DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2014年12月05日
 マーニャとロレンスによるステージの評判は瞬く間に街中に広がった。カジノに舞い降りた女神の踊りを一目見ようとカジノは連日の人だかり、普段遊技に興味を示さない者までもがカジノを訪れるようになったのだ。
 ステージにはたくさんの歓声と、そしてゴールドが煌びやかに乱舞した。それはまさに、マーニャたちの思い描いていた展開であった。
「ヤッホゥ! これなら好きなだけスロットを回せるわ!」
「マーニャ、ほどほどにしないとダメですよ」
「あははっ、分かってるって」

 そんなマーニャたちの噂は、もちろんスコットの耳にも入っていた。但し、彼女達がステージに立つ時間帯はちょうど仕事の時間帯と重なるため、自分の目で確かめたことはなかった。ミネアの占いの店も今や当たると評判、大盛況なのだ。
 スコットの耳に入っている、当然ミネアの耳にも入っているであろう。ところが、ミネアはそのことに一切触れることはなかった。ただ、何故かその表情が曇りがちであることはスコットの目にも明らかだった。
 何かあったのかと尋ねるも、ミネアは作ったような笑顔で首を横に振るだけだった。しかし察しがついているスコットはすぐには引き下がらなかった。
「あなたはいつも夜遅くまで働き、朝も早くから教会で働いている。身体に障っているのではないか?」
「いいえ、それは違います。こういうのは慣れていますから……」
 スコットの問いかけに否定しつつも、ミネアは一つ息をつく。
「実は……私には姉がいるのですが、最近全然教会へ戻ってこないのです」
 その口から初めて姉という言葉が出てきたのだ。
「お姉さんというのは、もしかしてカジノの……」
 ミネアは黙って頷いた。
「この時間ならまだステージをやっているはずだ。それならば今日はこの辺で切り上げて、様子を見に行ってみてはどうか?」
 スコットが助言するが、ミネアは無言でうつむいていた。暫くの間沈黙が続き、ようやく、ミネアは重い口を開いた。
「私、カジノに行くのが怖いのです」
 消え入るようなミネアの言葉にスコットは眉をひそめた。がたいの良いゴロツキたちに怯むことなく対応する度胸がありながら、カジノが怖い?
「その、怖いというか、人の多いところが凄く苦手で……」
「こんな繁華街で店を出しているのに、人が多いところが苦手なのか?」
「仕事中は集中しているので良いのです。でもそうでないときは息が詰まりそうで……だからむしろ長い時間働いていた方が気が楽なのです」
 ミネアはため息をついた。
 出会ってから今日まで、何事もソツなくこなし、それが却って堅苦しいとすら思わせていたミネアにもそんな一面があるのかと、スコットは思わず心の中でフッと笑った。
「ならば俺が一緒に行けば良いことだ。俺は今、あなたの用心棒なのだから。あなたが一人では心許なければ、その不安を解消するのが俺の仕事。もちろん、行く行かないを決めるのはあなただが」
 そう伝えた途端、ミネアの表情がぱぁっと明るくなった。
「良いのですか?」
「ああ、もちろん」
 スコットは笑顔で頷いた。

   ◇◇◇

 カジノの奥の方には人だかりが出来ていた。スコットは過去に何度かカジノに足を運んだことがあったが、こんなにも人でごった返している光景は初めてであった。
 といっても、各遊技施設はそれほど混雑しているわけではない。混雑しているのは言うまでもなく特設ステージ近辺であった。カジノの常連客から普段カジノに縁がない者までがステージの見える場所に群がり、カジノの入口からはステージの様子が見えない程の人の壁である。その人壁の上がやけにきらきらと輝いている。特別な照明かとも思えたが、光のもとは宙を舞うゴールドやカジノのコインだった。
「凄まじい盛況ぶりだな……」
 スコットは唖然としつつ呟いた。隣りのミネアは口を固く結んで無言だった。どことなく緊張の色も見える。
 大丈夫かと声をかけられ、ようやくぎこちなく表情を崩すほどだった。
 ステージに向かって歩いていくと、歓声に混じって竪琴の音色が耳に入ってきた。
「あれはロレンスの竪琴か。面白い縁だな。あなたのお姉さんと組んでいるのは俺の商売仲間のようだ。まあ、俺は専業、あいつは兼業で、今やってるアレが本職みたいなものだが」
 いくらステージに近づいても、人だらけで肝心のステージ上の人物を見ることは出来ない。
「さすがに割り込むのはマズいかな」
 ミネアも頷いた次の瞬間、ステージから声が上がった。
「みなさーん! 今夜も来てくれてありがとね。今日もあっという間に最後の一曲になりました。いつものアレ、いくわよ!」
 それはマーニャの声であった。そして、その声に覆いかぶさるような大歓声。
「待ってました! 勝利の踊りだー!」
「こいつを見れば、今夜は大勝利間違いねぇ!」

 ――あぁ、きっとそうやって、毎日毎日根拠のない縁起を担いで、大金をみんなカジノで消してしまうのね。
 ミネアは深く溜息をついた。

「どうやら次でステージも終わるようですから、終わってから姉のもとへ行ってみます」
「それが良さそうだ」
 2人は熱狂渦巻くステージ一帯から少し離れた場所に立ち、終了を待つことにした。

