたいだね」
「実はオレ、今日でここを卒業するんだよ。ヒルタン先生にようやく認められて、やっと胸を張って親父のもとへ帰れるよ」
 ユンケルはライアンにホフマンを、ホフマンにライアンを紹介した。
「ユンケル、きみはついに地獄の帝王を倒したんだよな? オレ、すぐ分かったよ。あるときを境に、世界がパアッと明るくなった気がしたんだ。ああ、きっとユンケルたちがこの世界を救ったんだってさ。
 本当、きみと短い間でも一緒に戦えたのはオレの誇りだ。オレ、親父と一緒に働くからさ、ときどきは遊びに来てくれよな!」
「うん、必ず泊まりに行くよ」
 2人は固い握手を交わし、次の再会を約束した。


「パノンは今、どこにいるんでしょうね?」
「パノン殿は、笑いが必要な場所にいるのではないですかな」
「ということは、あの町かな……行ってみましょうか」
「ええ」

   ◇◇◇

「ちょっとちょっと、そちらのお美しいお嬢さん!」
「え? あたしかい?!」
「勿論ですとも! 実はお嬢さんにお話があるのですヨ。ワタシのここの裾のところを、ちょっと掴んでもらえませんか?」
「えっと、掴むのね」
「そうです。ではいきますヨ。……お離しっ!」

 いまだガスが立ち込め、多くの墓石が建ち並ぶ町の一角に、笑い声が響いていた。
「パノン!」
「ん? どこかでワタシを呼ぶ声が……って、ああ! ユンケルさんにライアンさん!」
 2人が見立てたとおり、パノンはアッテムトの町にいた。何かが入っていたのであろう木の箱を台にして、その上に立っていた。
「よくワタシの居場所が分かりましたね! この箱の上が、今のワタシのステージなんですヨ!」
「いやあ、オレたち、ずっとずっと沈みっぱなしだったけどさ、パノンが来てくれてから、ようやく笑えるようになったんだ」
「不思議なもんでねぇ、笑っていると心が軽くなるような気がするんだよ」
 以前訪れたときには住民の笑顔など見ることはなかったが、今は笑顔で口々にパノンを称えている。「笑いは良質な薬と同じ」かつて別れ際にパノンから聞いた言葉が思い出された。
「ユンケルさん、ライアンさん、デスピサロと決着をつけたんですね。オメデトウございます。ワタシ、すぐに分かりましたよ。分厚い雲がこう、一瞬にして晴れてしまったような感覚がしたものですから。
 ワタシもこの町を覆う分厚い雲を少しでも晴らせるように、暫くはこの町でガンバってみようと思ってるんですヨ。良かったら時々ツッコミを入れに来てくださいネ」
「うん、落ち着いたら、必ず来るよ」
「そのときは切れ味鋭いぎゃぐを期待してますぞ!」

   ◇◇◇

 アッテムトを後にした2人は、ライアンの故郷、バトランドへと向かった。
 城下町へ入るなり、大勢の民衆がライアンを囲んだ。
「戦士様! 伝説の勇者様との地獄の帝王討伐、本当にお疲れ様でした!」
「戦士様は私たちの誇りです!」
「ライアン様、万歳!」
 たくさんの賞賛の言葉に、普段はどっしりと構えるライアンもさすがにたじろいだ。
「ライアンさんはもうすっかり国の英雄ですね」
「ちゃ、茶化さないでくだされ」
「茶化してなんかないですよ」

