DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2010年06月30日
今回またしても読み物オンリーです。

   ◆◆◆

 暗転の日の夜をリバーサイドの宿屋で過ごし、まだ夜が明けきらぬうちにわしは目を覚ました。まあ、年寄りの朝は早い、とよく言うじゃろう? 早起きしたら散歩に出るのも、また然り。クリフトはまだ寝ておるようじゃったし、わしは静かに着替えてまだ薄暗い町を散歩することにした。
 部屋を出て階段を降り、ロビーへと向かった。宿屋の主人は例のごとくロビーに置かれたソファーで寝ておった。この主人は四六時中寝ておることで有名じゃったし、もはや特に気にもならんかった。起きるのは客が入ってきたときだけじゃ。完全前金制なのもうなずける……。
 宿屋は川の右岸に建っておるので、右岸側を散歩した。時間も時間じゃし、外には人などいなかった。左岸に目をやると、あの空飛ぶ乗り物を作る道具屋だけは煌々と明かりがついておった。まだ乗り物を作っている最中なのじゃろうか?
 しかし今日乗り物が完成したとして、ここから旅立つことになるのかは分からない。なんせ姫様がああじゃったからのう。わしもクリフトも、姫様に助言をすることは出来るが、最後にどうするか決めるのは姫様じゃ。姫様が行かぬと決めればわしらも先へは行けない。
今となっては「第1号」に恐れおののいておったことが懐かしくすら思うわな。
 右岸を上流へ下流へと歩き、再び上流へと歩いて宿屋に戻ろうとした。その頃には空も随分と明るくなっていた。わしは何の気なしに宿の前あたりを見た。河岸に腰を下ろして、川をじっと眺めておる者がおった。はて、明るくなったとはいえ、まだ人々が活動を始める時間でもない。老眼の目を凝らしてよく見てみると、どうもその人物は姫様のようじゃった。わしは足早に宿の方へと向かった。

 わしが声をかけると、姫様は驚いたようにこちらを振りむいた。どうやらわしが外に出ているとは思ってもいなかったようじゃ。
「あ……ブライ。おはよう」
 姫様は一応は笑顔じゃったが、その顔色はすぐれなかった。作り笑いだということもすぐに分かった。わしは挨拶を返した後、とぼけて昨日はよく眠れたのか尋ねてみたが、姫様は一睡もできなかったと答えられた。それから暫く、姫様は座って、わしはその横に立って、2人黙って川を見ていた。

「ブライ。わたし、昨日一晩ずっと考えていたの」
 前を見たまま、姫様は口を開いた。わしは黙って話を聞くことにした。
「多くの屍の上に平和が築かれる……あなたの言ったことは多分その通りなのかもしれないと、頭では……なんとなく分かるのだけど、でも、気持ちは受け入れられない。平和の為には、時に何の落ち度もない者が犠牲になることもやむを得ないと、そう簡単には割り切ることはやはり出来ない。正直、自分がこの先どうすべきかもよく分からないわ。ロザリーさんがさらわれてしまった一端を担ってしまったのかもしれないわたしにデスピサロを止める資格があるのだろうか、こんなわたしが将来本当に国なんか治められるのだろうか……って、色々と、ずっとずっと、考えていたの」
 姫様はこちらは見ず、川の流れをぼんやりと眺めながら話された。
「でも、だからって何もしないでここに居続けるのだけは……ダメだと思った。自分のためにも、国のみんなのためにも、そしてきっとロザリーさんのためにもダメだって……。だから、自分なりに答えが出るまでは……とりあえずは前に進んでみようと思うの。デスピサロに近づくことで何か答えが得られるのではないかと思ったから。最終的にあなたと同じ答えにたどり着けるかは分からないけれど」
「実はのう、陛下がまだ王子でいらっしゃった頃に、国内でとある理不尽な事件が起きましてな、わしは昨日姫様にお話したことと同じことを陛下に申し上げたことがあったのじゃ。そうしたら陛下は『私はおまえのようには割り切れない。おまえは私を買いかぶっている』そうおっしゃられましてな。フォッフォ、不謹慎ながら、昨日の姫様のお言葉を聞いて、さすがは親子でいらっしゃると感心してしまいましたわい」
 これにはさすがに姫様も驚かれたようじゃった。姫様は伏目がちだった目を大きく見開いて、わしの方へ振り向かれた。
「きっと長い間、陛下も色々と苦悩されたのかもしれませぬ。じゃがご覧のとおり、今では国王として立派に国を治めていらっしゃる。城の者たちからも、民からも敬愛されておる。……アリーナ様、あなたはまだお若い。ご自身が求めている答えはそう簡単には見つからないかもしれない。考えに考え抜かれた先に見出した答えはわしの考えとは異なるものになるかもしれない。でも、それはそれで構わないとわしは思うております。ただ、立ち止まってはなりませぬ。立ち止まったらそこで終わりじゃ。あなたは今、前へ進むとおっしゃった。そう、今はそれで良いのですじゃ」
「……うん」
 姫様は微笑んだ。微笑んだその瞳から涙が一粒こぼれた。こぼれた涙は朝陽を反射してキラキラと輝いていた。
「姫様は、昨日から随分と泣き虫になってしまわれましたのう」
 わしはちょっとだけ、茶化してみた。
「これは……嬉しかったから。わたしも、お父様と同じ道を歩んでいるんだ……って思ったら嬉しくて、自然と涙が出てきたの。あと、言っておくけど泣き虫になったのはブライのせいだからね!」
「なんと! わしのせいでありましたか。そうか、わしはまたしても女性を泣かせてしもうたか。かっかっか、わしもまだまだ捨てたものではないのう」
「自分で言ってたら世話ないけどね」
 姫様の突っ込みにわしら2人、顔を見合わせて笑った。大笑いした。何やら、えらく久しぶりに姫様が心から笑う姿を見たように思えた。実際は1日と経っておらぬのにな。

