DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2010年06月28日
後編はリバーサイドでの出来事編。

   ◆◆◆

 リバーサイドの町へ着いたわしらは、早速ガスの壷を道具屋へ持って行った。主人に壷を見せると、それはそれは舞い上がった。
「うっわー! ふたを開けたらガスが噴き出た! これはすごいなあ。お客さん、この壷、私に譲ってもらえませんかね?」
「よろしいが、わしらもこれを手に入れるにはそれはそれは苦労しましてのう……」
 船を売り払えない現状、なんとしても少ない費用で空飛ぶ乗り物とやらを手に入れたいところじゃ。出来るだけ恩を着せんとな。
「もちろん、タダでなんて言いませんよ! 乗り物が完成したあかつきには、お客さんに第1号を進呈いたします!」
 主人から意外な答えが返ってきた。
「進呈というのは、つまり……」
「もちろん無料進呈ですよっ! 大だんな!」
 おお! 無料でくれるのか。それは太っ腹じゃな。話の分かる主人で良かったわい。
「ところで……第1号って、私達、空飛ぶ乗り物の実験台ってわけではないですよね?」
と、クリフト。た、たしかに、第1号ということは……わしらが初めて乗ることになるのじゃのう。失敗作なんぞよこされたら目も当てられんのう。
「はっはっは! 若だんな! 私の理論は完璧ですから大丈夫ですよ。モノは明日には完成してると思うので、明日また来てくださいな」
 理論は完璧とか言われてもな。しかも、一晩で出来る第1号……本当に大丈夫なのじゃろうか。わしはちと不安になった。クリフトも神妙な顔をしておった。だが、
「すごい、明日には出来るんだ! 楽しみねー。早く乗ってみたいなぁ」
 姫様だけは全く不安がないようじゃ。
「はっはっは! お嬢さん! 是非とも是非とも、期待していてくださいな!」
 しかし、随分とハイテンションな主人じゃのう。ああ、心配じゃ。

 空飛ぶ乗り物は明日に出来るということで、今日はこの町で宿を取ることになった。
 宿に向かう途中、わしらはこの町の住民と思われる2人の男の会話を耳にした。
「おいおまえ、イムルに旅行に行ったんだって? なんでまたあんな田舎に」
「あれ、知らないのか? 最近、イムルの宿屋に泊まるとおかしな夢をみられるってことで有名なんだぜ!」
「そういえば聞いたことあるかもしれない。で、おまえはその夢とやらを見られたのかい?」
「ああ、見たとも。見たんだけど、なんか、オレが泊まった日から夢の内容が変わったって村の奴らが言ってたなぁ」
「夢が変わった?」
 姫様が思わずそう口にした。男2人、同時にこちらを見る。
「相すみませぬ、ついついお2人の話に聞き入ってしまってのう。実はわしらも、イムルの夢に興味がありまして」
「もし差し支えなければ、貴方がご覧になった夢の内容を聞かせていただきたいのですが」
「別に構わないっすよ」
 イムルに行った方の男がそう言い、夢の説明をし始めた。

「あれは、どこかの原っぱだったなぁ。綺麗な女の子が、いかにも悪党って感じの男3人に暴行されてたんだ」
 新しい夢とやらは、いきなり衝撃的な場面から始まったようじゃ……。
「げげぇ、本当かよ?」
「男たちは確か『泣け! 泣いてルビーの涙を流せ』とか何とか言ってたような気がした」
 綺麗な女性というのはやはりロザリー殿のようじゃった。
「そうしたら、どこからともなく突然、男が1人現れたんだ。なんていうか、ヤサ男っぽい感じだったけど、そいつメチャクチャ強くてさ、悪党はあっという間に殺された」
 恐らくデスピサロじゃな。
「その後しばらくそのヤサ男と女の子が何か話してたんだけど、悪いな、内容はよく覚えてない。女の子が『ずっと私のそばにいて欲しい』みたいなことは言っていたかも」
「で、その女はどうなったんだよ?」
「それがさ……最後死んじゃうんだよ、その子」
 その言葉を聞いた瞬間、わしら3人、互いの顔を見合わせた。ロザリー殿が……亡くなった?!
「きっと、ヤサ男と女の子は恋人同士だったんだよな。ヤサ男は、それはそれは怒り狂った。最後『人間どもめ、根絶やしにしてくれん!』とか言っちゃってさ。おいおい、お前も人間だろうよ……って、起きてからツッコミ入れたもん、オレ」
「なんかさ、その夢怖くねえ?」
「確かに、最後視界が真っ赤になって目が覚めたときはかなり怖かったな。……と、まあ、そんな夢だったんすよ」
 男はこちらを見てそう言った。
「なるほど、よく分かりました。どうもありがとうございます。どうも失礼いたした」
 わしは男に礼を言ってその場を立ち去ろうとしたが、姫様とクリフトはその場で呆然と立ち尽くしていた。
「2人とも、行きますぞ!」
「……あ!? は、はい」
「う、うん」
 わしが呼びかけてようやく、2人は我に返ったようじゃった。
 それだけ衝撃的な内容じゃった。
 これで、デスピサロを説得できる可能性はゼロになったと言って良いじゃろう。まさかわしらと同じ人間によってその可能性を絶たれるとは、皮肉なものじゃ……。

