DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2011年02月28日
   ◆◆◆

 モンバーバラの町から船で西に進み辿り着いたソレッタの城は、どう考えても先ほど訪れた城ではなかった。前の城は城下町から城にかけて船で移動したのに対し、こちらは畑だらけ。それに城下町というより村だった。突風が吹けば飛んでしまいそうな粗末な草葺の城の中に国王はおらず、なんと外で畑仕事に精を出しているではないか。
 仕事中の国王に話を聞いてみると、元々ここはどんな病気でも治してしまう夢の植物、パデキアの産地だったという。それが数年前の干ばつで全滅し、先代が種を保管しておいた洞窟には恐ろしい魔物たちが巣食うようになり、とても取りに行くことは出来ないらしい。
 国の生命線である特産品を失い、国王までもが汗水を流して働かなくてはいけないこの状況があまりにも気の毒に思えてきて、3人は南の洞窟へ行って保管してある種を取りに行こうということになった。

「こんなのどかで穏やかそうなお城なのに、大変ですねぇ」
 畑の風景を眺めつつ、パノンがそう口にした。
 また何か微妙なギャグが飛び出るのかもしれないと、ホフマンは身構えた。
「ソレッタだけに嵐は逸れった!」
 やっぱり出たか、しかも予想通りすぎるギャグだなとホフマンが思った矢先……、
「でも干ばつは逸れなかったんですね、分かります」
 ユンケルが呟いた。
「ノォォォ! 素晴らしい! 素晴らしいツッコミですよ! ユンケルさん! アナタとワタクシ、良いコンビになれる気がします」
 いや、ユンケルのはツッコミじゃないから。素で言ってるんだから。
 ホフマンは胸の中でそうツッコミを入れつつ、一行はパデキアの眠る洞窟へと向かっていった。

   ◆◆◆

 というわけで、ミントスすっ飛ばしてソレッタです。
 スタンシアラもソレッタも「タ」の付くお城でモンバーバラからほぼ一直線という位置取りなので良かったです(笑)
 勿論ブライにはまだ会ってません。ブライに会わずにパデキア洞窟へと行くのは初めて。 リメイクだとアリーナが扉を蹴破らないから洞窟に入れないんでしたっけ??

パデキアの洞窟 1回目
 並び順、ホフマン−棺−パノン−勇者。NPCは蘇生費用激安なので、ぶっちゃけ勇者さえ生き残れば問題なし。リレミトの分のMPまで使わないように棺に薬草を詰め込む。実は事前に奇跡の剣と天罰の杖を貰っているので勇者に持たせる。まどろみの剣は対ボス戦用。

 さて、パデキアの洞窟攻略。
 奇跡の剣装備の勇者、地獄の鎧をも一撃で倒せるほどの攻撃力。群れた敵には天罰バギマをお見舞いで余裕の進撃。ミントスイベントをすっ飛ばしたが、地下2階にはしっかりアリーナの姿。
 パノンのまどろみの剣による眠らせ率が凄まじく高い。これはキングレオ戦が楽しみだ。
 守備力の低いホフマンが途中で倒れたものの、パデキアと全てのお宝を回収し、無事一発クリア。勇者の装備が充実しているので余裕だった。

   ◆◆◆

 洞窟で見事パデキアの種を手に入れたユンケルたちは早速ソレッタへと戻り、国王にその種を手渡した。国王は飛び上がる程に喜んで、早速種を畑にまいた。
 すると、途端に畑から芽が出て葉が出て、茎はどんどん伸びていき、あっというまに辺り一面に赤い花を咲かせた。
 その生長の早さもさることながら、一個の種から何本もの茎が出てきたことに3人は驚いた。なんという恐ろしい増殖能力。雑草の比じゃない。これが干ばつで全滅したなんてにわかには信じられなかった。
「驚いただろう? このパデキアの生長のスピード、増殖能力には目を見張るものがあるのだが、何故か乾燥にだけは滅法弱いのだ」
 今まで目にしたことのない光景に目を丸くした3人に、国王はそう説明し、茎を1本引き抜いて、その根っこをユンケルに差し出した。
「これはささやかながらお礼じゃ。湿した布でも巻きつけて乾燥にさえ気を付ければ傷むことはない。この根は万能薬。万一重い病にでもかかったときには煎じて使うと良い」
 3人は礼を述べ、国王のもとを後にした。

「国王様を喜ばせれば褒美をくれるお触れというのは、このパデキアのことだったのですか? ワタシが来た意味があまりなかったように思えますが」
「いや、それっぽい展開にはなってるけど、違うから。そもそも前に立ち寄った城、ここじゃないから」
 農村のような城下町を歩きつつこぼしたパノンにホフマンがそう弁明した。
「あらら、そうだったのですか。場所を間違えたのですねぇ。……あっ! タの付くお城とは、もしかしてソレッタではなくスタンシアラ?」
「おお! そうだ、それだよそれ! スタンシアラだ! 間違いない。ソレッタとスタンシアラじゃ全然違うじゃないか……」
 そんな話をしていると、1人の老人がゆっくりと近づいてきた。ユンケルがしげしげと眺めていたパデキアの根っこに気付いてやって来たようだ。
「もしや、全滅したパデキアが復活したのですかな?」
「そうです。僕たちが洞窟から種を持って来て、王様が蒔いたんです」
 ユンケルがそう説明すると、老人は懐かしそうな顔をして遠くを見つめた。
「ミントスに嫁いだ娘がまだ小さかった頃、ひどい熱が出てのう。パデキアを煎じて飲ませたことがあったんじゃ。懐かしいのう。パデキアが全滅したと知ったときはひどく不安になったもんじゃが、復活して良かったのう」
「ミントス?」
 老人の言葉にホフマンが反応した。
「そうじゃ、ミントスじゃよ。ここから西の海岸沿いを1日くらい歩いた先にあるのがミントスの町じゃ。娘はそこへ嫁いでいったんじゃよ」

「なあ、ユンケル、パノン。オレ、ミントスの町に行ってみたいんだけど、いいかな?」
 ソレッタの宿屋の一室、お世辞にもきれいとは言いがたい部屋の中でのくつろぎの時間の最中にホフマンはそう口にした。
「え? ミントスですか? スタンシアラに行くんじゃないんですか?」
 パノンがそう言ったが、ホフマンはとりあえずまずミントスに行ってみたいと言い張った。
「まあ、ワタシは気ままな旅芸人。寄り道は芸の肥やしになりますし、構いませんですが、何故またミントスへ行こうとお思いで?」
「ミントスにはさ、世界一立派な宿屋を興したヒルタンという大商人がいるんだ。ほら、オレ、宿屋の息子だろ。だから、一体どんな宿屋なのかを見てみたいと思ってさ……」
「なるほど! 将来のための参考にですね。でしたら行くべきですよ。ねえ、ユンケルさん」
「そうだね。町の場所も分かっているし、じゃあ明日はミントスへ行こう」
「ありがとう。まあ、参考に出来るのかどうかは分からないけどね」
「明日はミントスへ行ってみんとすー!」
 イマイチ意味の分からないギャグで、一日を締めくくったのだった……。

