DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2014年11月30日
「ようよう、お嬢さん。俺たちに無断でここで商売を始めようってのかい? そいつぁいただけねえなぁ。だったらちゃんとショバ代を払ってもらわねえとな」
「……ショバ代?」

 これは、ロレンスとマーニャが組むようになる少し前の話。
 ボンモール王子・リックとエンドール王女・モニカの結婚式も始まり、エンドールの城下町は連日多くの人々で賑わい、普段以上に活気付いていた。そんな城下町の一角、西部に位置する教会の脇で、日に焼けた赤茶の髪を短く刈った頑強な男数人、紫の髪を腰まで伸ばした華奢な女一人、ただならぬ空気が流れていた。
「私は無断で商売を始めるわけではありません。お城の方にはちゃんとお話をして、出店許可を得ています。そしてここは教会の敷地の一部。つまり国で管理している土地で、国に賃借料を支払った上での出店です。教会は勿論、周辺の店舗への挨拶も済ませています。なのにそれ以上、誰の承諾が必要だというのですか?」
 脅しを利かせて言い寄る男たちに怯むことなく、女は至極冷静にそう答えた。整った顔を少しも崩すことなく、切れ長の目に冷たく光る瞳を宿す。脅しに屈しないその態度は男たちをますますいきり立たせる。
「人が大人しく接していればお高くとまりやがって。どうやら少々痛い目に遭わないと分かってもらえねえみたいだな。いっとくが、女だからって容赦はしねえぜ」
 男たちはニタニタと笑い、乱杭歯をむき出しにする。胸の前で手をバキバキ鳴らし始めたが、女はなおも顔色1つ変えることなく男たちを見ていた。

 ――まったく、この手の輩はどこにでもいるのね。この程度の相手ならモーニングスターひと振りで追い払えそうだけど、ここへやって来て早々騒動を起こすわけにもいかないわ。半ば故郷から逃げるようにしてやって来たのだから……。
 さてどうしよう。ラリホーで眠らせて、紐で縛ってこっそりと川に流してしまおうかしら。そうすればもう、二度と言いがかりをつけてくる事もないわね。

 そんな恐ろしいことを考えながら女は長い袖に潜めた左手でこっそり印を切りはじめた。
 そのとき。
「おい貴様ら、大の男数人で女性一人を脅しにかかるとは、男の風上にもおけないな」
 青銅の鎧に身を包み、腰に一振りの剣を提げた三十路前後の頑強な男が彼らの前に現れた。
「て、てめえは……用心棒のスコット」
「こちらの女性の言うとおり、貴様らが場所代を取る道理はないはずだ。さっさと消えろ。拒むのなら俺が相手をするぞ。この真新しい鋼鉄の剣が、ちょうど血を欲しているところなのだ」
 スコットと呼ばれた男はニヤリと笑うと、剣の柄に手をかけた。
「……く、くそっ。野郎ども、今日のところは引き上げだ!」
 ボス格の男は歯軋りをし、仲間と共に走ってその場を去って行った。

「お嬢さん、大丈夫でしたか? とんだ災難でしたね」
 スコットは表情を緩め、女に声をかけた。女は礼を述べ丁寧に頭を下げた。
「奴らはここらでは有名なゴロツキどもだ。面倒事は御免だと、カネを支払う者も少なくないようだが、貴方は若い女性でありながら勇気がある」
「そんなことはありません。ただ私は、楽してお金を得ようとする行為が嫌いなのです。だからああいう奴らの言いなりにはなりたくないのです」
 女は実に生真面目な顔で答えた。
 これはまた随分とお堅そうな女だとスコットは心の中で呟いた。