 その晩、宿を取ったわしらは一室に集まった。
 姫様もクリフトも、その表情は果てしなく暗い。姫様にいたっては夕食も殆ど召し上がらなかった。
「ロザリーさんがさらわれてしまったのは……わたしたちがあの時、護衛の騎士を倒してしまったから、だよね」
 うーん、たしかにわしらはあの時、ピサロナイトと名乗る護衛を倒してしまった。しかし、それ以前に、普通の者はあの隠し部屋を見つけること自体が困難なはずじゃ。あの笛がない限り絶対階段も見つからない。わしらがロザリーヒルを立ち去るときには階段が消えていることをしっかりと確認したし、あの笛もずっと、肌身離さず持っていた。現に今も持っておるし。窓側から進入するにせよ、あの窓の位置はかなり高い。前に冗談で姫様に外壁から登れそうかと尋ねたことがあったが、滑りやすそうな外壁だからかなり難しいかもとおっしゃっていた。姫様がそう言うくらいじゃし、多くの者が攻略不可能な壁であるはずじゃ。
 ううむ、一体どうやって奴らはロザリー殿をさらったのか……分からぬ。
「やっぱりわたしたちが……好奇心から会いに行ったのがいけなかったのよ」
 寝台に腰をかけ、視線を床に落としたまま姫様は力なくそうおっしゃった。姫様は相当落ち込んでいらっしゃるようじゃった。
「わしらがロザリー殿に会ったのは、ロザリー殿が夢でわしらに助けを乞うておったからじゃ。決して興味半分で行ったわけではないし、それに、この笛なしにあの隠し部屋に入るのは不可能に近い。少なくとも欲に駆られただけの人間が笛も持たずに押し入れるほど甘い造りではないはず。となると、裏で手を回した者がいる可能性がある」
「裏で手を回した者……もしそうだとすると、その者は人間ではなく、むしろデスピサロ側の者であることも考えられますね」
 さすがはクリフトじゃのう。そう、わしもそう考えておった。理由は分からぬが、魔族の側にロザリー殿を快く思っていない者がおるのではないか……とな。
「もしそうじゃった場合、例えあの護衛がいたとしてもどうなっていたかは分からん。ロザリー殿には気の毒じゃが、多分わしらにはどうすることもできなかったのじゃ。悲しまれる気持ちはよく分かりますが、今は……」
「ロザリーさんはデスピサロが世界を支配することなんて全然望んでいなかった。ただデスピサロのそばにいたいとだけ願っていたのに。だからわたしたちは魔物に姿を変えてデスピサロを説得しようと接近して……相対する機会まであったのに、結局何もできなかったわ。その上、ロザリーさんは……よりによってわたしたちと同じ人間に……。あなたはそれを『気の毒だった、どうすることもできなかった、仕方なかった』で済ませてしまうの? わたしには……そんなこと出来ないよ」
 わしの言葉を遮った姫様は声を震わせながらそう訴えた。顔は下を向いたままじゃったが、時々しずくのようなものが床の上に敷かれた絨毯の上に落ち、滲んでゆくのだけは分かった。
 姫様とロザリー殿はほぼ同年代と思われる女性同士じゃ。姫様にとって、同年代の女性とふれあう機会はそう多くはない。旅に出てからは尚更じゃ(棺桶連中が棺桶でなかったら、また違ったのじゃが)そんな中でロザリー殿と出会って、短い間ながらもいろいろと言葉を交し合った。そのロザリー殿が……夢での内容ではあるものの、あのような最期を遂げてしまったのじゃ。姫様はお優しいし、責任感も強い方じゃ。だから余計、ひどくショックを受けられたのであろう。姫様のその気持ちはよく分かるつもりじゃ。だが、
「……でしたら姫様は、いつまでもここでそうやってウジウジしながらお過ごしになるつもりなのですかな? それで良いとお思いなのか?」
 わしはあえてそう言い放った。時には優しいだけではだめなのじゃ。
「…………」
 姫様は無言のまま顔を上げ、わしを睨んだ。睫毛は濡れ、その目は充血して赤かった。クリフトは姫様とわしをキョロキョロ見ながらオロオロしとった。じゃがわしは構わず続けた。
「姫様。わしは、姫様が将来国を治める者としての資質が十分にあると思うておりますゆえ、今あえて申し上げる。世界にせよ国にせよ、無駄な血を一滴も流さずに争いのない平穏な世へと導くことなど不可能だと、わしは思うておる。そんなのはただの理想論じゃ。皮肉なことじゃが、平穏な世界なんてものはたくさんの屍の上に築きあげられるものじゃ」
 わしも姫様も、互いの顔から目をそらすことはなかった。クリフトには睨み合っていると感じられたかもしれぬのう。
「生き残った者がすべきことは、死者をただ哀れみ、悲しみに暮れて過ごすことではありませぬ。本当にすべきは、死んだ者の遺志を胸に刻み、それを忘れることなく、その屍を乗り越えて前へと進んでいくことじゃ! このじじいのことを恨まれるのは結構! しかしそれだけは覚えておいていただきたい」
「…………」
 姫様はなおも無言じゃった。無言でわしの顔をじっと見ておった。その沈黙が、いったいどれくらいの間続いたじゃろうか? 短かった気もするし、長かったような気もする。
 その短いような長いような時を経たのち、姫様は目を閉じて、大きく息を吐かれた。そして、
「わたしは……あなたみたいには割り切れない。わたしに国を治める資質があると思うのだったら、それはきっとブライの思い過ごしだわ……」
 そう吐露されたのだった。
「ごめん。わたし、自分の部屋に戻る。1人にさせて欲しいの」
 姫様はそう告げて1人、部屋を出て行かれたのじゃった。
 クリフトは一瞬、そんな姫様の後を追おうとしたようじゃが、すぐに足を止めてしまった。追うべきではないと悟ったのじゃろう。
 その後はわしもクリフトも殆ど言葉を交わすことはなく、そのまま床に就いた。
 勇者のみが倒すことができると予言されていた地獄の帝王エスタークをわしらだけで倒せたというのに、今日という日は、無人のサントハイム城を出たあの日以来、最も重く沈んだ一日じゃった。

 まさしくそれは暗転の1日……だったわけじゃ。

   ◆◆◆

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