 翌日、3人はソレッタからミントスへ向かった。船で行ったため、思ったよりも早く到着し、町へと入った。
 ミントスはソレッタとは大違いで、とても賑やかな町だ。道具屋、防具屋、武器屋が軒を連ね、町の中央部にはソレッタ城より立派な宿屋、道を挟んで南側には大商人ヒルタンによる青空教室が開かれていた。
 あまりに立派な宿屋にホフマンは興奮した。少しではあったがヒルタンとも話す機会を持てた。
 町に着いたのが夕方少し前だったこともあり、3人はこの立派な宿屋で一泊することにした。ソレッタの宿屋とは大違いのご馳走に舌鼓を打ち、心も腹も大満足。決して高い料金ではないのに、何故これほどのサービスなのか、ホフマンは不思議で仕方なかった。ここで働けばその仕組みも分かるのかなと、ふと思った。

 そしてその晩。
「なあ、ユンケル」
「なんだい?」
「ユンケルはさ、もしかしたら伝説の勇者なんじゃないか?」
 ホフマンは突然、そんなことを尋ねてきた。突然の質問に驚きの表情を見せたユンケルに、ホフマンはさらに話を続けた。
「つい最近こんな話を耳にしたんだ。ブランカ城の北の山奥に天女が舞い降りて、木こりの若者と恋に落ち、子どもを身ごもった……って」
 ユンケルは無言だった。いつもは饒舌なパノンも黙ってホフマンの話を聞いていた。
「まあ、この話はおとぎ話だとも言われてたんだけど、でも君はブランカの北にある村に住んでいたって言ってたし、村のみんなが君のことを助けてくれたって言っていたから、それはおとぎ話じゃなくて、ユンケルのことかなって思ったんだ」
 そこまで話を聞いて、ユンケルは重い口を開いた。
「たしかにあの日、村のみんなには僕は勇者だって言われた。父さんの手紙にもそう書いてあった。でも僕は、自分が本当に勇者なのかは分からない。ホフマンが聞いたという話も、僕のことを言っているのかは分からないし」
「いや、きっと君は勇者なんだよ。だから君はそれほどの辛い目に遭ったにも関わらず、オレの心を開いてくれるほどにきれいな目をしていたんだ。そのことが、ようやく分かったよ」
 ホフマンは窓際まで行き、星空を眺めた。
「オレは……そんな、世界を救っちまうかもしれないユンケルと短い間だったけど、一緒に旅が出来たんだな」
「え?」
 ホフマンの言う「短い間」の意味がユンケルには分からなかった。
「オレはどうしようもないダメ息子で、親父に心配ばかりかけてきた。でももう、オレは今までのオレじゃないんだ! 親父に少しでも楽させてやりたい、そう思うようになった。だからオレ、親父の跡を継ぐためにこの町に残って修行しようと思う。もう一度スタンシアラには行ってみたかったし、名残惜しくはあるけど、君とはこの町でお別れだ」
「ホフマン……」
「ハハハ、決意表明しちまったぜ。もう後には引けないな」
「ホフマンさん、カッコイイです! 男前です! ホフマンの抱負満点!」
「いや、無理にダジャレにしようとしなくていいから……」
 この晩、3人は夜遅くまで談笑しながら過ごしたのだった。

 翌朝、町の入口に3人は立っていた。ユンケル、パノンの2人とホフマンが向かい合うようにして。
「いよいよお別れだな。ユンケルには世話になっちまって、本当にありがとう。パノンもまぁ……少しありがとう」
「ホフマン、君と旅したことは忘れない。君は僕の初めての男友達だから」
「へへへ、オレのこと友達って言ってくれるのか。ありがとよ」
「修行、頑張ってね」
「ああ」
 ユンケルとホフマンはガッチリと握手を交わした。
「ホフマンさんの手厳しいツッコミが聞けなくなると思うと寂しいですが、お父さんの跡を継げるよう頑張ってくださいね」
「ああ。パノンも、次に会うときはオレを唸らせるようなギャグを頼むよ」
 ホフマンはパノンとも握手を交わした。
「馬車は引き続き使ってくれて構わないから。パトリシア、みんなのことを頼んだぞ!」
「ヒヒーン!」
「ユンケル、君がみんなの仇が討てることをオレも祈ってるから」
「ありがとう」
「じゃあな」

 こうしてユンケルはホフマンと別れ、パノンと2人で旅を続けることになった。
「では次はいよいよ、スタンシアラですね。ヒルタンさんから地図も貰いましたし、もう迷うこともないでしょう」
「そうだね」
 次の目的地の相談をしながら船へと歩いていると、背後から男性が呼ぶ声が聞こえてきた。
「あれ? ホフマンさんですかね? まさかもう修行を終えたとか」
「それはないんじゃないかな」
 あまりに真面目に返事をされると返す言葉もなく、パノンは苦笑いするしかない。近寄ってきた男は勿論ホフマンではなかった。姿を見るに詩人のような格好をしているが……、
「あの……実は、私、昨晩あなた方と同じ宿に泊まっていた者ですが、その、偶然あなた方の会話が耳に入ってきて、悪いと思いつつ聞いてしまったのです」
 いきなり盗み聞きを告白され、2人とも怪訝な表情を見せた。
「ユンケルさんは伝説の勇者様でいらっしゃるとのことで……」
 勇者という言葉に、ユンケルはさらに顔をこわばらせた。
「実は先日までこの宿に泊まっていたライアンという戦士が、勇者様を探しているという話をされていたのです。その方は結局、ここからはるか西のキングレオに行くと言って出て行ってしまったのですが」
 僕を探している人がいる? 戦士ライアン?
 全く聞いたことのない名前ではあったが、ユンケルは何故か、そのライアンという戦士には会わないといけないように思えてきた。理屈ではなく、ただ「会わなくてはいけない」と無性にそう思えてきたのだ。
「教えてくれてありがとう」
 ユンケルは短く礼をいい、そのまま船へと向かっていった。パノンも男に愛想笑いをしつつ、ユンケルの後を追った。
「パノン、キングレオに行っていいかな。僕、ライアンという人に会ってみたいんだ」
「ははは、また寄り道ですかぁ? まぁ、ワタシは旅芸人。ワタシには特別なステージはいりません。人がいればそこが舞台。良いですよ。あなたと一緒なら色んな国を回れそうですし。トコトンお付き合いしますよ!」

 2人は次の目的地をキングレオと定め、船に乗り込んだのであった。

   ◆◆◆

 話の中では姫様一行完全スルーですが、今回初めてブライを仲間にしないままパデキアを手に入れたので、根っこ入手後のミントスでは宿屋の一室に3人待機状態。ブライに話しかけると「このご恩は一生忘れません」と言われました。ある意味レアセリフ?

さて、次回からいよいよキングレオ編ですが、勇者とパノンの2人だけですんなりキングレオを倒せるのか、不安。

なまえLvHPMPそうび
ゆんける14944714311224奇跡の剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
パノン8524885338まどろみの剣 身かわしの服 木の帽子

<携帯閲覧用>
ゆんける LV14 H94 M47 攻143 守112 早24
奇跡の剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
パノン LV? H85 M24 攻88 守53 早38
まどろみの剣 身かわしの服 木の帽子

