DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2010年06月15日
 バルザック戦を終え、今回は サランの町での情報収集〜スタンシアラでの天空の兜取得〜イムルでの夢イベント〜バトランドでの情報収集〜ガーデンブルグ城到着 まで進める。ダンジョン攻略等は無し。レベルもそのままで、装備変更はブライの武器(→マグマの杖)のみ。

 自分がサントハイムファンだからかもしれないけれど、サランの王様の立て札イベントは個人的に4章EDや5章OPに匹敵するくらいの泣けるイベントだと思っている。
 まだ小さな子供であったサントハイム国王が自分の娘を案じて立て札を立て、数十年後に娘がその立て札を見る。そのとき父親は行方不明。なんとも不思議な、とても印象的なイベントだ。
 立て札冒頭の「みらいのボクの娘へ」という言葉はリメイク版で追加されたものだけど、いきなりこの文言から入ると本当に泣けてくる。

 サントハイム城の宝物庫に、マグマの杖とあやかしの笛があるというのもさりげなく凄い。特にあやかしの笛はなんでサントハイムにあるの? という感じだ。

……と、普通に書くとこの程度で終わる今回のプレー記も、いらん妄想を垂れ流すと恐ろしく長くなりまして、「続きを読む」以下のようになってしまったりするのです。というわけで、以下、妄想。



続きを読む

   ◆◆◆

 激闘の末、わしらはなんとかバルザックを倒した。あまりにも激しい戦いを繰り広げ、もはや立つこともままならないわしを、姫様は背負ってくださった。そしてわれらはサランの町へと立ち寄ることになったのじゃった。