 しばらくして、クリフトが慌ててわしらの元へやって来た。寝坊してしまったと詫びておったが、わしらがただ異様な早起きだっただけで、特別寝坊というわけでもなかった。
「クリフト、今地図持ってる?」
「はい、持っていますが……地図を、ということは」
 晴れやかな表情でそう問いかけた姫様に、クリフトは少し驚いたようじゃった。
「うん、今日空飛ぶ乗り物が完成するということだから、そうしたらすぐにここを発ちましょう」
 もう陸路、海路はほぼ制覇したから、空からでないと行けない場所を探して、そこへ行こう、と続けられた。そして
「クリフトにも心配をかけてしまってごめんね。わたしは前に進むことにしたから……色々と至らないところもあるかもしれないけれど、これからもよろしくね」
 少しだけ照れくさそうに、しかしはっきりと、そう告げられた。
「そんな、至らないだなんてとんでもない! このクリフト、地の果てまでも、空の果てまでも、喜んでアリーナ姫様についてゆきます」
 クリフトは満面の笑みを浮かべ、誓いを立てた。いささか大げさな気もしたが、まあ、クリフトらしいといえばクリフトらしいかもしれんな。

 クリフトは早速持っていた地図を広げた。わしは地図の右端の方を指差した。ミントス、ソレッタのある大陸のほぼ中央、高い高い岩山に囲まれた場所じゃ。歩いて山を越えるのは到底無理じゃろうと思っていたが、空を飛べれば話は別。わしは2人に次はここでどうかと提案した。特に異論はでなかった。
 わしらの次の目的地が決まった。
 わしらは朝食をとり、身支度を整え宿を出た。主人は寝ているだろうと思っていたが、奇跡的に見送りをしてくれた。非常に眠たそうではあったがのう。
 空飛ぶ乗り物とやらは、そろそろ出来たのじゃろうか? わしは何気なく空を見た、すると、上空に籠をぶら下げた大きな球体が浮いておった。姫様もクリフトも、すぐにその球体に気付き、驚きの声をあげた。
「まさかあれが、空飛ぶ乗り物?」
 球体は下降を始め、その姿はみるみるうちに大きくなり、町のはずれの野原に着地した。わしらは急ぎ野原へと向かった。