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2011年03月03日

   ◆◆◆

 ここはミントスの町からはるか西に位置する大陸。大陸の北部にはキングレオの城があり、この大陸全体を治めていた。
 そのキングレオ城から少し南下したところにコーミズと呼ばれる小さな農村があった。そんな村のはずれの原っぱに1人の青年が横たわっている。寝そべっているのか、倒れているのか……。
 そんな青年の匂いでも嗅ぎつけたかのように、白い犬がどこからかやって来て青年に近づき、頬をぺろぺろとなめた。
「?」
 なめられた感触に青年はハッとして目を開き、ゆっくりと体を起こした。そして自分の体を見回す。胴体から伸びる2本の腕に2本の足。それらが白いシャツとズボン、茶色い革のブーツに包まれ、上には紫のローブが羽織られていた。そろそろと腕を伸ばして頭に手をやると、何かふさふさした物が手に触れた。それを梳いてみる。青くて細長い糸のようなものがたくさん指に絡まっていて、引っ張ると頭が攣られるように痛んだ。
 これ、髪の毛というやつ? おかしいな、夢でもみているのかな?
 そんなことを考えていた青年に、1人の若い女性が近づき、声をかけてきた。
「あの、大丈夫ですか?」
「え? ボクですか?」
「急に駆け出していったこの子の後を追ったら、あなたが倒れていたみたいで、どこか具合でも悪いのではないかと思いまして」
 女性は犬の飼い主なのだろうか。犬を抱きかかえながら話した。
「……あ、大丈夫……です」
「それでしたら良いのですが……」

 ……おかしい。今までだったらボクの顔を見るなり、みんな逃げていったのに。この人は全然怖がっている様子もない。第一、ボク自身がおかしい。たくさんあった触手がなくなっている。代わりに人間みたいな手と足が生えていて、服を着ている。頭には髪の毛みたいなものも生えているし。

「すみません。ピカピカしていて、覗き込むと自分の顔が見えるやつ……ありませんか?」
 青年はとりあえず自分の顔を見てみたいと思い女性にそう尋ねた。女性は若干いぶかしがったが、
「え? ピカピカって……鏡のことですか? あいにく今は持ち合わせていませんが……そうだ、姉なら持っているかもしれないわ。近くにいると思うのでちょっと待っていてください」
 そう告げるとしばし青年の元を離れ、程なくして、その姉らしい女性を連れて戻ってきた。
「鏡を見せろだなんて、どんなキザオかと思ったら小魚みたいな顔のボウヤね」
 姉の方がそう言い、青年に手鏡を差し出した。
「はい、あたしの鏡、と・く・べ・つ・に、使わせてあげるわ」
「ちょっと姉さん……またそんな、失礼なことを言って」
 妹が姉にブツブツと文句を言った後、青年に必死に弁解をした。
「……ごめんなさい。姉の『小魚みたいな顔』というセリフは褒め言葉なのです」
「あぁ……褒め言葉なんですか。それはどうもありがとうございます」
 青年は素直にそう言いながら鏡を覗き込んだ。鏡にはきれいな顔立ちをした二十歳前後の男の顔が映っていた。髪は流れるような青の長髪で広い額には、銀のサークレットからぶら下がっている三日月をあしらった宝石がゆらゆらと揺れ、陽の光を浴びて輝いていた。
「人間だ……ボク、やっぱり人間なのか?」
 青年は呆然としてそう呟いた。
「ちょっとちょっと、このボウヤ大丈夫なのアタマ?」
 姉は見てはいけないものを見てしまったような顔をしてそう言い、妹の方は哀れみを帯びた顔をして無言で青年を見ていた。
 そんな姉妹をよそに青年はキョロキョロと辺りを見回したが、ここから結構離れた、村の入口の方の建物が視界に入った途端、顔の動きを止めた。その建物から1人の男が出てくるのが目に入ったからだ。
 地黒で上背のある頑強そうな男は淡紅色の鎧兜を身に纏い、立派な口ひげをたくわえていた。腰には立派な剣を提げている。見るからに強そうな戦士であった。
 男は建物を出た後、足早に村を出て、北の方へと進んでいった。
 あの方は……!
 青年は一目見てその男の正体が分かった。
「あの、これ、ありがとうございました」
 鏡を姉妹に返し、村の入口の方へ覚束ない足取りで進んでいった。
「なんだったの、アイツ。変なのー」
「彼、あまり歩き慣れていないような感じだけど、大丈夫かしら……」
 姉妹は口々にそう呟き、青年の背中を見送った。

 あの方は……ライアン様だ! ライアン様、ボク、人間になれたんです!

 歩くという行為にまだ慣れていない青年は、よろよろと歩いていった。
 自分の遥か先を歩く、戦士ライアンと共に過ごした日々のことを思い出しながら……。

   ◆◆◆

第1章ダイジェスト

 バトランド城を出てすぐにイムルへの洞窟へ直行。一番最初の戦闘はスライム&エアラット。このエアラットが次々と仲間を呼んで結局6匹と相手をする羽目に。この戦闘だけでレベル2になる。早くも薬草を使い果たして少し焦るも、洞窟内の宝箱に薬草があるのでそのまま進む。
 イムルへはレベル3で到着。知らないうちに180Gも貯まっていたので木の帽子購入。
 人妻フレアを連れてレベル4でアレクスを(ぱふぱふで)正気に戻す。ライアンさん、この時点で素早さ全然上がってませんよ。守備力どうするんですか?
 うろこの盾を買ってレベル5で古井戸の底へ。まず真っ先にホイミンを仲間にする。

   ◆◆◆

「こっちへおいでよ……」
「そっちじゃないよ、こっちだよ……」
 ライアンは古井戸の底に響く不思議な声を無視し、あちこち刃こぼれした銅の剣を振り回しつつ内部を歩き回った。
 どのくらい歩いただろう。曲がりくねった道を進んだ先は行き止まりだった。行き止まりではあったが、そこには1匹のホイミスライムがふよふよと浮いていた。
 ライアンは銅の剣を握る手に力を入れたが、このホイミスライムは他の魔物とは違った。襲い掛かってくる気配がないし、殺気も全くない。
「やあ、人間さんだね。こんにちは」
 ホイミスライムは元々愛嬌のある顔にさらに笑みを浮かべてライアンに話しかけてきた。
「最近こっちの方まで人が来てくれないんだ」
「そうかもしれぬな。なにやら『こっちへ来い』だの『そっちではない』だの、変な声が聞こえてくるからな。声のとおりに進めばここに来ることもあるまい」
 剣を握る手の力を緩め、ライアンは話した。
「そっかあ……。ああ、あのね、ボクはホイミン。今はホイミスライムだけど、人間になるのが夢なの」
「おぬし、人間になりたいのか?」
「うん。それでね、人間の仲間になったら人間になれるかなと思って。だからボクをあなたの仲間にしてよ!」
 ライアンは戸惑った。人間の仲間になったからといって、このホイミスライムが人間になれるとは到底思えなかったからだ。そしてライアンは嘘のつけない人間だった。だからホイミンには自分の考えを正直に告げた。
「俺と一緒に旅をしたからといって、おぬしが人間になれるかは俺には分からぬ。だが、それでも良いのなら俺には断る道理がない。一緒に旅をしよう」
「わーい! 大丈夫。ボク、人間の仲間になれたからには努力して人間になってみせるよ! ありがとう、嬉しいな〜。 そうだ、あなたのお名前を教えてよ」
「おお、これは失礼した。俺の名はライアン。バトランド王国の王宮戦士だ」
「ライアンさんって言うんだね! よろしくね」
「うむ。よろしく」
 こうしてライアンとホイミンは一緒に旅をする仲間になった。

 ホイミンは人間の仲間になれたことが余程嬉しかったのか、ことあるごとにライアンに話しかけた。ライアンは元々口数の少ない男だったので会話はあまり続かなかったが、それでもホイミンの話にはしっかりと耳を傾け、邪険にすることはなかった。
「ボク、今までに何人かの人と会って、仲間にしてって言ったんだけど、みんなボクが魔物だっていう理由で断ってきたの。だから今回もダメかもしれないと思ったけど、仲間にしてもらえて本当に良かったー」
「きっと、魔物は皆悪い奴だという先入観が強いのかもしれぬな。だが、人間にだって良い奴もいれば悪い奴もいるのと同様、魔物にだって色々といるのだろう?」
「そうだね。威張りんぼうもいれば気が弱くて優しい子とか、いろいろいるんだよ」
「やはり人間と同じだな」
「ライアンさんはとってもいい人なんだね」
「そんなことはない」
「そんなことなくないよ。絶対いい人だよ!」