 住民たちはライアンの旅の内容を随分と詳しく知っていた。キングレオやサントハイムでの戦い、数々の洞窟巡りなど、エスタークを倒すくだりまで、本当に事細かに状況を知っていた。そのことを不思議に思ったライアンは、理由を尋ねてみた。
「ちょっと前にここへやって来た詩人さんが、戦士様と勇者様の旅の様子を弾き語りしてくれたんですよ。名前は確か、ホイミンって言ったかな」
「……ホイミンだって?」
 ライアンは驚いた。かつて共に旅をしたホイミスライムと同じ名前だったからだ。その詩人は、あのホイミンなのか、同名の別人なのか……。
「あ、詩人さんがいましたよ。おーい、ホイミンさん!」
 男が遠くにいたホイミンを呼ぶと、彼は早足で近づいてきた。そしてライアンの姿を目にし、驚いたような表情を見せる。
「……ライアン様」
「ホイミン……おぬしは、あのホイミンなのか?」
 ホイミンは無言で頷いた。そして、ホイミスライムとしての自分が死んで、その魂が人間の遺体に入り込んだことによって人間になれたという顛末を話した。
「ボクは、死んでしまった人の身体を貰うという形で人間になることが出来ました。でもそれで、本当に人間になれたと言えるのか分からなかった。そんな状態でライアン様とお会いしても良いのかと思いました。だからせめてこの身体の元の持ち主に許しを得られるよう、詩人として頑張って生きてみようと思ったのです。色んな国を巡って、ライアン様や勇者様の話を聞いてまわりました。アッテムトの町を訪れたとき、ライアン様たちと一緒に旅をされていたという芸人の方に会い、その方に詳しいお話を聞けたのです。
 ようやく地獄の帝王を倒されたところまで話は繋がり、自分なりに歌としてまとめました。そんな折、夢にこの身体の持ち主が現れたのです。その方は、自分の身体を使われたにも関わらず、快く許してくれました。吟遊詩人として頑張って欲しいと言ってくれたのです。これでようやく、ライアン様に胸を張って会うことが出来ると思いました」
「そうか、そうだったのか。良かった、本当に良かったよ。夢は信じれば、叶うものなのだな」
 ライアンは目にうっすらと涙を浮かべ、両手をホイミンの肩に置いた。
「ホイミンよ、その話にはもう少し続きがある。地獄の帝王を倒してから、天に上り、闇へ下り、第二の地獄の帝王を倒すまでの話がな。だから続きは、俺が力になろう」
「ありがとうございます!」
 ホイミンは笑った。それはホイミスライム時代に見せた無邪気な笑顔と同じだと、ライアンには思えた。

 城内へと入ると、大広間には国王をはじめとして、大臣、同僚が一堂に集まり、ライアンを出迎えた。ライアンは国王に帰還の挨拶、報告をし、ユンケルもまた、国王に挨拶をした。そして最後に、ユンケルとライアンはガッチリと握手を交わす。
「ライアンさんには本当にたくさん力になってもらいました。色々と大切なことも教わりました。もしライアンさんがいなかったら、僕は最後の最後までデスピサロや魔物たちを憎しみ続けていたかもしれません。本当に、ありがとう」
「私は助言をしただけで、最後に判断を下したのはあなたの意志です。あなたのその心が、こういう結果へと導いたのです。あなたはまさしく勇者だ。あなたと共に旅をしたことを、私は生涯誇りに思います」
 そして、ユンケルが握手を解こうとしたとき、ライアンは付け加えた。
「もし良かったら、バトランドへ越してきませんか」
「え?」
「あなたなら、きっと立派な戦士になれる。この地で、新しいスタートを切ってみませんか?」
 ライアンはユンケルのこれからが心配だった。故郷の村に戻っても、もう誰もいない。村の南に実の祖父が住んでいることは聞いていたが、一度会ったきりとのことだった。だったらバトランドに来て、職に就き、新しい人生をスタートさせることが良いのではないかと、そう思ったのだ。
 ユンケルは暫く考えた後、
「ありがとうございます。でもまずは村に戻って、みんなの魂を弔って、それが済んでから、今後のことをじっくり考えてみようかと思います」
 承諾も拒否もせず、そう答えた。
「それもそうですな。ではもし決心がついたら、いつでもお訪ねください」

   ◇◇◇

 ユンケルは1人バトランドを発ち、故郷の村へと向かっていった。
 たった1人になってしまったユンケルの頭の中に、あれこれと思いが巡った。
 この先どうすべきか。村に戻ってももう誰もいないし、何もない。この先は1人で生きていかなくてはならない。ライアンの言ったとおりバトランドへ行き、戦士として生計を立てるか、村の南に住んでいる祖父の下で木こりとして修行を積むか、それとも、世界を巡って1から何をすべきかを見つけるか。