 サランの町は、まだ城が平和であったあの頃と、表面上は何等変わってはいなかった。商売に励む者あり、家事に勤しむ者あり、子供たちのはしゃぐ声もあり。しかし、かつて満ち溢れていた活気はどこか影を潜めておった。どことなく暗い雰囲気が漂っておった。もう随分と長い間、魔物の住処となってしまったサントハイム城。その魔物どもがいつ町を襲うかもしれない。そんな恐怖とともに人々は暮らしておったのであろう。
「それでは、わたくしは宿の手配をして参ります」
「うん、クリフト、お願いね」
 クリフトが宿へと入ろうとしたそのとき、こちらを見ていた町の住民と思われる若い男が驚いたような顔をして叫んだのじゃ。
「ああ! あなたはもしや、アリーナ姫様では?!」
 なんとも町中に響くような大きな声であった。男の声を聞いた他の住民たちはざわめきつつ、ぞろぞろとこちらへ近づいてきた。
「え? 姫様が!?」
「アリーナ姫生きてたのか!」
 生きてたのか! とは随分失礼なやつじゃのう。
「ああ姫様! お城に、お城に化け物が住みついているんです!」
「王様は一体どこにいらっしゃるんですか、姫様!」
 町の広場にはあっという間に人だかりができ、住民は口々に姫様へ現状への不安を訴えかけておった。突然のことに驚かれたのか、姫様はただただその場で立ち尽くしていた……が、
「ブライ、ごめんね、ちょっと下りてもらって良いかしら?」
「ははっ!」
「クリフト、ちょっとの間ブライのことをお願いね」
「はい。かしこまりました」
 姫様はわしを地面におろし、民衆の前へと進み出た。ところどころケガをされている姫様を目の当たりにし、あたりが一瞬静まり返る。そして……、
「みんな……お城のことで、長い間心配をかけてしまって、不安な思いをさせてしまってごめんなさい。でも安心して! お城に居座っていた化け物は、今、わたしと、臣下のクリフト、ブライとで倒したの!」
 姫様がそうおっしゃった途端、民衆から割れんばかりの大歓声があがった。
「うおお! 姫様ブラボーー! さすがは武術大会のチャンピオンだぜーー!」
「でも、わたしたちはまた、旅に出ないといけないの」
 姫様はすぐさまそう付け加えられる。
「えっ?」
 歓声は一瞬でやんでしもうた。
「お城の皆が消えてしまった日、わたしたちは、その武術大会でエンドールにいたの。エンドールからサントハイムへ戻ってきて、お城に誰もいなくて、わたしたちだけが残されて……一体どうすればいいのか、途方に暮れたわ。でも、それは……わたしたちだけがこの場に残ったということは、神様がお城の皆を探し出すチャンスをわたしたちにくださった……そう思ったの。お城のみんなが絶対どこかで生きているって信じているから……だからわたしは探し続けることにした。お城を誰もいない状態で放っておくことは愚かなことかもしれない。でも、それでも、例え愚か者だと言われても、この世界中をまわることになっても、最後には必ず皆をサントハイムのお城に連れ戻してみせる! 元の、平和だったころのサントハイムの国を必ず取り戻してみせる。だから……みんなには迷惑をかけてしまうかもしれないけれど、もう少しの間だけ辛抱して欲しいの」
 民衆の視線を一身に浴びた姫様は、堂々と、強き瞳で真っ直ぐと皆を見据え、そう言い切った。そして、しばらくの沈黙の後……、
「う、うおおおお! おれたちは、姫様を信じるぜ!」
「アリーナ様は私達の希望です! どうかご無事で」
「今までだって魔物どもを町に寄せ付けなかったんだ! これからだって大丈夫だぜ!」
「なぁに、いざとなったら武器を持って大暴れしてやるぜ! サラン武器防具連盟の底力みせてやる!」
「そういうこった! だから姫様は俺たちのことなんか気にしねえで、絶対王様やみんなを助け出してくれよ!!」
 民衆が口々に声をあげる。まさに、活気に満ち溢れていたあの頃の雰囲気……姫様は一瞬にして民衆の心を掴んでしまわれたのじゃ!
「みんな、ありがとう! みんなのその気持ちをわたしは絶対に忘れない! そして絶対、城のみんなを取り戻すわ! お父様も大臣も他のみんなも、もちろんわたしたち自身も、絶対、みんな一緒に、再びこの地に戻ってくる!」
 ああ! 姫様。次期王位継承者にふさわしい、なんという堂々とした立ち居振る舞い。姫様の教育係として、本当に、本当に、わしは嬉しい!
「うっ……うう……ひ、ひめさま……なんとご立派な」
 クリフトのヤツはわしの体を支えながら泣きじゃくっておった。大の男が人目もはばからず泣くとは……。
「これ、クリフト。大の男が泣くでない!」
 わしゃあ、クリフトを叱り付けた。
「ブ、ブライ様……今回ばかりは、今のお言葉、そっくりとそのまま返させていただきたく思います……うう」
「な……なんじゃと?」
 わしは右手で目の下あたりを触ってみた……な、なんと、ぬ、濡れておる。
 ……まったく、トシをとると、しまりがなくなってしまって困るわい。