 そんな話をしながら、古井戸の底を1人と1匹、進んでいった。

   ◆◆◆

ホイミン H:35 M:30 力:18 早:18 攻:9 守:20

 力が18あるのに攻撃力が9しかないのが激しく謎です。素早さ18で守備力が20もあるのは良しとします(笑)

 続いて宝箱の600Gをゲットし、最後に空飛ぶ靴を入手。レベル6。貯まったお金で鉄の盾に買い替え、湖の塔へ。
 湖の塔1回目はわき目もふらず破邪の剣の元へ。逃走成功率が高く、被害ナシ。無事に剣を取って、うろこの盾と640Gのみを回収し、イムルへ戻る。鉄の鎧を購入して1章フル装備。

 あとはピサロの手先を倒すだけ。

ピサロの手先戦 1回目
 ライアンLV8
 大目玉を顔色が変わる前に倒す。これは幸先良い! と思った矢先、残りHP21のホイミンが22のダメージを受けて死亡。
 ライアン1人で回復と攻撃は無理かも……と思いつつ、手持ちの3つの薬草を早め早めに使いつつ戦う。いよいよ薬草も使い果たし、貴様が死ぬのが先か、俺が死ぬのが先か状態で打撃を繰り出していたら、奴の方が先に死にました。一発勝利。
 最近は低めのレベルで突撃して返り討ちにあうパターンが多かったので一発勝利は久しぶりです。

ライアン LV8
H:61 M:0 力:25 早:7 体:33 賢:3 運:7 攻:70 守:51
破邪の剣 鉄の鎧 鉄の盾 木の帽子


 その後、塔内の宝箱と古井戸倉庫(?)の種を回収してイムル経由バトランドへ。
 王様からのご褒美を賜り、レベル8→12で1章クリア。

   ◆◆◆

 イムルの子ども失踪事件を見事解決したライアンは城へと戻り、詳細を国王へ報告した。
 復活しつつある地獄の帝王。その帝王を滅ぼすとも言われている伝説の勇者の誕生。
 魔物たちは先手を打って、その勇者を闇に葬ろうとしている!
 ライアンは自分の胸の内を国王に明かした。まだ幼い勇者を守るため、自分は力になりたい。だから旅に出ることを許して欲しいと。
 国王はライアンの申し出を快諾した。

 こうして、ライアンは再び旅に出ることになった。今度の旅は国内には留まらない。まさに世界を巡る旅となるだろう。
「ホイミンよ、おぬしはどうする?」
「えへへ、ボクの答えは決まっているよ!」
「そうか、ならばともに行こう」
「うん!」

   ◇◇◇

 そう、ボクはこの後もライアン様と旅を続けたんだ。相変わらずほかの人間たちはホイミスライムだったボクの姿を見ると怖がったりしていたけど、ライアン様だけは違った。
 もしボクがこのまま人間になれなかったとしても、ライアン様とずっと一緒にいられるのならそれでもいいと思っていた。
 でもそんな旅の途中、ボクはミニデーモンのメラミの呪文を食らって死んでしまったんだ。ライアンさんはそんなボクの焼け焦げた体を抱き締めて、涙を流して悲しんでくれた。ボクはそれを空から眺めていたんだ。

 ――そこまでは覚えてた。
 で、気が付いたらさっきの村にいた。ボクの姿は人間になってた。あの女の人たちも、ボクを人間として接してくれていたみたいだった。
 一体ボクに何が起きたのだろう? 目が覚める前に、夢を見ていた気がするけど、思い出せない。
 でもそんなことはどうでもいい、ボクはついに人間になれたんだ! そして、もう二度と会えないと思っていたライアン様が、ボクのずっとずっと前を歩いてる。ライアン様にボクが人間になれたことを知らせて、お礼を言わなきゃ!

 青年――ホイミンはそんな思いを抱きながら、もう大分慣れた足取りで、ライアンを追っていったのだった。

   ◆◆◆

 ホイミンの話は「知られざる伝説」ベースです。
 コーミズ村でホイミンに絡んだ謎の姉妹が何者なのかはご想像にお任せすることにして(笑)、一方その頃、勇者&パノンは魔法の鍵を取るべくコーミズ西の洞窟へと向かっていました。

コーミズ西の洞窟 1回目
 勇者レベル14で臨む。
 守備力が若干寂しいパノン、地下1階で早々に死亡。
 カチカチ装備の勇者はあまりダメージを受けないのでそのまま進む。戦闘も基本逃げない。グループの敵には天罰を食らわせる。
 それほど苦戦はしなかったが、ブルホークのルカニだけは厄介だった。まだHPがそれほど高くないので守備力がゼロになるのは結構痛い。それでも死ぬことはなく、魔法の鍵を取って無事に脱出。洞窟クリア時点でレベル15。


 と、洞窟攻略は楽でした。が、次回いよいよ序盤の難関・キングレオ戦です。パノンと2人だけでどうなることか。つづく。

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2011年03月07日

   ◆◆◆

 コーミズの村を出て急ぎ北上した戦士ライアンは、キングレオ城へと入っていった。
 ライアンを追うように慣れない2本の脚で歩みを進めたホイミンも、ついにキングレオ城へと辿り着く。
 恐る恐る城の敷地に足を踏み入れると、既にライアンの姿は見えなかった。城内に入ったのだろうか。しかし、城の正門前には兵士が2人、扉を塞ぐように立っている。
 正門の東には通用口らしきものがあったが、その扉は固く閉ざされているように見える。正門を塞ぐように兵士が立っているのだ、通用口から簡単に中に入れるとは思えない。
 もしかしたらライアン様は兵士に捕まって中へ連れられたのかもしれない。
 ホイミンはそう思いつつ、木陰にそっと身を寄せていた。
 しかし、このお城の外観には見覚えがある。ボクはライアン様に出会うまで、あの古井戸から出たことなどなかったし、ライアン様とこの城を訪れたことも、勿論ない。一体どこで見たのだろう?
 そんなホイミンの背後に、ふと人の気配がした。
 兵士にバレたのか?? 油断した!
 心臓が激しく高鳴るホイミンに、背後から声が飛ぶ。
「ここの王様は金の延棒をいっぱい持ってるんだって! だったら1本くらい金くれ王! きんくれお! きんぐれお! なんちゃって!」
 ホイミンは唖然として後ろを見た。
 ひょうきんそうな中年男性と物静かな少年がホイミンの目の前に立っている。
「僕、最近になってやっとパノンのダジャレというやつが分かってきたよ」
「ホントですかぁ?」
「面白いかどうかは別として」
「がくっ」
 2人で実に緊張感のない掛け合いを演じていた。
「あの……あなたがたは旅のお方ですか」
「そうです。ミントスという町で、ライアンという人が僕を探していると聞いて……」
「でもって、そのライアンって人がキングレオに向かったという話でしたので、はるばるここまで来たのですよ」
 ライアン様が探していた人物! だとしたら、この少年が伝説の勇者――
「ボクはホイミンという者です。ライアン様はどうやらこのお城の中に入られたようなのです。ただ、恐らくあちらの通用口には鍵が掛かっているはず……」
「それなら大丈夫ですヨ! 魔法の鍵というのを持ってますから」
 ひょうきんな中年男性――パノンはにっこり笑い指を立ててウインクした。
「よし、じゃあ早速城の中に入ってみようか」
「イエッサー!」
 無闇に歩いたら正門の番兵に見つかる! ホイミンがそう言おうとするよりも早く、2人は通用門へ向かって歩いていったが、何故か番兵は門の前から一歩も動こうとはしない。気付いてないのか? そんなことはないはずなのに……。
 2人がすんなりと城内へと入っていく光景にホイミンは呆気に取られたが、番兵が襲ってこないならと、彼もまた城の方へと歩み寄って行った。やはり番兵は正門の前に立ったままだった。

