DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2014年11月27日
 ここは世界経済の中心地・エンドール。
 城下町はいつでも多くの人々で賑わい、活気付いている。城下町の南に構える2階建ての宿屋の地下には世界最大の遊技施設・カジノがあり、多くの者が遊技に興じ、勝負の行方に一喜一憂している。
 そんなカジノに最近、ほぼ毎日入り浸っている妖艶な女の噂は、その界隈の者たちの間にみるみるうちに広まった。宿屋の2階、ある一室を生活拠点としているロレンスという男の耳にもまた、その女の噂が入ってきた。
 ロレンスは細身で碧の長髪、端正な顔立ちの詩人である。ただし彼の紡ぐ詩は、多くの者の心を打つ、とはいかなかった。しかし横笛や竪琴など、楽器の演奏にかけてはなかなかのもので、むしろそちらで日銭を稼いでいると言っても過言ではない。
 ロレンスは部屋を出て、カジノへと降りていった。カジノの遊技はスロット、ポーカー、モンスター格闘場。その一通りに目をやる。格闘場に立てられた闘技場と客席を隔てる金網に噛り付く者、ポーカーの席で顔を紅潮させトランプを凝視する者、そしてスロット台に食いつくように立っている、1人の女。腰の辺りまで伸びた滝のような紫の髪。しなやかで程よい肉付きのスタイル。そのうえ纏う衣装は、なんとも際どい。下着同然とも言える格好だ。あれでは男であれば、いや、女であろうとも嫌でも目がいってしまうかもしれない。
 あのような衣装は見覚えがあると、ロレンスは思った。異国の地で見た踊り子たち。彼女たちの衣装は、たしかああいう感じであったと。
 踊り子であるのなら好都合。上手くいけば新しい食い扶持に繋がるかもしれない――
 ロレンスはさり気なく女の隣りへ向かい、遊技を始める。そしてさり気なく話しかける。
「いかがですか? 調子の方は」
 女はロレンスの方を見ることもせず、スロットを睨んだまま答えた。
「見れば分かるでしょ。全然よ」
「それは失礼。今日は朝から?」
「……うるさいわね。あまり話しかけないでくれる? 気が散るでしょ」
 女は睨み顔のままロレンスを向いた。多少化粧が濃いが、目鼻立ちがはっきりしている。際どい衣装と抜群のプロポーションもさることながら、顔の方もまたかなりの美貌の持ち主だ。
 ほう、横顔も美しいが、正面を向いた顔もまた美しい。いかにも気が強そうなお嬢さんだ。ロレンスはそう思いながら女に謝った。しかし話はなおも続ける。
「あなたは随分とこの場所がお気に召したようですね。『カジノに女神が降臨した。きっと勝利の女神だ』と噂になっていますよ」
「あんた、随分口が巧いわね。まあ、そう言われて悪い気はしないけどさ。でも残念ながら勝利の女神ではないわね」
「そのようですね」
 かなり寂しいコイン受けを見ながらクスっと笑うロレンスに、女はあからさまに不快な表情を見せる。
「遊技はあくまで遊びです。のめり込みすぎは身を滅ぼすこともある。気を付けた方が良い」
「フン、余計なお世話よ。なんで赤の他人にまで妹と同じこと言われなきゃいけないのさ」
 女は不貞腐れた顔をしたまま、再びスロットを始めた。
「ご存じですか? このカジノには特設ステージを組める場所があるんですよ」
 どれだけ疎まれても、ロレンスは懲りずに話を続ける。
「あなた、踊り子でしょう?」
「わお! よく分かったわね……って言うと思った? このカッコなら分かって当然。ところで何なのアンタ。もしかしてナンパ? だったらお断りよ」
 あまりにつれない返事にロレンスは苦笑いした。
「いえいえ、ナンパではないですよ。まあ、確かにあなたはナンパしたくなるほど魅力的ですけどね。でもそうではなくてですね、ズバリ言いますが、僕と組みませんか?」
 突然の発言に、女はさすがにあっ気に取られた。
「僕は楽器の演奏が得意なんです。どのくらいかと言うと、その気になればこの体ひとつで同時に二つの楽器を演奏できるくらいに。そしてあなたは、人を惹きつける力を持った踊り子だ。さっきステージを組める場所があると言ったでしょう? そこで僕が演奏して、それに合わせてあなたが踊るんですよ。
 ここに来るような人たちは宵越しのお金を持たないような者ばかり。良いモノを見せれば、それなりの対価を得ることができるでしょう。そうすればあなたはここで遊ぶ為のお金を稼げるし、僕も日銭を稼げる。悪い話じゃないと思いますが」
「へえ……それはいいわね。でも、ここで勝手にそんなことしていいわけ?」
 女は関心を示しつつも、すぐには乗ってこない。しかしその辺はロレンスも織り込み済みであった。
「このカジノは国営です。何かをするには国の承諾が必要ですが、ご存じのとおり、今は王女殿下の結婚式が行われていて、国全体がお祭り騒ぎ。城内や式場の警備こそ厳重ですが、出来るだけ多くの人に集まってもらいたいのも本音。承諾は簡単に取れると思いますよ。城下町では今までになく露店の出店ラッシュも続いている。それが証拠ですよ。もちろん、そういう手続は僕が全てやります。僕はここの住民、まずハネられない。さぁ、いかがですか?」
「なるほどね。……でも1つ確認したいことがある。すごく大事なこと」
 女はこれまでになく眼光鋭い、真剣な表情を見せた。
「それは、あんたの音楽とあたしの踊りがマッチするかってことね。合わなければ、いくら他の条件が整っても無理。あたし、これでも踊りに関しては物凄くこだわりがあるのよ」
「たしかにそれは大事なことですね。じゃあ一度合わせてみましょう。城下町から少し外れた空地なら人通りも少ない。そこで試してみましょうか」
 ロレンスは爽やかな笑顔で町の外を指差した。
「いいけど、町の外じゃ魔物が出るんじゃない? あんたみたいなヤサ男じゃ手に負えないかもしれないわよ」
 女は意地悪な笑みを浮かべてそう言ったが、ロレンスは微塵も笑顔を崩さない。
「心配には及びませんよ。僕はこう見えて副業で傭兵もやってるくらいですからね」
「その出で立ちで? それはオドロキ」
 女は思わず肩をすくめた。


