DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2014年12月28日
「ミネアさん、明日俺と一緒に出かけないか?」
 突然の誘いに、ミネアは唖然として言葉を失った。
「あなたは店を始めてからまだ一度も休んでいない。しかも、朝は教会でも仕事をしている。それではそのうち身体を壊すといけない。たまには休んだ方が良い」
 スコットは笑顔で語った。
「でも、休みをこの街の中で過ごしたら、あなたの身体はあまり休まらない。だからもう少し静かなところへ一緒に行きませんか?」
 エンドール城の東には大きな川が流れており、河川敷が遊歩道になっていた。遊歩道は人通りが多くも少なくもなく、緑豊かでボンモール地方へと繋がっている。
「ちょうど5日ごとの契約は今日までです。更新は明後日にして、明日1日はお互い仕事を忘れてゆったりと過ごすのも悪くないと思うが」
 ミネアはちょっと考えて、笑顔で頷いた。
「そういう場所なら、心も体もゆっくりと休まりそうです。スコットさんにとっても久々の休みになるのに……気遣ってくださってありがとうございます」
「あなたのお役に立てるのなら、俺にとってもよい休日になるであろう」
 それは「ミネアの用心棒」としての思いと、ビジネスを度外視したスコットの思いだった。ミネアは顔をほのかに赤らめ、ぎこちなく笑みを浮かべた。

 そんなとき、露店の入口前で誰かがうろうろしていることに気が付いた。露店はテントのようになっていて、入口の幕の下半分が左右に開かれた状態なので、その人物の下半身のみが見えていた。ところどころ泥のついたブーツから伸びる脚の線を見るに、人物は女であるようだった。スコットとミネアがゆっくりと外に出てみると、その人物はもじもじしながら2人を見た。まだ少女であるように見える。比較的新しいなめし革の鎧と、ちょっとくたびれた革の帽子、腰には使い古された銅の剣を下げていた。どうも冒険者のようである。緑色の豊かな巻き毛は帽子から溢れるかのようだ。腕も脚も、その大部分は日焼けした素肌が露出していて、皮の手袋をはめた左手には羽根の付いた何かがギュッと握られている。
 明らかに冒険者の出で立ちをした1人の少女、大きな瞳に深く悲しい蒼をたたえていた。そんな少女に、ミネアは優しく語りかけた。
「占いはいかがですか? 1回10ゴールドであなたの未来を占って差し上げます」
 未来という言葉に少女は目を見開いた。しかし、占ってもらうか否か、決めかねているようだった。
「この方の占いはよく当たる、良かったらあなたも占ってもらうといい」
 スコットの言葉が背中を押したのか、少女はミネアに10ゴールドを手渡した。その様子を見届けたスコットは露店から離れ、ミネアは少女を連れて店へと入った。