『ククク、ユンケルよ、女のもとへ連れて行ってやろうか? そのくらいの力なら、まだ残っている。全ては終わった。だが、おまえのもとには何も戻っては来ない。ならばもう、生きていても仕方ないだろう?』

『どうだ、ユンケルよ。ここに残らぬか? もはや地上にいることもあるまい。天空城に残り、我々とともに暮らすが良かろう』

 デスピサロとマスタードラゴンの言葉が頭をよぎる。
 生きていても仕方がない? 地上にいても仕方がない? それではまるで、僕は地獄の帝王やデスピサロを倒すためだけに生まれてきた人間みたいじゃないか。違う、それが僕の全てじゃない! それは僕の人生の一部にすぎないんだ。これで終わりじゃない、ここからまた、新しいスタートなんだ!
 でも、じゃあ僕は、これからどうすればいいんだろう。
 勇者だった僕が突然王宮の戦士になったら、僕はみんなに受け入れてもらえるのだろうか? 疎まれたりしないだろうか?
 僕の中には木こりだった父親の血と、そんな父を死に追いやった天空人の一族の血が流れている。そんな僕を、祖父は受け入れてくれるのだろうか?

 ああ……なんで1人になった途端、こんなに急に不安になるんだ。

 激しい不安に襲われたまま、ユンケルは村へと入った。村は相変わらずの廃墟、当然ながら人の気配もまったくない。でもきっと、空の上からみんな僕のことを見ているだろうからと、ユンケルは不安を押し殺して、笑顔を作って、雲のかかる空を見上げた。
「父さん、母さん、シンシア、みんな! 僕は、やったよ! みんなの遺志を継いで、地獄の帝王と、この村を襲ったデスピサロを倒したんだ! 僕はこれからも強く生きていくから……だからどうか、安心して、安らかに眠ってください」

 そうなんだ。僕は、自分自身の為にも強く生きていかなくてはならないんだ……。

 そう思った瞬間、周辺の木々がざわめいた。

   ◆◆◆

天空城にて
 まずは恒例の記念撮影。どこからともなく背後に現れた謎の美女2人にちょっと興奮の勇者と戦士の図?(笑)

 というわけで、3人旅3部作3作目、無事にクリア出来ました。まどろみの剣の効果を考えると、パーティーのバランスが悪くてもなんとかなるだろうと思っていましたが、まさかここまで順調に行くとは思ってませんでした。クリアレベル、勇者35、ライアン34。普通にプレーするのと大して変わらない……。まさに「まどろみ無双」でした。
 思い起こせば、苦戦したと言えるのは寝ながら攻撃をしてくるエスターク戦ぐらいだったかも(エスタークとだけ4回戦い、それ以外は全て3回以下)。
 勇者もライアンもHPの伸びが良くて打撃力もあり、最後に仲間になるドランも最終戦仕様のキャラなのでデスピサロ戦は割りと楽でした。前回(腹姉妹)27回も戦ったのが嘘のよう。
 楽だったのとAIキャラが呪文を使わないライアンだけということで、作戦をこまめに変更する楽しみは殆どなかったです。ほぼずっと「ガンガンいこうぜ」でした。やはりこの辺は魔法職がいた方が楽しめますね。
 NPCについては、ホフマンは馬車取得〜パデキアとHPが高かったので終始役に立ってくれたと思います。少し力をためすぎだろうとも思いますが。
 パノンは彼自身よりまどろみの剣が役立ちました(ひどっ)。今回世界樹まで同行してもらったのですが、途中からはほぼ戦力外。HP80台だし、普通は世界樹まで同行することもないだろうし仕方ないのですが。でも読み物的には大いに役に立ってくれた気がします(笑)
 ルーシアは仲間になる期間が非常に短いですが、ベホマ持ちで呪文を唱えるタイミングもなかなか良いので十分戦力になってくれました。今回の紅一点だったわけですし、もう少し一緒に旅をしたかったですね。
 ドランは吹雪好きだと分かりました。攻撃頻度 吹雪>甘い息=打撃 みたいな感じ。今回たまたまだったのかな? 痛恨の一撃率が結構高いように思えるのでもう少し打撃を優先して欲しいのに。能力値は高いので戦力的には申し分なかったです。変なキャラ付けにしてしまってスミマセンって感じですね。