 カジノを後にして、2人は町の外れの空地へやって来た。昼夜問わず魔物が出没するようになり久しいが、幸い、今この場所では魔物の気配は感じられない。
「で、どんな曲を演奏してくれるのかしら?」
 女はウォーミングアップしながらロレンスに問うた。
「どのような曲がお好みで?」
「へえ、即興で作るってやつ? じゃあね、カジノで負けた虚しさの中にも次は勝つという情熱を秘めた曲がいいわね」
 女はニヤリと笑いながら少し意地の悪いリクエストをしたが、ロレンスは涼しい顔で頷き、手にした竪琴を弾きはじめた。
 その演奏ぶりに女は目を見張った。色白の細い指を流れるように動かし音を奏でる。哀愁の中にも力強さが垣間見えるような音色。女はしばしその音色を聴き入った。
「さあ、あなたも踊ってくださいよ。相性を確かめるんでしょう?」
 ロレンスの言葉に我に返り、女も踊り始めた。その表情から気の強さは消え、悲しみを帯びた表情。かと思えば瞳に力強さを湛え、勇ましい表情も見せる。指の先から足の先まで体中に感情を込めて、虚しさ、悲しさ、情熱に満ちた力強さを余すことなく表現した。音楽と踊りが見事に絡まりあい、2つは1つの芸術へと昇華した。
「おお! さすがです。素晴らしいダンスです……」
「いや、あんたの演奏も凄いよ。メチャクチャ気持ちよく踊れる!」
 2人して感嘆の声をあげ、
「これならいける!」
 声を揃えた。
「そういえばあたしたち、コンビを組むのにまだお互い名前すら知らないね。あたしはマーニャ。モンバーバラでずっと舞台に立っていた踊り子さ。まあワケありで今はココにいるわけだけどね。どうぞよろしく」
「マーニャさんですか。僕はロレンスと言います。一応詩人なんですけど、もっぱら音楽で食ってるってとこですね。たまに傭兵として洞窟に潜ったりもしてますけど」
 互いに自己紹介し、握手を交わしたのだった。

「では僕はお城へ行き、許可をとってきます」
「せっかくだからあたしも行くよ」
 2人は空き地を後にして、城へと向かった。
「これで自分で遊ぶお金を自分で稼げるようになりそうで、良かったよ」
 マーニャは頭の後ろで手を組みながら言った。
「今まではどうやってお金を工面していたんですか?」
「妹の稼ぎを持ち出してたの」
 あっけらかんとしたマーニャの答えにロレンスはさすがに驚きの表情をみせる。
「妹さんは、何をされているのですか?」
「教会で手伝いしてる。あの子、治療術の心得があるんだ。あと最近お店を始めたみたい。あんたさっき言ってたじゃない? 露店の出店ラッシュが続いているって。そのラッシュに乗っかったんだよ。知らないかな、占いの店なんだけど。あの子の占いはよく当たるのよ。元々治療よりソッチが本職だから」
 ――占いの店だって? てことは、スコットの?

 ロレンスは腐れ縁の傭兵仲間のことを思い出した。

 −つづく−

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この記事へのコメント
4.5章もおもしろいですね!
ロレンスとマーニャのやりとりも、作中では描かれていないにもかかわらず、違和感無いほど自然です。
本当にこういう会話があったのだろうと思ってしまいました。

ひとりで同時に2つの楽器を演奏できるなんて!
某動画サイトで、左手を使ってピアニカを吹きながら右手で木琴を叩いて、たまにピアノを弾き、ときどきシンバルも叩く人がいたので、そんな感じを想像してしまいました(笑)。

ロレンスが心配するスコットのことも気になりますね。
最終的には5章はじめの状態になるのでしょうが、
4.5章でのやりとりも気になります!
Posted by かえさる at 2014年11月28日 11:25
お褒めの言葉ありがとうございます♪
嬉しいです(*´д`*)
ゲーム中でも5章の最初でミネアとスコットは少しだけ接点があったので、
姉妹と傭兵ズに知られざる接点が存在するかもしれない!
ということで、妄想してみました(笑)

1人でそんなに楽器演奏できる人がいるなんてすごいですねΣ( ̄□ ̄;)
ロレンスも多分そんな感じ…ですかね??

4.5章全6回(予定)最後までお付き合いいただければ幸いです!
Posted by タギー at 2014年11月28日 23:01
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