 それから暫く経ったとき、露店からミネアの驚くような声が聞こえてきた。今までにミネアが仕事中にそんな声を上げたことはなかった。一体何が起きたのか、あの少女は一体何者だったのか。スコットににわかに緊張が走った。いざというときに、すぐに剣を抜けるように準備を整え、静かに露店に近づく。すると、ミネアが店から飛び出し、大急ぎで教会へ入っていった。一瞬の出来事であったが、見た限りケガなどはないようであった。スコットは剣の柄に手を当てつつ、露店を覗いた。中では少女が呆然と立っていた。
「一体何があった」
 スコットは鋭く少女に問うた。少女は首を横に振りながら答えた。
「占い師さんが、わたしの顔と水晶球を見るなり驚いて……教会の神父さんに事情を説明しないといけないからここでちょっと待っててと言われたの」
 ミネアは彼女に一体何を見たのだろうか。
「ほかに何か言われなかったのか?」
「わたしの背後に、いくつもの小さな光があって、その光がどう……とか言っていたみたい。でもわたしには意味がよく分からなくて」
 スコットと少女が会話をしているうちにミネアは小走りで戻ってきた。
「ああスコットさん、ごめんなさい。せっかく休みのお誘いをいただいたのに、私は、旅立たなくてはいけなくなりました」
 ミネアは申し訳なさそうにスコットに告げた。あまりに突然のことに、スコットは事態を飲み込むことが出来なかった。
「私はずっと、人を捜すためにこの地で占いの店を出していました。それが、こちらの方なのです」
 ミネアとマーニャが誰かを捜していたという話はスコットも知っていた。でも誰を捜しているのかまでは聞いていなかった。それが、こんな幼い少女だったとは、想像もしていなかった。
「あなたには、事前にしっかりとお話しておくべきでした。私たち姉妹は、父の敵討ちのために故郷を離れ旅をしていました。一度は仇を追い詰めたのですが、討ち果たすこと叶わず、故郷を逃れてこのエンドールへやってきたのです。父の仇の背後には得体の知れない巨悪がついていて、私たちだけでは到底太刀打ちできない。でも同時に、そんな巨悪を打ち破る者もまた存在するのです。だから私たちは、ずっとその方……さだめの勇者様を捜していました」
「その勇者というのが、彼女だというのか」
 ミネアは力強く頷いた。少女は2人のやりとりをきょとんとした表情で見ていた。
「勇者様に導かれる者は、私たち以外にもまだ複数います。だから私たちは彼らを探さないといけません。スコットさん、短い間でしたが、本当にありがとうございました。あなたのおかげで、安心して仕事に専念することが出来ました。私に色々と気を使ってくださって、とても嬉しかった。唐突に、こんな形でお別れすることになってしまい、なんとお詫びすれば良いか……」
「……そんなこと、気にしてはダメだ」
 心の準備など出来ているわけでもなく、様々な思いが去来していたスコットだったが、ここでミネアの足止めをするようなことは絶対に出来ない。スコットはそう割り切るしかなかった。
「探していた人が見つかったんだ、良かったではないか! さあ、早くお姉さんのもとへ行きなさい。露店のテントは俺が片付けておこう」
「え……でも、契約書の3ページに依頼主の持ち物には一切関与しない……って」
 困惑気味のミネアを見て、スコットは思わず笑ってしまった。
「あの文面を全部読んだのか? そんなクライアントは多分あなたが初めてだ。以前すこぶる頭の切れる、したたかな商人の用心棒をしたことがあったが、彼でさえそこまで読んではいなかったな。
 とにかく、今はそれどころではない。そんなこと気にすることはない。早く行きなさい。多分マーニャさんは今日もカジノのステージでしょう。勇者殿、ミネアさんはカジノが苦手です。しっかり守ってあげてください」
 少女はにっこりと笑って頷いた。大きな瞳から悲しみの色が薄らいでいる様子にミネアも表情を和らげた。そしてミネアはスコットに向かって深々と頭を下げ勇者とともにカジノへ向かって歩き始めたが、10歩くらい進んだ後、勇者をその場へ待たせて、スコットのもとへ戻ってきた。
「スコットさん、もし、私がやるべきことを成し遂げ、無事生きて戻ることが出来たなら、そのときに……川辺の散歩に連れて行ってくれますか?」
 ミネアの言葉に、スコットは一瞬呆然としたが、すぐに笑顔を見せ、力強く頷いた。
「ああ、勿論だ。約束する。だからミネアさんも、絶対無事に戻ってきてください」
「分かりました。私もお約束します」
 ミネアはそう言うと、スコットの前に小指を立てた右手を差し出した。しかし、その意味をスコットは分かりかねた。
「やはりエンドールの方にも馴染みはないのですね。前に、ソレッタから来たというお客さんから聞いたことがあるのですが、『指きり』という、互いの小指を絡めあって約束を誓う儀式みたいなものがあるそうなのです。私は必ず、生きて帰ってくると約束します」
 その意味を知ったスコットも、右手を差し出し、ミネアの小指に自分の小指を絡めた。
「あなたが命を賭して戦っている間、俺も自分の仕事を全うして、あなたを迎えられるように約束する」
 その儀式はただ小指と小指が触れ合うだけのものだった。しかしスコットはその儀式を通じて、もっと深くミネアと触れ合っているように感じられたのであった。
「俺はこれからずっと、教会での礼拝のたびに、あなたの旅の無事を祈ることにしよう」