 ホイミンはそろそろと城内に足を踏み入れた。
 ――やっぱり、このお城は前に見たことがある!
 そう思った瞬間、胸の中で何かがパンと弾けた気がした。そしてその中から何かが流れ出てくる。
 それは、コーミズ村で目が覚める前に見た、夢の記憶だった。
「上だ……」
 ホイミンは無意識のうちに目の前の階段から2階へと上っていった。

   ◇◇◇

 一方、勇者ユンケルと旅芸人パノンは1階の廊下を進んでいった。突き当りを左に曲がったところで、淡紅色の鎧兜と、真紅の外套に身を包んだ大柄の男が両脇を兵士に抱えられている様子が目に入った。
 2人の兵士に捕らえられた大柄の男――ユンケルとパノンの目にはそう映った。だが次の瞬間、男は力任せに身体を捻って2人の兵士を振り飛ばしたのだ。兵士は思い切り壁に叩きつけられ、その場に倒れた。動く気配はない。
 男はゆっくりとユンケルたちの方を見て、目をカッと見開いた。ユンケルは思わず息を飲み込む。
「あなたはもしや……勇者殿では」
「……僕はユンケル。村のみんなに勇者と言われた男です」
「ぬおおー! ついに、ついに捜し求めていた勇者殿にお会いすることが出来た! わたくしはバトランドの王宮戦士ライアン。この部屋の中にいるのは世界を破滅せしめんとする邪悪の手の者と聞いております。共に討ち倒し、背後に潜む邪悪の根源をつきとめましょうぞ! さあ、中へ!」
 ライアンにそう言われるまま、2人は部屋の中へと入っていった。

   ◆◆◆

 ライアンさん、ザコ兵士の相手はいいので一緒に来て〜と思いつつ、パノンと2人きりでキングレオ戦。勇者のレベルは15。

キングレオ戦 1回目
 キングレオが起きているときは勇者はまどろみの剣装備。眠っているときは奇跡の剣。この辺の切り替えが出来るのはマニュアルな勇者さまさま。
 まどろみ効果の発動具合はなかなか良いが、キングレオの攻撃がパノンにいくと大ダメージ。パノンが死ぬと自動回復分(毎ターン50)を超えなくなるので積み。
 まどろみ装備時に2人で与えられるダメージは55前後。勇者が奇跡の剣だと2人で70程度。パノンが踊ったりラリホーを唱えたりすると厳しい。
 結局初戦はパノンが死んでしまって×。


キングレオ戦 2回目
 粘ったけれど、やはりパノンが死んでしまい、負け。勇者はMPが低くホイミも使えないので回復のタイミングが難しい。キングレオの打撃も痛い。スカラ系欲しい。


 そもそもレベル15で2人で倒そうなんてムシが良すぎる気がしてきた。前回はマーニャがメラミ覚えてから倒したんだし。
 というわけで、聖水を買い込んで大灯台で修行。メタルスライムを3匹倒して勇者レベル16。勇者は序盤の成長は遅いけど成長率は良いので、力やHPがグングン伸びて気持ち良い。


キングレオ戦 3回目
 勇者のHPが100を超えたので敵の打撃が勇者に集中するよう、
勇者−棺−棺−パノン の順番にする。これだと回復はほぼ勇者のみで良くなるので楽。呪文が数回飛んできたら早めにパノンも回復。後手に回ってパノンが死なないように注意して臨む。
 さて、そんな3戦目は過去2回よりも凄まじく高いまどろみ発動率。キングレオ、起きては眠るの繰り返し。攻撃してきたのが3ターンだけ! 勇者がキングレオの連続打撃に耐えられるのも大きい。自動回復でターン数こそかかったもののパノン存命のまま勝利。まどろみの剣最強! 討伐後、勇者レベル17へ。

   ◆◆◆

 城の2階へと上ったホイミンは、ついに全てを思い出した。

 そうだ、ボクは死んだ後、謎の老人にこの城に連れられた。このお城では怪しい実験が行われているとかで、元は人間だったと思われる、思わず目を背けたくなるような異形の遺体があちこちに散乱していたんだ。それがこの、2階の回廊だった。
 そして、そんな数々の遺体の中でただ1つだけ、人間の姿のままの男性のものがあった。老人が言うには、男性の恋人が実験台にされて無残な姿になってしまった。その恋人の変わり果てた姿に男性はひどいショックを受け、それが原因で亡くなってしまったということだった。
 その男性が、今のこのボクの体の持ち主だったんだ!
 老人に男性の体を欲しいかと言われたとき、ボクは断った。だって彼の体は彼のものであって、ボクのものではない。ボクは人間になりたいとは思っていたけど、魔物としての誇りを捨てたわけではない。
 ボクが望んだのは、自分の魂が誰かの体に入り込むことによって人間になることではなかった! 生きたまま人間になりたかった!
 それなのにその老人は、自分は神だとか、大した心意気だとか何とか言って、ボクの魂をこの男性の体の中に入れてしまったんだ。
 そうだ、思い出した。そういうことだったんだ!

 ボクは、亡くなった男性の体に入り込んだにすぎない。
 それでもボクは人間になれたと、胸を張って言えるのだろうか?
 ボクは一度死んでいて、ライアン様もそれを知っている。ボクが人間として生まれ変わったのなら良い。でもそれだったら、ボクはまだ赤ちゃんのはずだ。こんな大人の姿でライアン様に「ボクは人間になれました」なんて言ったら、ライアン様はどう思うのだろう……。

 ホイミンはうつむいたまま、元来た通用口から城を出た。城を出て、さっきまでいた木陰に腰を下ろした。
「ボクはこの先、この男の人の体に入ったまま、生きていって良いのだろうか……」

   ◇◇◇

 城内では、獅子の怪物・キングレオがユンケルとパノンによって倒された。
「くそう、この私が敗れるとは……。お前たちは一体何者だ? まさか、地獄の帝王様をも滅ぼすと言われている勇者なのか? 馬鹿な……その勇者ならデスピサロ様が既に仕留めたと……ぐふっ」
「デスピサロ……だと」
 その名を耳にし、ユンケルの心に沸々と憎しみがわいた。
 やはりこの凶悪な獅子の化け物も、奴の手下だったのか。デスピサロ、お前は僕の全てを奪った。僕もお前の手下をことごとく蹴散らして、絶対にお前を捕まえて、仕留める!
 恐らくユンケルの顔は憎しみに歪んでいた。しかし、ユンケルの背後にいたライアンにはその表情をうかがい知ることは出来なかった。ライアンは両手でユンケルの肩にポンと手を置いた。ユンケルはドキッとして後ろを振り向いた。
「お見事でしたぞ! 勇者殿。世界を破滅から救うために、共に戦いましょうぞ!」
「……はい、ライアンさん。よろしくお願いします」
 僕は世界のために戦うのではなく、みんなの仇を討つために戦うんだ……。
 しかし笑顔を見せたライアンに、ユンケルはそう告げることは出来なかった。