「……でも、奴らはきっと、これからもしつこくやって来ますよね」
 そう口にしながら、女は考える。商売をするうえで、あんな厳つい男たちにしょっちゅう来られては明らかに迷惑。既に祖国でお尋ね者になっているであろうこの身では、下手に騒ぎも起こせない。でも場所代だけは意地でも払いたくない。お金が惜しいのではなく、あんな男たちには絶対に屈したくないから。
 殊更険しい表情を見せる女に、スコットはふと商機を見出した。
「もし不安なら、俺を雇わぬか?」
 女は怪訝な表情を浮かべた。
「申し遅れたが、俺は用心棒のスコット。洞窟探検のサポートから店の見張りまで幅広く手がけている。洞窟探検のお供だったら出張費も込みで5日400Gを頂いているが、町の中での仕事ならば5日300Gで結構。いかがかな?」
 たしかに用心棒を雇えば、自分は仕事に集中出来る。5日300G程度の支払いなら、地代を合わせても利益をそこそこ上げられるはずだから、金銭的には問題はない。でも……。
 女はスコットの顔をジッと見た。ゴロツキがやって来て、その直後にこの男がやって来た。あまりにタイミングが良すぎる。ゴロツキとこの男が、もしグルだとしたら……。
「もしかして、俺が奴らとグルだと思っているのかな?」
 女の心の中を見透かしたかのようにスコットは言った。女は表情を変えることもなく、ただ黙っていた。
「まあ、このタイミングでは疑われても無理もないが、俺は自分の仕事にプライドを持っている。俺も濡れ手で粟というのは嫌いなんだ。だから断じて奴らとは組んでいない。何なら、この命を賭けても良い」
 スコットもまた真剣な眼差しで女を見たが、女の方は目を閉じると、一つ大きく息を吐き、
「そうですね。5日300Gでは数人で山分けなんて出来ないし、何よりその瞳は嘘をついている瞳ではないですもの……。疑ったりして申し訳ございません」
 頭を深々と下げた。
「あいつらが近づかないように見張ってくださるのなら、私も自分の仕事に集中できます。それでは用心棒をお願いできますか?」
「ああ、ありがとう。お任せください。あなたの用心棒となったからには、怪しい奴は一歩たりとも近づけないと約束いたしましょう。
 ところで、お名前を教えていただいて良いかな? 貴方は俺の雇い主となる方ですからね」
 そう言われ、女はハッとする。
「大変失礼しました。私はミネアと申します。占い師をしております」
「そうか、貴方は占い師なのか。ということは、ここでは占いの店を?」
「はい」
 ミネアと名乗った女は硬かった表情をようやく緩め、にっこりと微笑んだ。


 その日の晩、スコットは宿屋1階の酒場で1人酒を飲んでいた。そんなスコットのそばに男が1人寄ってきた。長髪の優男。腕には大切そうに竪琴を抱えている。詩人のような風情の男……ロレンスだった。
「やあスコット、聞きましたよ。新しいクライアントが見つかったそうですね」
「なんだロレンス、もうかぎ付けてきたのか」
 ロレンスはスコットの隣りに腰掛け、コーミズ産の葡萄酒をオーダーした。
「まあ、城下町で店の見張りだ。それほど面白味はないがな」
「でも、仕事が入るだけ良いじゃないですか。僕なんて傭兵の仕事の方はトルネコさん以来、サッパリ」
「お前は別の稼ぎ口があるじゃないか。トルネコの旦那からたんまりと詩の仕事をもらったのだろう?」
「たんまりと言っても、限度というものが……。結婚式は続いても、僕の仕事はそこまで続きません」
「ふん、もし用心棒をやりたいならもっとちゃんと営業活動しろよ。1日宿屋の2階にいて仕事が入ってくるわけがない」
 図星を突かれ、ロレンスは思わず苦笑いを浮かべた。
「クライアントは若い女性みたいじゃないですか。いいなぁ」
「占い師だそうだ。まあ俺としては報酬さえ貰えれば雇い主が男だろうが女だろうが、若かろうが年寄りだろうが関係ないがな」
「ははは、あなたらしい、つれないセリフだ」
 ロレンスは肩をすくめながら笑い、やって来た酒に口をつけた。
「ところでスコットさん、ロレンスさん、知ってますか?」
 つまみの炒った木の実を器に盛りながら、マスターが話しかけた。
「最近地下のカジノに、それはそれは艶かしい格好をした女性が入り浸っているという話を」
 スコットもロレンスも首を横に振る。
「その艶かしい女性、マスターは見たことあるんですか?」
「いや、今日の日中行ってみたんですけど、生憎いませんでしたよ。明日また行ってみようかと思ってるんですけどね」
「へぇ、詩吟の仕事もひと段落ついたし、僕も行ってみようかな。スコットは?」
「俺は明日から早速仕事だよ。店は午後から夜半にかけての営業だそうだ。暫くここでの酒もお預けさ。お前はいいな。その気になればここだろうとカジノだろうと一日中入り浸れる」
「凄いイヤミだなぁ」
 マスターを交え、3人で大笑いした。


 翌日の昼前、スコットは約束の時間より少し早くにミネアの店を訪ねた。開店前の露店に掲げられた看板に、スコットは驚くことになる。

 料金 1回10G

 ――1回10Gだと? 安すぎるだろう。俺の報酬の分を賄うだけで最低6人。地代も払うとか言っていたから、さらに相手をしないと利益は上がらないぞ。それぐらい相手に出来るという自信があるのか? いや、腕に自信があるのなら、むしろ価格は強気に設定するはずだ。一体何を考えているんだ……。
 看板を睨みながら考え込んでいると、背後からミネアがやって来て挨拶をしてきた。スコットは普通の表情に戻し、挨拶を返した。
「ミネアさん。随分と良心的な金額設定なんですね」
「そうですか? 以前からずっとこの値段なので」
 ほう、以前もどこかで店を持っていたのか。まあ、とにかくは様子を見ればよいか。報酬を貰えないのなら契約を解除するまでの話だ。
「では俺は店の営業中、不審な輩が近づかないようにさり気なく見張っていよう」
「はい、よろしくお願い致しますね」