 2人は絡めた指をほどき、お互いに笑顔を見せ、それぞれの道へと歩き出した。

   ◇◇◇

 スコットがテントをばらし終えた頃、彼のもとにロレンスがやって来た。
「2人とも、行っちゃいましたね」
「そうだな」
「お互い、明日からまた職探しですね」
「そうだな……。ところでお前、マーニャさんにちゃんと別れの挨拶はしたのか」
「やだなぁ、そんなの当然じゃないですか。まさかスコットはし損なったとか?」
「バーカ、そんなわけないだろう」
 スコットはロレンスに背を向けて、ばらしたテントを畳みはじめた。
「スコット、背中が泣いてますよ。よほどショックだったんですねぇ」
「そりゃ、失業すれば誰だってショックだろうよ」
「そういう意味ですか。僕はてっきりデートに誘って玉砕……とかだと思いましたよ」
「彼女はただのクライアントだ。お前、くだらないことを言っているヒマがあったら手伝えよ」
 ムッとした声のスコットにロレンスはニヤッと笑みを漏らしながらテントの片づけを手伝った。
「ロレンスはマーニャさんと再会の約束とかしたのか?」
「ええ、ぜひまた一緒に仕事したいって言ってくれました。無事戻ったらモンバーバラ劇場の座長さんに話をつけてくれるって。僕も将来はモンバーバラに移住かなぁ」
 ロレンスは満更でもないような表情をしていた。
「指きりはしたか?」
「は? ゆびきり? 何ですかそれは」
「……いや、分からなきゃいいよ」
「なんですかそれ、気になるなぁ」
 あれは、ロレンスたちも知らない自分と彼女の儀式、そう思うと自然に顔がほころんだ。ミネアに指きりを教えたソレッタの人間に感謝すらしたくなる思いだった。
「で、スコットはミネアさんと何か約束したんですか?」
「それは言えないな」
「えー!? 人から聞きだしておいて、それはひどい」
「俺が思うに、聞かれたままにペラペラ喋るお前が悪い」
 煌びやかな夜の繁華街で男2人、屈託なく笑った。
「ロレンス、久々に一杯やるか。俺はこいつを片付けてから行く。お前は先に行っててくれ」
 ロレンスは頷き、酒場へと歩き出した。
 そしてスコットもまた、テントの束を肩に担ぎ、城下町の雑踏の中へと消えていったのだった。

 −おわり−


   ◆◆◆

 というわけで、4.5章終了です。最後までお付き合いくださりありがとうございました。
 4章終了から5章での勇者と姉妹の合流まで、(プレー時間的に)ほんの少しの間ですが、その間エンドールで起こったかもしれないエピソードを勝手に想像してみました。エンドールへやって来たモンバーバラ姉妹と、トルネコを見送りエンドールへとどまった用心棒2人にこんな接点があったら面白いかな……と思いつつ。ミネアとスコットに関してはゲーム内でも明らかに接点があるので、そこから想像を膨らませてみました。書いていて楽しかったです。また機会があれば何かSSを書いてみたいです。

 目標は年内プレー記終了でしたが、全然達成できてません(´・ω・`) ゲームもまだ船を取ったところまでしか進んでいません。来年はDQ4発売25周年記念でもあるので頑張って進ませたいとは思っています(´д`;) とりあえず25周年のうちに「25周年記念プレー記」が出来るようにしたいです(笑)

 それでは今年も1年お付き合いくださりありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
 良い新年をお迎えください。

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この記事へのコメント
おもしろかったです!
ミネアとスコットの指きりのくだりが、素敵な話でした。
不器用でもあり硬派でもあるスコットの、
淡く切ない気持が伝わって来るようです。
読者としても、
スコットと同じ気持ちになりますね。
(スコットの心情は描写されていないので、読者として想像するに、ですが)
描写がないのが、
また想像を掻き立てられて、感情が移入しやすいところでもありますね。


用心棒としての契約書に、持ち物には関与しないという規則があったのか!
それで、すこぶる頭の頭の切れるしたたかな商人の鉄の鎧とかも持たなかったんですね!
それでも、最後には、
鋼の剣をもらったり、テントを片づけたり、と、
規則を超えた友情のようなものに、
今さらながらじーんと来るものがあります。

てっきり、勇者は「のうきん」だと思っていたので、
女勇者だったのか!と、裏をかかれました(笑)。
「羽根のついた何か」が帽子であることがわからないほどギュッと強く握られていたのが、
少女勇者の、そのときの心情を表しているんですね。

行間を読むのが楽しいお話でした。
スコットが好きになる話ですね(^^)
Posted by かえさる at 2014年12月29日 11:42
4.5章、最後までお付き合いくださりありがとうございました!
楽しんでいただけて幸いです♪(´∀`)

おそらくマイナーも良いところであろうスコットメインの話を書くことが出来て
大変満足でした(*´д`*)
冒険が終わって2人は川辺の散歩へ行ったのかは
心の中で色々想像したいと思います(笑)
公式ガイドブックのイラストなどを見るとスコットは立派なヒゲオヤジですが、
もう少し若い感じで書いてみました。
ヒゲは生やしていたとしても無精ヒゲ程度で。

そうなんです!今回は女勇者なんです。
第2回を除いてずーっと男勇者だったので(棺桶率は高いですが^^;)
久々に女性の勇者でいきます!
名前は次回発表です(笑)

お正月の間にゲームの方を進めなくては!
Posted by タギー at 2014年12月29日 21:07
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