 結局わしらはその晩はサランの宿屋に宿泊した。
 ――そして翌日。

 昨晩、クリフトに指圧だのマッサージだのと施術され、今朝は昨日とは見違えるほど足腰が軽かった。まぁ、まだ多少は張りが残った感じではあるがのう。
 そうじゃ、実は、わしゃあこの町で姫様に会わせたい人がおったのじゃよ。朝食後、わしは姫様とクリフトをその人の元へ案内した。その人の家は町の東の外れ、教会の入った建物を抜けた先にある、あまり人通りのない場所にあるのじゃ。
「師匠! ご無沙汰しておりますのう」
「ん? お? もしかしてブライか。ふしゃしゃ、はひゃ? い、入れ歯が……ふがふが……よし、と。暫く見んうちに随分とハゲあがってしもうたのう」
 そう、この方はわしの師匠なのじゃ。わしが初めてサントハイムの城仕えになったときに色々と面倒をみてくださったのがこの方なのじゃ。
 師匠は現在の国王陛下の教育係をされておった。わしはアリーナ様の教育係じゃからのう、つまりわしの「教育係の師匠」というわけじゃ。
 しかし、会うなり入れ歯を飛ばした挙句「ハゲあがってしもうたのう」とは随分な挨拶ではあるがな。
「おやおや、こちらのお嬢さんは懐かしい顔に似ておるのう……もしかしたら、アリーナ姫様でいらっしゃるかな?」
「はい……アリーナです」
 姫様はちょいと緊張した様子じゃった。
「やっぱりそうじゃったか、さすがは親子じゃのう、幼き日の王様とどことなく似ておる。……ん? あ、そういえば」
 姫様の顔を見ていた師匠は、何かを思い出したようじゃった。
「あれは王様がまだ子供の頃じゃ。夜中にひどくうなされてのう……起きたと思ったら、わしにこうせがむんじゃよ『ボクの娘が困っているから立て札を立てておくれよ!』ってな」
「えっ?!」
 姫様が驚きの声をあげた。いや、わしだって驚きじゃわい!幼子が自分の娘が困っているなどと話したというのじゃからのう。
「まあ、どこに立てたのか、なんて書いたのかまでは、覚えてませんがのう……」
 そういえば、確か教会の裏あたりに立て札があったような気がしたのう……あの立て札のことかのう。とにかく、わしらはその立て札を確認すべく、師匠の家を後にしたのじゃった。

「教会の裏ね?」
「確かそうだと思いましたのじゃが」
 師匠の家を出ると、姫様は急いで教会の裏の方へと走って行かれた。ううむ、いくら腰が楽になったとはいえ、走るのはちとツラいのう。じゃが、わしもその立て札には興味津々じゃし、頑張ってゆっくりめに走った。

 わしが着く頃には、すでに姫様は立て札の前に立っておられた。



   みらいのボクの娘へ――

   お空のずっとうえには
   天空のお城があって
   りゅうのカミさまが住んでるんだって
   りゅうのカミさまはとてもつよくて
   大むかし じごくのていおうを
   やみにふうじこめたくらいなんだ
   天空のお城のことは
   北の海のスタンシアラのひとびとが
   くわしいとおもうよ



 立て札にはそう書かれたおった。
 なんともおとぎ話のような内容じゃが、一体これは何を意味しておるのだろうか?
 姫様は立て札の前に立ったまま微動だにしなかった。わしとクリフトは、そんな姫様の後ろ姿をじっと見ておった。
 不意に、東の方から風が吹いた。
 姫様の顔の高さにまでたなびいた紺青の外套の影から、透き通った、何やら小さな宝石のようなものがひと粒ふた粒、陽光を受けてキラキラと輝きながら風に流れ、そしてはかなく消えたのじゃった。
「ひ……」
 姫様に近づこうとするクリフトを、わしは無言のまま制止した。クリフトもすぐに悟ったようじゃ、スッともとの位置に戻った。
「姫様、わしらはちいと防具屋で薬草を仕入れて来ますゆえ、後ほど防具屋の前まで来ていただけますかな?」
「……うん。……ありがと」
 姫様は小さな声でそうおっしゃったのじゃった。
 城の皆が消えてしまってから、今の今まで、ずっとずっと気を張っていらしたのだ、こんなときぐらいは……のう。


 わしらが防具屋での買い物を終えて暫くすると、姫様が戻ってきた。その表情は実にすがすがしいものじゃった。
「クリフト! ブライ! スタンシアラへ行きましょう。そして、天空のお城へ行きましょう!」
「え? 天空のお城……ですか? 確かに王様の立て札に天空のお城のことが書かれていましたが、でも、一体どうやって行くのでしょうか?」
「だから、その手がかりを得るためにまずスタンシアラへ行くんじゃない! お父様が、困っているわたしのために残してくれたメッセージなのよ……だったら、わたしたちはきっと、その天空のお城へ行くべきなのよ!」
「そうですな。姫様のおっしゃるとおりじゃ。きっと、天空の城に行けば、何かが分かるはずじゃ。ただ闇雲に世界を巡るよりは余程良いはず」
「よし! 決まりね! じゃあ早速行きましょう、スタンシアラの国へ!」