   ◇◇◇

 ホイミンはなおも木陰にいた。
 あるときを境に、城から強烈な邪気が消えたような気がした。今まで直立不動だった正門前の2人の番兵も、急に肩の力を抜いて互いに喋りだし、1人は城の中へと行ってしまった。
 きっとライアン様とあの2人が悪い奴をやっつけたんだ。
 ホイミンはそう直感した。
 そして暫くすると、城からライアンが出てくるのが見えた。ライアンは城門から城の敷地の外へ向けて足を進めた。
 ホイミンは迷った。この木陰からライアンの前に出ていって、声をかけようかどうか。自分は人間になったと伝えるべきかどうか。

 迷いに迷って……結局思いとどまった。

 ホイミンはずっと木陰に身を潜め、ずっとずっとライアンを眺めたが、話しかけることはなかった。

 ――ライアン様、ボクは人間になれました。
 でもそれは、ボクが思い描いていたものとは少し違った。
 ボクの体は亡くなった詩人の男性の体です。ボクはまだ、この男性から直接、体に入り込むことを許されたわけではありません。
 だからボクは、いつかこの体の持ち主が何らかの形でボクの前に現れたときに、堂々と許しを請えるように、詩人として生を全うしたいと思います。詩人として、これからこの世界で起こるであろうことを、後の世に語り継げるように、生きていきたい。
 そして万一、この体の持ち主から許しを得ることが出来たのなら、そのとき初めて、ボクは人間として、胸を張ってあなたに会いに行きます。
 だからそれまで、ボクはライアン様には会いません。

 ホイミンはそう、心に誓った。

 ライアンがいよいよ城の敷地から外に出る……しかし、その直前でライアンは立ち止まり、雲ひとつない真っ青な空を見上げた。
「ホイミンよ、見ているか? 俺はついに、勇者殿に会えた。俺は勇者殿と共に邪悪なるものと戦うため、旅を続けることにする。だが俺は、君と一緒に旅した日々のことは絶対忘れない。俺は旅先でいつでも、君が念願叶い、人間になれることを祈っていよう!」
 ライアンは天に向かってそう告げ、城を後にしていった。

 ホイミンの目からポロポロと涙が零れた。
「ライアン様……どうか無事で旅を続けられますよう。ボクは……ホイミンは、いつまでも、あなた様をお慕いしております」

 ホイミンは清々しい笑みを浮かべ、そっと、城を後にしたのだった。

   ◆◆◆

 いよいよライアンを仲間にし、リバーサイドで装備品を整える。結構お金が貯まっていたので一式揃った! もちろんまどろみの剣もね!

 さあ、引き続きバルザック戦です。でもライアンのレベル12です。低っ!
 少し修行してきます。この連戦が序盤のヤマですね。

 次回のタイトルをすんなりと「眠れる城のバルザック」に出来るような展開だといいなぁ(笑)


なまえLvHPMPそうび
ゆんける171126015211836奇跡の剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
ライアン12780981049まどろみ剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
パノン8524885338まどろみの剣 身かわしの服 木の帽子

<携帯閲覧用>
ゆんける LV17 H112 M60 攻152 守118 早36
奇跡の剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
ライアン LV12 H78 M0 攻98 守104 早9
まどろみの剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
パノン LV? H85 M24 攻88 守53 早38
まどろみの剣 身かわしの服 木の帽子

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2011年03月10日
 ようやくライアンを仲間にして、やっとAI戦闘です(笑)。でも作戦を変えるとしたら「いのちだいじに」ぐらいしかないんですけど……。いっそ「じゅもんせつやく」固定にしてみようか??

 さて、仲間になったライアン。まだレベル12なので、聖水を棺に詰め込んで大灯台で修行しました。塔内のお宝を全て回収する間に、ライアンのレベル16へ!
 これならもうバルザック戦に行ってもOKですね。

ゆんける レベル18 HP119 MP66
ライアン レベル16 HP117 MP0


   ◆◆◆

 バトランドの戦士・ライアンを加えたユンケル一行は、続いてサントハイムの城へ向かうこととなった。キングレオを倒した後に大臣に話しかけた際、彼は腰を抜かしながら「に、憎きバルザックはサントハイムにいます! ど、どどど、どうです? 役に立ったでしょう?」と言ってきたのだ。ユンケルたちにはバルザックという者が何者なのか、何がどう憎いのかはさっぱり分からなかったが、とりあえずそのサントハイムへと行ってみようということになったのだった。

 キングレオからサントハイムへは船で向かった。船上では雑談を交わしたりしたが、ユンケルもライアンも口数は多くなく、会話はそれほど長くは続かない。パノンが即興でギャグを披露するも、ライアンはユンケル以上に反応が鈍い。「これはどうしたものか」と、パノンも内心戸惑った。

 サントハイムに辿り着くまでの間、幾度か敵との戦闘があった。ユンケルとライアンが前線で敵に斬りかかり、パノンは一歩引いた位置からラリホーの呪文を唱えたり、素早い動きで敵に一撃を食らわせる……3人はそういう具合に戦っていった。
 そんな中、ライアンには1つ気がかりなことがあった。ユンケルは普段は穏やかで澄んだ瞳をした少年であったが、戦闘のときは表情が一変するのだ。憎しみに囚われたような恐ろしい顔つきで、眼前の敵を容赦なく叩き斬る。パノンやかつて共に戦ったホフマンは戦闘慣れしていないことと、ユンケルの後方に立つことが多かったのでそのことに気付くことはなかったが。
 歴戦の戦士はときに、ユンケルよりも前に出て戦うことがある。背後から感じた殺気は狂気じみた魔物のものであろうかとすら感じたほどだ。
 何がユンケルをそうさせているのか、ライアンは問おうとしたが、それよりも早く船はサントハイムへと到着したのだった。

 サントハイム城内には人っ子一人いなかった。この城では謎の失踪事件が起き、国王を始め誰一人として残らず城から消えてしまったのだ。以後、城に住み着いたのは魔物たち。そしてかつて王が座っていたのであろう玉座には、大きな体躯をし、巨大な棍棒を手にした魔物が窮屈そうに座っていた。そんな魔物を見て、3人はすぐに分かった。
「こいつがキングレオの大臣が言っていた『憎きバルザック』か」

「ククク、私はバルザック。すでに私は進化の究極を極めた! この体は神に近い。もはやデスピサロ様も……、いや! デスピサロの奴も私には及ばないだろう」
 誰も何も尋ねてもいないのに、バルザックは勝手に話し出した。
「おまえもデスピサロの手下か」
 ユンケルが尋ねる。横にいたライアンがチラッとユンケルの顔を見ると、やはり戦いのときと同様、憎しみに満ちた顔つきだった。
「手下? まあ、今のところはそうだが、それももうじき終わる。これからはデスピサロの奴が私の手下になるのだからな」
「『もうじき』と言わず、今すぐ終わらせてやる、その命を! 僕は、デスピサロに関わる奴は全てこの手で仕留める!」
「なんだと小僧。面白い、返り討ちにしてくれるわ。さあこい! 愚かでひ弱な人間どもめ!」