 読み物部分では今回初めて「三人称視点」で書いたのですが、一人称に慣れていたので難しかったです。ライアンがイマイチ活躍しきれてなかったのもちょっと反省。もう少しキャラを立たせたかったな……。
 勇者もライアンもあまり喋らないキャラ、というのも結構難儀した点でした。その分一番長く一緒にいたNPCのパノンが出張ったような気がします。これまで全然興味なかったパノンでしたが、書いているうちに好きキャラになったり(笑)
 勇者の心情の変化をスムーズに出来ただろうか? とか、もっとピサロの出番を増やす余地はあったかなとか、相変わらず反省点は多いですが、今はとりあえず無事書き終えることが出来て満足です。

 3人旅3部作ももう終わりなのか……と思うと寂しいですね。
 1つ目の「水戸黄門」が去年の6月4日スタートだったので、ちょうど1年で終わりました。腹姉妹をレベル99までやらなかったら、もっと早く終わったと思いますが。

   ◆◆◆

 ユンケルと別れてから、ライアンはどうにも落ち着かなかった。
「誰か、キメラの翼を持っていたら貸してもらえないか?」
「俺持ってるぞ、ほれっ」
「かたじけない。後で必ずや買って返す」
「別にいいよ、やるよ」
「そういうわけにはいかぬ」
「ははは、ライアンは相変わらずカタブツだな」
 ライアンはそう言う同僚の肩を、軽く叩いた。
「堅物が、肩、ぶつ」
 まったく予想もしていなかったライアンの言葉に、同僚は唖然とした。
「おぬし、知っているか? こういうのを、『ぎゃぐ』と言うのだそうだ。名うての旅芸人が言っていた」
「そ……そうかい」
「とにかく後で返すから、借りていくぞ」
 ライアンは足早に城の外へと出て行った。
「まさかあいつが、ギャグを言うとはな……嵐が来なきゃいいが」

 ライアンが向かった先は勿論、ユンケルの故郷の村だった。着地するなり、後ろから聞きなれた声が聞こえてくる。
「ライアンさんじゃないですか!」
 ホフマンとパノンの姿が、そこにあった。
「ちょっとユンケルさんのことが心配で、来てしまったのですヨ」
「へへへ、みんな考えてることは一緒なんだな」
「とにかく、村に入ってみましょうぞ!」

 3人は緊張しながら、村に足を踏み入れた。村の中はやはり廃墟だったが、真ん中にだけは目を疑うほどに鮮やかで見事な花々が咲き乱れていた。
 そして、その咲き乱れる花の中にユンケルは立っていた。見慣れない、羽根帽子を被った少女と2人で。
「みんな! 来てくれたの?!」
 3人に気付いたユンケルは、瞳を輝かせ、溢れんばかりの笑顔を見せた。それは今までに全く見せたことがなかった、あどけない少年の笑顔だった。ユンケルの隣りで少女もまた、にこにこと笑顔を見せた。
 同時に、雲の切れ間からふたつの柔らかな光が差した。
 あの光はきっと天空からの、ルーシアとドランの祝福の光だと、ライアンは直感した。

 ユンケルは少女と共に、みんなのもとへ駆け出した。
 ライアンたちもユンケルの方へと駆け出す。

「みんな! 僕は決めたんだ!」


 この先、どんな困難があっても、彼女と……シンシアと一緒に力を合わせて新しい未来を創っていくって。

 そう、決めたんだ!


 −おわり−



なまえLVHPMPEx
ゆんける35252180146801194568206195392,462
まどろみの剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン3436101660(26)1831934226173312,311
まどろみの剣 魔神の鎧 風神の盾 はぐれメタルヘルム

<携帯閲覧用>
ゆんける LV35 H252 M180 力146 速80 体119 賢45 運68 攻206 守195 Ex392,462
まどろみの剣 天空の鎧 天空の盾 天空の兜
ライアン LV34 H361 M0 力166 速0(26) 体183 賢19 運34 攻226 守173 Ex312,311
まどろみの剣 魔神の鎧 風神の盾 はぐれメタルヘルム

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