 幼き日の国王陛下が姫様に託したメッセージを頼りに、わしらは北に位置する水の都・スタンシアラの国へと向かったのじゃった。

   ◆◆◆

 この後しばらくは城や町の人々の話に耳を傾けつつ、ストーリー順に追っていこう。
 まずはスタンシアラへ。スタンシアラでは城の学者から「天空の武器・防具を揃えると天空の城へ行ける。ただし、スタンシアラ王家に伝わったのは兜だけだった」という話を聞く。スタンシアラ王を笑わせることができたら、どんな褒美も思いのままだということで、モンバーバラから芸人パノンをスカウトして天空の兜を入手。
 スタンシアラ城内にいる詩人から「昔バトランドに天空の盾があったらしい」という情報を手に入れたのでバトランドへ向かう。
 地理的にバトランドより先にイムルに立ち寄ることになるであろう。イムルの住民の間で話題の宿屋で見られる夢というのを見て、翌日バトランドへ。
 バトランド王からは「確かに昔天空の盾があったが、祖父の代のときに東にある女性だけの国・ガーデンブルグの女王に盾を献上してしまった」と聞く。大臣からは「ガーデンブルグに通じる洞窟が火山の噴火で塞がれたけれど、マグマの杖があれば通れるようになるかもしれない」という情報。
 また、城内の男性からは「売りに出された黄金の腕輪が魔物たちに奪われたらしい」という気になる情報ももらえる。ライアンに惚れているらしい女性がいることも分かった。棺でごめんね。

 なるほど、スタンシアラ〜バトランドでこれだけの情報があったのか。何度もやっていると人の話もロクに聞かなくなるので、これは良い機会だった。

   ◆◆◆

 スタンシアラ城で天空の兜を手に入れたわしらは、天空の盾を求めてバトランドへやって来たのじゃった。ところが、この城にはすでに天空の盾はないらしい。どうやら現在は東のガーデンブルグの国にあるようなのじゃが……。

「姫様、一度サントハイムに戻りましょう」
「え? なんで今になって?」
 わしの提案に姫様は驚かれておった。
「今思い出したのじゃが、城の宝物庫に……マグマの杖がありますのじゃ」
「え? そうだったの?」
 姫は大きな眼をまん丸にさせてさらに驚いた。
 実はわしゃあのう、城仕えになって間もない頃、宝物庫の管理を任された時期があってな。それであの中にマグマの杖があることも知っておったというわけじゃ。
「しかしまた、良い具合にお城にマグマの杖などあったものですね」
 クリフトも驚いておったが、まぁ、100パーセントの偶然とは言いがたいかもしれんがのう。
 知ってのとおり、サントハイムは魔法の盛んな国じゃ。それゆえ、杖に魔法の力を宿す技術にも長けておるのじゃ。灼熱の力を宿したマグマの杖も、その技術の産物じゃな。他にも相手の魔法を封じる力を宿した杖や、振るった者の姿を変える力を宿した杖などを生み出したりもしたそうじゃ。それらの杖は現在は城にはないようじゃがのう。
 カジノの景品になっておる微笑みの杖や、店で見かける理力の杖などもそうじゃ。微笑みの杖や理力の杖あたりは、秘密にすべき高等な技術などは使ってないからのう、その技術を売って国益にしたりすることもあるのじゃよ。