   ◆◆◆

バルザック戦 1回目
 並び順 勇者−ライアン−棺−パノン
 パノンへの被害を減らすべく挟んだ棺はバルザック戦なのでマーニャ。

 1ターン目で早くもお昼寝タイム。全員まどろみ装備時の与えるダメージ数は80程度。パノンが20弱で2人が30ちょっと、って感じ。お休み中は勇者の装備を奇跡の剣にするのでもう少しダメージを増やせる。
 起床後、まどろみの剣を道具として使いまくるライアン。ダメ! それは効果ないから攻撃して! と思っても言うこと聞かず。まあ、これはそのうち学習するから良いかと諦める。

 バルザックの攻撃は打撃、氷の息、ヒャダルコ。ドラゴンメイルを装備しているので氷の息は怖くない。ヒャダルコは一度しか来なかった。回復は早め早めを心がける。
 再び昼寝タイムを迎えて以降、ライアンは打撃に専念するようになった。パノンは不思議な踊りが多めだったが、勇者とライアンの攻撃だけでも自動回復分(50)を越えていたので目をつぶる。
 棺のマーニャが乗り移ったかのように踊りまくっていたパノンが最後は会心の一撃を決めて(この辺もきっとマーニャが乗り移ってる!)勝利。

 えー?! 一発勝利とか嘘みたい。サントハイム御一行のときは28回も戦ったというのに……。まさにまどろみ無双!

   ◆◆◆

 ユンケルたちは圧倒的な強さでバルザックを蹴散らした。
 バルザックの紫色の返り血を浴びたユンケルは不敵な笑みを浮かべ、唇を舌なめずりした。隣りにいたライアンは、そんなユンケルの表情にただならぬ異様さを感じ、思わずその顔に視線が釘付けになってしまった。

 その日の晩はサントハイム城の近くに広がる町、サランで宿を取った。
「ユンケル殿は魔物たちに随分と憎しみを持っておられるのですな」
 食事を終え暫くし、ライアンはそう口を開いた。
「ええ、持っていますよ」
 返ってきた答えを受け、ライアンは1つ、息をついた。
「……そうですか」
「一瞬にして僕から何もかも奪ったデスピサロ、魔物たちが憎い。そう思うのは当然でしょう?」
「確かにそうかもしれませぬ。ですが、憎しみは憎しみを生みます。あなたが憎しみを持って戦い続ければ、必ずや新しい憎しみが生まれましょう。それがどんどん連鎖していくのです。ですからどこかでそれを断ち切らねば……」
 ユンケルはそれまで淡々と受け答えをしていたが、ライアンのこの、戒めを含んだ言葉に表情を一変させた。
「あなたに僕の気持ちが分かるのですか? 僕はずっと普通の少年だと思っていたのに、ある日突然村が襲われ、勇者だと告げられて、みんな……遺体も残らないくらいの破壊の限りを尽くされて、僕だけが生き残ってしまったんだ! そんな魔物どもを殲滅しようとして何が悪いんですか」
 普段ほとんど感情を表に出さないユンケルが語気鋭く言い放った。ユンケルのこんな姿を見るのは初めてでパノンは若干うろたえたが、ライアンは顔色1つ変えず、黙って話を聞いていた。
「僕は地獄の帝王を倒して世界を救うお告げの勇者らしいけど、はっきり言って僕にはそんなのどうでもいい話だ。ああでも、地獄の帝王は見つければ倒しますよ。僕はデスピサロに関わる奴は全て倒し、最後にはデスピサロの奴もこの手で葬ってやるって決めてるんだから」
 ユンケルは薄ら笑いを浮かべ、ライアンを見やった。
「たしかに私はあなたのような目に遭ったことはない。だからあなたの気持ちが分かるなどと言うつもりはありません。ですが、あなたのその考えは、あなたを仕留めるために村を殲滅してしまったデスピサロの考えと同じではないですかな」
 図星をつかれ、でもそれを認めたくなくて、ユンケルはライアンを睨んだ。
「私は勇者殿の力になりたいと勝手に考え、今、勝手にあなたとともに旅をしている。だからあなたに嫌われるのは構わない。でもこれだけは今後も何度でも言わせていただく。憎しみは連鎖する。どこかで断ち切らねば皆不幸になる。そのことは肝に銘じていただきたい」
 ライアンは表情を一切変えずじっとユンケルを見据え、淡々と話した。
「分かりました。一応覚えておきますよ。僕はもう寝ます。空き部屋をもう1つ借りることにするから、そこで1人にさせてください」
 ユンケルはサッと立ち上がりライアンに一瞥をくれ部屋を出て行ってしまった。
 ライアンはじっと目を閉じて無言だった。パノンもギャグは寒いが空気が読めない男ではない。部屋から去るユンケルの背中を見送りつつ、黙っていた。

「なんということだ……」
 最初に口を開いたのは意外にもライアンだった。
「小さな村で大切に育てられた少年が、ある日一瞬にして魔物たちに全てを奪われてしまったのだ。歪んだ心を持ってしまうのも当然なのかもしれぬ。聞けばユンケル殿の村はバトランドの南の岩山を越えてすぐの場所だというではないか! 俺がもっと早くそのことを知っていて、もっと早くに彼の力になれていれば、もっと違う結果になっていたかもしれないのに。痛恨の極みだ……」
 彼は初めて沈痛な表情を見せ、唇を噛んだ。

 どうすれば良いのか、パノンも自分なりに考えてみた。
 とりあえず今のユンケルさんに必要なのは笑いです。ここはワタシのマシンガンギャグで彼の心の氷を溶かすしか!
 とは思ったものの、口には出せなかった。同室の生真面目な武人を前に、そう口に出せるような雰囲気ではなかったからだ。

 そしてライアンも考えた。
 普段あれだけ澄んだ瞳をしているユンケル殿は、本当は真っ直ぐな少年なのだ。だからなんとしても彼には憎しみを乗り越えて欲しい。いや、彼なら絶対出来るはずだ。そのためだったらたとえ自分が嫌われても、それは構わない……と。

 こうしてサランの町での重苦しい夜が深々と更けていったのだった。


なまえLvHPMPそうび
ゆんける191296915611939奇跡の剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
ライアン18134012910714まどろみ剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
パノン8524885338まどろみの剣 身かわしの服 木の帽子

<携帯閲覧用>
ゆんける LV19 H129 M69 攻156 守119 早39
奇跡の剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
ライアン LV18 H134 M0 攻129 守107 早14
まどろみの剣 ドラゴンメイル ドラゴンシールド 鉄仮面
パノン LV? H85 M24 攻88 守53 早38
まどろみの剣 身かわしの服 木の帽子

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2011年03月21日
 サランでの夜が明けて、朝。3人はテーブルを囲んで朝食をとっていた。
「ユンケルさん、ライアンさん、知ってますか? この地は海に近いので魚が豊富なんですよ」
 突撃魚のカルパッチョをつつきながらパノンが話を始めた。
「そう言えば昨晩も魚料理がメインでしたな」
「サランの町では魚の消費量が他所よりも多いのです。そして興味深いことに、この地では血管が詰まる病気で亡くなる方は極端に少ないのだとか」
「え、そうなんですか?」
「そうなんです。なんでも魚に含まれる油には血流を良くするはたらきがあるそうです。つまり……」
 ユンケルとライアンがパノンの方をじっと見た。
「サランの人の血液はサランサラン!」
 パノンの朝一ギャグはこんな形で飛び出した。
「なるほど……魚にはそのような効果があるのか。私もそろそろ不惑を迎えるゆえ、体のことにも気をつけないといけませんな」
 しかし、ライアンには真意が通じなかった。
「ライアンさん、多分今のはパノンのギャグです。面白いかどうかは別として」
 ちぎったパンを口に放り込みつつ、ユンケルが辛辣なフォローをした。
「ぎゃぐ? ……相すみませぬ、私はそういうことには疎いもので」
「はは……は、まったく問題ないです!」