 こうしてミネアの店の営業が始まった。最初の頃はまばらだった客も、手頃な値段が手伝ってか、夕方を迎える頃にはそこそこの順番待ちができるようになった。スコットはときには周辺をぷらぷらと歩き、ときには木立に寄りかかりながら、店に不審な輩が近づかないか、さり気なく見張っていた。

 すっかり夜も更けた頃、ようやく初日の営業が終わった。終わってみればかれこれ20人近くの客がやって来たことになる。
 ミネアはスコットのもとへ行き、労をねぎらった。
「長時間どうもお疲れ様でした。不審な奴らは来ませんでしたか?」
「通りかかったことは通りかかったが、俺の姿を見るなり去っていったよ」
「そうでしたか。ありがとうございます。おかげで仕事に集中できて助かります」
「もう夜も遅い。差し支えなければお住まいの近くまで送ろう」
 スコットの申し出にミネアは笑顔で首を横に振った。
「実は私、今教会の方に住まわせていただいているのです」
 なるほど、だからこの店も教会の敷地で開いているのか。教会に間借りしているのなら送る必要もない――スコットはその場から立ち去ろうとしたが、
「スコットさん、遅くなりましたが夕食を召し上がっていきませんか?」
 食事は教会で用意するとのことだった。ミネアがスコットの話をしたところ、2人分用意することになったのである。食費が浮けば自由に使える金も増えることになる。スコットは厚意に甘えることにした。

 教会での遅い夕食を終えて家路につき、翌朝。
 スコットは再び教会へやって来た。ミネアに会いに来たわけではない。彼は週に1回、教会に礼拝する習慣があったからである。外ではシスターが掃除をしていたため、スコットは昨晩の礼を述べ、教会へと入っていった。中には神父とミネアの姿があった。スコットに気付いたミネアが笑顔で挨拶をしてきたので、ミネアも礼拝なのかと尋ねると、
「午前中はこちらで神父様のお手伝いをしているのです。私も多少なら治療術の心得がありますので」
「早朝は意外と体調を崩された方が多く訪れて慌しいのですよ。だから教会としては大助かりなのです」
 神父はいつもどおりの愛想の良さでそう話した。

 ――ああ、つまり前日に飲み過ぎた奴らが来るわけか……。しかし午前中、しかも今の神父の話によれば早朝から教会で働き、午後から夜遅くまで占いの店。随分長時間働くものだ。そんなに稼いでどうするつもりなのか。
 そんなことを考えながら礼拝を済ませ、外へ出た。シスターはまだ掃除をしている。スコットはシスターに近寄り、さり気なく尋ねてみた。
「ミネアさんは随分と働き者ですね」
 その言葉に、シスターはわずかに表情を曇らせた。
「彼女は……最初はエンドールで占いの仕事をするつもりはなかったようなのです。ですから、暫くはこちらで神父様のお手伝いしかされていませんでした」
 シスターはきょろきょろと辺りを見回し、小声で続けた。
「これは内緒にして欲しいのですが、ミネアさんにはお姉さんがいるのです。故郷では踊り子をされていたようなのですが、こちらにやって来てからカジノにハマってしまったみたいで……。で、カジノのためにミネアさんのお金を持ち出してしまったのです。教会から出るお礼の額はそれほど多くもないので、それで恐らく占いのお店を出さざるを得なかったのではないかと」
 スコットは唖然として返す言葉が見つからなかった。同時に、先日の酒場でのマスターの言葉を思い出す。

『ところでスコットさん、ロレンスさん、知ってますか? 最近地下のカジノに、それはそれは艶かしい格好をした女性が入り浸っているという話を』

 ――艶かしい女というのが、彼女の姉なのか?

 −つづく−

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この記事へのコメント
なるほど!
時系列的に、1話と2話は逆なんですね!
おもしろい構成ですね。

スコットの持つ武器が鋼の剣だというのが、
伏線が効いてておもしろいです。
トルネコ、いい仕事したなぁ。

それにしても、
ゴロツキをモーニングスターで叩こうとか、
ラリホーで眠らせて捨てようとか、
ミネアの発想がいつもながら怖いです(笑)。
いずれは、はぐれメタルの剣の露にされてしまうのかなぁと思って、
笑ったり震えたりです。

今後のロレンスとスコットの働き具合が気になりますね!
(そういう展開になるのですかね?そうであってもなくても楽しみです)
Posted by かえさる at 2014年11月30日 21:19
そうですね、1話と2話で時系列が逆になってます。ちょっと前に書いたものなので、
何でそうしたのかはよく覚えてないんですけど(´д`;)

確かに相変わらずミネアが怖いですね(((゚Д゚)))
狭い場所で無言でバギを唱える某王女並みですね?(笑)
でも(4.5章においては)怖いのは最初だけになる予定です。

3章のときがどちらかというとロレンスメインだったので、
こちらはスコットの方が出番が多めになるかもしれません。
Posted by タギー at 2014年12月01日 08:18
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