 わしらはルーラでサントハイム城へ戻り、宝物庫へ向かった。
「庫内にはバリアが張ってありますゆえ、気をつけて歩きなされよ」
「さすがに厳重ですね」
 宝物庫の中には玉石混交、様々なものが入っておるのじゃが、本当に大切なものは宝箱に入れられておる。宝物庫の中には3つの宝箱があった。はて、わしが管理をしとった頃は宝箱は2つしかなかったはずじゃが、1つ増えておるのう。
 現状、ここに保管しておくよりわしらが持っておった方が安心じゃろうと思い、わしは全部の宝箱を開けた。
「へえ、これがマグマの杖なんだ」
 杖を手に取った姫様は興味深く杖を眺めておった。
「姫様、むやみに振り回してはなりませぬぞ。灼熱の炎が飛び散って危険ですからな」
「……結構怖い杖なのね」
「伊達に『マグマ』は名乗ってませんわな」
 はてさて、このわしの知らない箱の中身は何かのう。……ん?
「これは……なんじゃ? 笛かのう?」
 そう、箱の中には笛みたいなものが入っておった。
「え? 笛が入っていたの?」
「なにか、木の枝が絡まりあったような、不思議な形の笛ですね」
 うーむ、一体なんの笛じゃろうか?
「ねえねえ、クリフト! ちょっと吹いてみてよ!」
「え? わたくしが、ですか?」
「クリフト楽器の演奏得意じゃない! ねえ、おねがい!」
 姫様はもはやマグマの杖よりも、こちらの笛の方に興味がいっているようじゃ。しかしあれじゃな、こういうお姿を見ていると姫様もまだ10代半ばの少女なのじゃなと思うわい。
「あの、ブライ様。この笛、吹くと恐ろしい化け物を召喚するとか、そういうたぐいの笛ではないですよね?」
 ……わしにそう聞かれても困るのじゃが。
「もし化け物が出てきても、わたしが倒すから大丈夫よ!」
 これはこれは、相変わらず怖いもの知らずな発言じゃのう。
「……そ、そうですね。わかりました。では、僭越ながら演奏させていただきます」
 クリフトはゴクリと唾を飲み込んでから、笛の歌口に唇をあてがった。
 どこか寂しく、儚げな音色が宝物庫内に響き渡った。……こ、この音色は?!
「ねえ……これって」
 姫様も気づかれたようじゃった。
 そう、先日訪れたイムルの村の宿屋で見た夢に出てきた、あの音色とまったく同じだったのじゃ。
「なんで、あの夢に出てきたのと同じ音色の笛が、お城の宝物庫なんかにあるの?」
「魔物たちが占拠していた頃に、ここに隠しておいたのでしょうか?」
 たしかに、その可能性もなくはない。
 じゃが、大切に匿っているおなごに逢いに行くための笛じゃぞ? そもそもスペアなど作るものじゃろうか? わしなら作らぬな。万一人手に渡って悪用されたらたまらぬからのう。
 と、なると、他に考えられるのは、陛下がかつてこのことに関する予知夢をみて、そして、誰かしらに同じ音色の出る笛を作らせて宝物庫に保管した……ということじゃ。この笛がいつか必要になるかもしれないと、思われたのかもしれん。
 ご自身が幼かった頃に、まだ影も形もなかった愛娘のために立て札を立てさせたほどの御方じゃ。あり得ない話でもあるまい。
 まったく、陛下の予知能力はいったいどこまで凄いのじゃ……これでは魔物どもに狙われるのも無理ないわい。このことに、わしがもっと早くに気づいておれば、あるいはこんな事態にはならなかったかもしれないのに。
「ブライ、どうしたの? 黙りこんじゃって」
 顔を覗き込んできた姫様に気づいて、わしはハッとした。
「フォッフォッフォ、これは失礼しました。なんでもありませんぞ。とりあえずその笛は、マグマの杖と一緒に持って行きましょうぞ」
「そうだね! 夢に出てきた建物が見つかったら吹いてみれば良いのだしね」
「さて、それではガーデンブルグの国に行くとしましょうかの」
「うん! 行こう」
「はい」

 わしらはルーラでバトランドへ戻り、城の北を流れる川を上ってガーデンブルグへ向かうことにしたのじゃった。


「ところで姫様。姫様は眠っているときによく夢はご覧になりますかな?」
「夢? ……うーん、ときどき見るかな。いくさの夢とか」
「……」
 まぁ、予知能力などない方が、あるいは幸せなのかもしれないのう。

   ◆◆◆

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