 野原には、籐で出来ていると思われる巨大な籠があった。籠にはところどころに砂袋のようなものがぶら下げられ、太いロープも何本も括りつけられていた。そのロープの先には、籠よりもはるかに大きい……そうじゃのう、わしらの乗っている船の甲板よりも大きいのではないかと思えるくらいの布がついておった。今はしおれておるが、恐らく球体に見えたのはこの布じゃろう。
 籠から道具屋の主人が下りてきた。下りるとすぐにわしらに気づいたのか、足早にこちらへやって来た。
「これはこれは、皆さん! 空飛ぶ乗り物『気球』がついに完成しましたよ。さきほどから試験飛行をしていたのですが、やはり私の理論は完璧でした! まったく問題ナシです。最高傑作です。私は、自分で自分を褒めてあげたい!」
 道具屋は相変わらずハイテンションですっかり自己陶酔しておったが、確かに一晩であれだけのものを作ったのじゃ、見上げたものであることには変わりない。道具屋は気球が空を飛ぶ簡単な仕組みと、操縦方法を教えてくれた。クリフトはとても熱心に主人の説明を聞き入って、メモを取ったりしておった。もともと勉強熱心で学者肌なところもあるやつじゃ、いろいろと興味をそそられるのじゃろう。操縦を任せられる者がいるというのは心強いことじゃ。
「――というわけで、こちらの気球第1号はあなた方に差し上げます。どうか大切に使ってあげてくださいな」
「どうもありがとう。あなたのその熱意と厚意は忘れませぬ」
 わしらは心からの感謝の言葉を道具屋に述べ、そして気球へ乗り込んだ。かごの中は想像以上に広く、幸か不幸か、棺入りの馬車も載せることができた。こんなことを言うと、また連中がバケて出てくるかもしれぬが。
 さて準備も済んで、いよいよ飛び立とうとしたとき、道具屋が面白いことを教えてくれた。
「そういえば、試験飛行のときにこの町から北へ向かったのですが、途中に地図にも載っていない島があったんですよ。地図でいうと、ちょうどど真ん中あたりですね。いやあ、空を飛んでいきなりの発見に気球の中で踊っちゃいましたよ。あなた方も機会があったらそこへ行ってみてはどうです?」
 地図にない島とはまた興味深い、きっといずれ行くことになるじゃろうな。わしは重ね重ね、道具屋に礼を言った。

「ではいきますよ。心の準備はよろしいですか?」
 クリフトはそう言い、道具屋の主人に教わったとおりの操作をした。球皮と呼ばれる布袋にガスを噴き出すと、ガスを溜め込んだ球皮はみるみるうちに膨らんで球状になった。まず球皮が上空へと上がってゆき、籠もゆっくりと持ち上がる。大きく両手を振って見送ってくれた道具屋の主人がみるみるうちに豆粒のようになってしまった。リバーサイドの町もどんどん遠く離れて小さくなる。
 わしらはついに、空を飛んだ。
「わあ……すごいね。わたしたち、今本当に空の上にいるんだ!」
 姫様が籠から身を乗り出しながら、目を輝かせ感嘆の声を上げた。あまり身を乗り出すと危ない気もするが、その辺はわしが言わなくても大丈夫じゃろう。
 見渡す限りの青い空、下を見ればキラキラと宝石のように輝く濃青の海。大地に生い茂る深緑。わしも長いこと生きておるが、それはまさに見たこともない絶景じゃった。
「これが神様がご覧になる景色なのですかね……」
 ガスの噴出量を調節しながらクリフトがしみじみと語る。神の視点。まあ、神様はさらに上空にいらっしゃるのじゃろうがな。本当に、まさに全世界を一望できるのが神の視点なのかもしれぬのう。
「では、これから徐々に進路を北東へと取ります。ええと……この場所でこの時間帯だったら、このくらいの高度がいいかな」
 などとブツブツ言いながら、ガスの量を微調整する。気球自体は上下に動く以外の動力を持たないゆえ、目的地へ行くには風の動きを読むことが大切なのだそうじゃ。
「クリフトすごい、時間や場所でどんな風が吹くのか分かるの?」
「先ほど道具屋さんから大体の情報を教えていただきましたし、あと、わたくし自身こういう分野に興味があったもので、以前少し勉強したことがあったのですよ。でもその勉強が今役に立つとは思いませんでした」
 こやつの勤勉さには頭が下がるわい。きっと蓄えている知識量は国でも一、二を争うじゃろうな。勿論このわしとじゃよ!

 空もこのくらい高く飛ぶと、魔物に遭遇することはまずない。わしらはしばし、のどかな気球の旅を楽しんだのじゃった。

   ◆◆◆

 今回は気球が登場したので、少しだけ気球のことを調べてみました。「熱気球」と「ガス気球」があるということをそこではじめて知りました。
ガスの壷のガスをバーナーの燃料と捉えれば熱気球。
ガスの壷のガスを空気より軽いガス(不燃可燃問わず)と捉えればガス気球。
ということになりそうです。
 エスターク神殿でガスの壷を手に入れる場面の描写をしたときに「空気より軽いガスが出ている」と表現しました。どうやら自分の中では気球を「ガス気球」として捉えたようです。
 多分、ヘリウムのような、引火しないガスを想像したのだと思います。もしあれが引火するガスだったら正直怖い。ドラゴンライダーと戦えないし、今回はいないけれど、マーニャが同行していたらベギラゴンやメラミを唱えるたびに恐怖……という思いがあったのかも。
 では実際はどうなのだろうと考えると、ズバリ、気球に乗った時の曲の名前が「のどかな熱気球のたび」ですから、あれは熱気球なのでしょう。
それでもやっぱり引火が怖いので、今回だけはガス気球ということにさせてください。

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