 ステージが終わると観客はあっという間に散り散りになった。ロレンスとマーニャが楽屋へ入っていくのを確認し、ミネアたちも楽屋へと向かう。ドアをノックすると中からロレンスと思われる男の声が聞こえてきた。
「すみませんね、関係者以外立ち入り禁止なんです」
「俺だよ、スコットだよ」
 スコットが答えると、すぐにドアが開いた。久々に会った友を笑顔で迎え、斜め後ろの女性に驚きの表情を見せた。
「もしかして、マーニャの妹さん? うわ、やっぱ似てるなぁ」
 そんなロレンスの声が聞こえてか奥にいたマーニャもすぐにやって来て、久々に会った妹におどけた表情を見せた。
「これは驚きだわ。まさかあんたがカジノに来るなんて」
 相変わらずあっけらかんとしているマーニャに、ミネアは眉根を寄せつつ詰め寄った。
「驚きだわ、じゃないわよ! 一体どういうつもりなの、全然教会にも戻ってこないで」
「教会はあたしには居心地が悪い。今は自分で稼いで、宿屋に泊まってるの。でもさ、あんたを見て、あたしゃ安心したよ」
 マーニャの物言いにミネアはさらに眉をひそめた。
「あたしのいない間に、あんたもそうやってしっかりと男をつくったんだからね。正直ホッとしたわ」
 マーニャはニヤリと笑った。
「お、男をつくったって……違う、彼は、スコットさんは私の店で用心棒をしてくださっている方なのよ。そんなこと言ったらスコットさんに迷惑でしょ!」
 スコットには斜め前にいるミネアの表情はよく見えなかったが、流れるような髪からちらりと覗かせる耳が真っ赤だったことに気付いた。普段の冷静沈着な振る舞いとはまるで違っていた。
「えー? なんだ、ただの用心棒なの? つまんないのー。……まあ、確かにちょっとトシが離れすぎかなとは思ったんだけどさ。
 でもね、言っとくけど、あたしは別に金稼ぎのためだけにこのステージをやってるわけじゃない。人が集まってくれた方が捜している奴の手がかりを見つけやすいだろう?」
 マーニャが真顔になってそう言った途端、ガチガチに強張っていたミネアの肩の力が抜けた。
「え? そうだったの?! ……で、見つかった?」
「いんや、今んとこ見つかってない」
「……真面目に探してるのよね?」
 ミネアは半信半疑といった表情でじっとマーニャを見ていた。
「疑り深い子だねぇ。あんたよりちょっと若い子でしょ? ココの客層とは結構ズレてるから見ればすぐ分かるわよ。でも今のところそういう子は見てないわ」
「マーニャ、踊りながらお客さんの把握までしていたのかい? すごいなぁ」
「あったりまえでしょ! あたしゃプロなんだから」
 どんなに楽しそうに、情熱的に踊っても、心の中にはちゃんと冷静な部分を持つ。それがプロの踊り子……マーニャが常々口にしていたことを思い出した。姉の踊り子としての誇りをミネアは即座に感じ取った。
「ごめん……分かった。とりあえず元気そうだし安心したわ。でも、たまには教会にも顔を出してよ。姉さんにとって教会の居心地が悪い以上に、私にとってはこの場所がたまらなく苦手なんだから」
「分かったよ、たまには行くから。だからあんたは無理してココに来なくていいわよ」
 マーニャはミネアの肩をぽんぽんと叩いて、いつになく優しい笑顔を浮かべた。ミネアも照れくさそうにはにかんだ。
 そうして姉妹は別れた。男2人も軽く挨拶を交わし、スコットはミネアとともに楽屋を去った。
「マーニャが踊るのは人を捜すためでもあったんだ。初耳だったなぁ」
「そうよ。でも九割方はお金稼ぎ目的だけどね。コレはミネアには黙っててよ」
 ロレンスは苦笑いした。

   ◇◇◇

 ミネアたちはカジノを出た。カジノの上の階は宿屋のロビーと酒場があり、やはり多くの人で賑わっている。
「スコットさん、どうもありがとうございました。お店の用心棒というお約束なのに、カジノにまで……ご迷惑をおかけしてごめんなさい」
「そんなの気にすることないですよ。俺は全然迷惑じゃない。ついでに、あなた方がさっき言っていたことも、全然、迷惑じゃない。むしろ光栄なくらいだ」
 スコットは屈託なく笑った。ミネアは思わず顔を赤くして、スコットを見た。
「……ごめんなさい。姉は私のことをからかってばかりなので」
「お姉さんにとって、あなたはとても可愛い妹なのでしょう。俺に妹はいないが、もしあなたのような妹がいたらと考えれば、お姉さんの気持ちはよく分かる」
 いたずらっぽく笑ってそう話すと、ミネアはさらに顔を赤くした。
「スコットさんは、意外とお上手なんですね……」
「そんなことはないさ。……さて、もう夜も遅いし、教会まで送っていきましょう」
 ミネアははにかみながら頷いた。
 こうして2人は星空のもと、教会へと歩いていった。

 −つづく−

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この記事へのコメント
なるほど!マーニャは踊りながら人探しをしていたのか!
と、得心しました。
確かに納得です。(9割方はそうじゃないようですが)
探している人物が、はじめわからなくて、
「バルザックよ。仇のバルザック!」
と言うのかと思ってしまいましたが、
勇者を探してるんでしたね。


スコットとミネアが、不思議にイイ感じで、
まさかの歳の差カップル!?
などと思ってしまいました。
最終的には、ミネアのはぐれメタルの剣さばきが、スコットの腕前を超えるのだろうと思いながら(笑)。
Posted by かえさる at 2014年12月06日 11:19
思わず5章のメタボバルザックがのっしのっしとカジノに入っていく姿を想像してしまいました(笑)
そしてモンスター格闘場にスカウトされる姿も(´д`;)

世間的にはミネアはオーリンとのカップリングが多いような感じも受けますが、私は天邪鬼なので(?)スコットとかいいんじゃないかなと思ったりしています。5章でちょっとだけ接点もありますし(リメイク版ではカモ扱いされてますが)

といっても、私自身カップリングにはそれほどこだわりがないんですけどね。
Posted by タギー at 2014年12月06日 20:13
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