 食事を終え宿を発つことになり、次の行き先はどうするかという話になった。
「じゃあそろそろスタンシアラに行こうか。ここからそんなに遠くないみたいだし」
 ユンケルは地図を眺めながら提案した。
「パノンには随分と寄り道をさせてしまったね」
「それはちょっと待ってください」
 しかし何故か、パノンはそう言った。
「まずはライアンさんの故郷へ行きませんか?」
「……バトランドへということですかな」
「ライアンさんは故郷を離れて久しいのでしょう? しかもあなたは王様に仕える身。でしたら無事に勇者を見つけたと、主君に報告するのが筋というもの」
 今までに見たことのない真顔のパノンを見て、ライアンの中には確かにそうすべきだという想いがわいてきた。
「では許されるのならバトランドへ立ち寄りたく思います」
「僕は構いません。それではバトランドへ行きましょうか」
 ユンケルは淡々とそう答えた。

 実は、パノンの思惑は別のところにあった。もしここでスタンシアラへ行き、王様を笑わせることが出来てしまったら、パノンがこのパーティーに同行する理由がなくなってしまう。昨晩ごたごたのあったユンケルとライアンを2人だけで旅させるのはいささか不安だったのだ。その点が解決されるまでは、多分ワタシは彼らと一緒にいた方が良い。パノンはそう判断し、スタンシアラ行きを断ったのである。

 こうして一行はライアンの故郷、バトランドへと向かうことになった。

   ◇◇◇

 ライアンにとっては久しぶりとなるバトランドは、城下町も城内も以前と全然変わってはいなかった。ライアンは同僚たちと再会の挨拶を交わし、パノンは「バトランドバトランド」とブツブツ呟いていた。大方ギャグネタでも探しているのだろうとユンケルは思った。
 城内では「天空」にまつわる話もいくつか聞くことができた。昔この城には天空の盾があったということ。天空の兜はスタンシアラの国王が持っているらしいということ。その昔、天空に住む神様が地獄の帝王を封じ込めたということ。そしてその地獄の帝王が復活するらしいということ。

「ほうほう、ではやはりスタンシアラの王様を笑わせれば天空の兜を手に入れることができそうですねえ。ワタシ噂で聞いたことがあります。天空の武器防具を全て集めれば天空に行けると」
 バトランドネタの仕込みを止め、いかにしてスタンシアラ王を笑わせようか、パノンはそんなことを考えていた。
「昔、この城に天空の盾があったということは、今はないということだろうか……お二方、陛下にお会いして、確認してみましょうぞ」
「そうですね」
 そう返事はしたものの、この城ではデスピサロに関する話が出てこないことが、ユンケルにとってはもどかしく感じたのだった。

 3人は王の間へ向かった。国王は満面の笑顔でライアンを迎え、労いの言葉をかけた。ライアンも恭しく跪き、それに応えた。

「そうか、ついに伝説の勇者を見つけ、今度は天空の武器、防具を集めて天空へ行くと申すか。天空とはまた、わしには想像もつかぬ世界の話じゃな」
「陛下、このバトランドには天空の盾があるという話を伺いました。国の宝を持ち出すことは大変大それたことだとは存じますが、天空の世界へと行くためにどうか拝借願いたいと存じまする!」
 頭を垂れたまま、ライアンは国王に懇願した。
「うむ、わしもそうしたい! そうしたいのはやまやまなのじゃが……ライアンよ、この国には既に、天空の盾はない」
 ライアンはパッと顔を上げ、国王の顔を見た。ユンケルとパノンも、半ば失望の眼差しで国王を見た。
「たしかにかつてはこの城に盾はあった……が、わしの祖父の代のとき、東の山の中にそびえる国、ガーデンブルグの当時の女王に献上したと聞いた。ガーデンブルグは女性だけが住む城じゃ」
「はぁ、つまり、王様のお爺様は女王様の気を引こうとしたわけですな。『女王様、この盾をどうじょおう!』みたいな感じで」
 そんなパノンを、ライアンが鬼のような形相で睨んだ。国王陛下に対してなんて失礼なことを! と言った感じだ。王宮の戦士としては当然の反応だろう。
「ひええ、すみませんっ」
「まあ良い、まあ良い。わしも爺さまの助平心には参っていたところだしな」

   ◇◇◇

 結局バトランドには天空の盾はなく、3人は東の山にそびえるガーデンブルグ城を目指すことになった。
「でもその前に、ほら、城下町の人が言ってたじゃないですか。北にあるイムルの村の宿屋で面白い夢を見られるって! 夢だけに有名! 行ってみましょうよ」
 さりげなくギャグを絡め、パノンが言う。ユンケルもライアンもギャグのことには一切触れなかったが、イムルの村には行くことになった。
(むむむ、ワタシのギャグ、最近とことん空回りです……。でもくじけませんよ! 絶対いつか、心から笑えるギャグを飛ばしてみせます!)

 イムルの村で見た夢は、不思議な夢だった。どこかの町の中心に建つ高い塔にエルフと思しき女性、そして、妙な笛を吹いて女性の下へと向かう、やはり人間ではなさそうな若い男性。そんな2人が会話を交わす夢だった。
 男は「人間を滅ぼすと決めた」と言い、女はそれを止めようとする。でも男は聞き入れず、再び女の下から去った。
 そして最後、ロザリーと呼ばれた女が、夢を見るものに訴えかけた。
「誰か……誰かピサロ様を止めて! 届いて、わたしの、この想い……」

 ユンケルはそこで目が覚めた。
「……ピサロ」

 ――デスピサロさまぁ! ゆ、勇者を! 勇者を仕留めました!!
 ピサロとデスピサロ……同一人物なのだろうか?

 ――ロザリー いい子にしていたか? 私は人間を皆、滅ぼすことに決めた。
 ――うむ、よくぞでかした! 貴様には褒美を取らそう。それでは皆のもの、引き上げじゃあ!
 きっと……同じだ、声はあのときと同じだった!
 真ん中に背の高い立派な建物のある町……そこに行けば、奴の手がかりを得られる!
 ユンケルは1人ほくそ笑んだ。

 ライアンもまた夢のことを考えていた。
 ピサロという名前には聞き覚えがあった。かつてホイミンと共に湖の塔で相対した誘拐犯がピサロの手先と名乗っていた。そして、以前ユンケルから聞かされたデスピサロの名。
 ライアンもすぐにピサロとデスピサロは同一人物だと分かった。そしてロザリーという女性。
 『デスピサロに関わる全ての奴を葬る』ユンケルがサランの町で発した言葉が胸に引っかかった。もしユンケルがロザリーを前にしたら、彼はどうするつもりなのだろうかと。

 パノンも夢のことを考えた。
 ピサロという男が建物の影で吹いた笛の音は、バルザックという化け物のいた城からこっそりと頂戴した笛の音と同じだ! もし夢に出た町で笛を吹けば、あの建物の中に入れると。

 三者三様の思いを胸に、イムルの村を発ち、一路ガーデンブルグへと向かったのであった。

つづく

   ◆◆◆

 今回ガーデンブルグ編まで書こうと思ったのですが、一旦ここで区切ります。ガーデンブルグ編はまた後日。

 現在プレーの方は最後の鍵入手まで行っていますが、突然の停電で冒険の書が消えることの防止、あと、ささやかながら節電に協力するためプレーは暫くお休みします。

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