DQ4プレー記・ただ今のお題
<掃き溜めに鶴>

ルール
・4章はミネア(とオーリン)だけで進める
・5章、船取得までは勇者、ミネアのみで進める
・5章、船取得以降、トルネコ、ライアン、ブライ、ミネアで進める
・キングレオ戦、天空への塔のみ勇者使用可
・勇者は馬車内での生存状態可。アリーナ、クリフト、マーニャは棺桶
・ガーデンブルグでの棺桶人質可
・838861、8逃げ、透明気球等の裏ワザ禁止
・種や木の実類は使い切る


過去のプレー記(プレー記案内はこちら
[記念の二部作]
[01]20周年記念 [10]25周年記念
[女性勇者二部作]
[02]装備品 買わない盗まない [09]いろいろやりすぎ
[三人旅三部作]
[03]水戸黄門 [04]腹でん!(パラディン)と美人姉妹 [05]まどろみ無双
[柔剛柔の三部作]
[06]クレバーカルテット [07]益荒男四人衆 [08]クレバーカルテットDS
[勇者役トルネコの二部作](の予定)
[11]百花繚乱 [12]進行中


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2014年11月17日
 気が付くと私は固い寝台の上に横たわっていた。体のあちらこちら傷だらけで痛みがある。痛みがあるということは、まだ死んではいないということらしい。難儀しつつも起き上がると、目の前に鉄格子が広がる。格子越しには兵士が1人立っていた。囚われの兵士であろうか……いや、逆だな。どう考えても囚われたのは私の方である。
 そういえばお嬢様方は?! と、ハッとした途端、隣からお声が聞こえてきた。
「もう! 絶対信じらんなーい! いきなり『ひいてはいけないカード』なんか引くなんて! しかもあたしにだけヒットとか……。あんた、あたしに恨みでもあんの?」
「だからさっきから謝ってるじゃない。それに結局こうやって生きているんだから良いでしょう?」
「良かない! せっかくの晴れ舞台にルカニしか見せ場が無かっただなんて、屈辱だわ!」
「だから、お詫びに羊喫茶に連れて行ってあげるから、そんなに怒らないでよ」
「ひつじじゃなくてしつじ! 執事喫茶だっつうの! 羊にお茶なんか淹れてもらっても嬉しかないわ!」
 うむ、お2人ともすこぶる元気そうである。これなら安心だ。

 しかし、私たちは囚われの身となってしまった。いくら怪力と自負する私でも鉄格子を破壊するほどの力を持ち合わせてはいない。キングレオ城の王座についていたバルザックに、瀕死の傷を負わせた私たちだ。このままでは処刑されてしまうに違いない。私はどうなっても構わないが、マーニャ様とミネア様だけは救わなくてはならない。それこそが今の私に出来うる唯一のことなのである。
 さてどうしたものか……。
 思い悩んでいると、どこからかか細い咳払いが聞こえた。マーニャ様やミネア様にしてはしゃがれ過ぎた咳払いである。改めて牢の中を見渡すと、なんと、私たちの他に1人、老いた囚人がいるではないか! やはり固い寝台の上で、力なく横たわっている。その体は痩せこけ、髭も伸び放題ではあるが、その顔立ちにはどこか気品が感じられた。どこかで見たような顔にも思えたが、誰であるかまでは分からなかった。老人はゆっくりとこちらを向き、かすれた小さな声で語りかけてきた。
「みな気が付いたようじゃな。わしの話をよく聞きなされ。……この奥の部屋に乗船券が置いてある。それをそなたたちに譲ろう」
 乗船券とは港町ハバリアを出航する船のチケットであろう。以前は比較的手に入れやすかったが、最近は国の取締りが厳しく入手困難な代物だ。その乗船券を手にした状態で牢屋に入れられているこの老人は一体何者なのであろうか。
「そなたたちはまだ若い。生きてさえすれば何とかなる。だからこの国から逃げるのじゃ」
「それなら、王様も一緒に逃げようよ!」
 マーニャ様の言葉にハッとした。そうだ、国王陛下……ここに横たわるご老人は、まさしくキングレオの国王様であったのだ。エドガン様がまだ健在だったときに、私も何度かお会いしたことがあった。エドガン様の研究に大変理解が深く、資金援助もしてくださった。とても聡明で穏やかな国王様だった。それがこんなことになってしまったとは……。
「たとえ何も出来なくなってしまっても、それでもわしは、この国を捨てて逃げるわけにはいかぬのじゃ。だからわしに構わず、そなたたちだけで行きなされ」
 陛下は決して首を縦に振ることはなかった。

 多くの人の運命を翻弄する進化の秘法……やはりあんなものは、二度と日の目を見ないように封印しなければならないのだ!

 我々がここを脱出するための手段を話しているにも関わらず、格子越しの兵士は全く動く気配を見せなかった。もしかしたら彼は陛下の忠実なる臣下なのかもしれない。私たちがいなくなったことが分かれば、彼もただでは済まなくなるかもしれないのに……。
 私は誇り高き忠臣に心の中で礼を言い、お2人と共に奥の隠し通路へと進んでいった。

 乗船券を手に入れ、さらに通路を進むと階段が見えてきた。城内の位置関係と、今辿ってきた通路を頭の中で描いてみる。……恐らく階段を上った先は正門からは死角の位置。ただ、見張りの兵士がどこにいるかは分からない。外に出るリスクは決して低くはないであろう。だが、出ないままであれば船は出航してしまう。
「一か八か、出るしかないわよね」
 マーニャ様の仰るとおりだ。私たちは覚悟を決めて地上へ出た。

「あっ! 脱獄だ!」
「あちゃー、いきなり見つかった」
 運悪く、すぐそばに兵士が1人いたのだ。しかし不幸中の幸いだったのは見た限り、見張りはその1人しかいないということだ。脱獄の知らせを受けた他の兵士が出てくるまで、うまくいけば時間を稼げる!
「うおおおおお!」
 私は渾身の力で兵士に襲い掛かった。こいつを殺してもいい――そのくらいの気持ちで拳をふるい、怯んだ相手を抱えて、頭から城壁へ力の限り叩きつけた。相手の骨が砕ける衝撃が、私の身体にも響いた。
「うっ、うわらばっ!」
 またも世紀末(*注 前世紀のですが)な断末魔をあげて兵士は散った。

 今ならこの場所には私たち3人しかいない。しかしすぐに城から多くの兵士が出てくるであろう。
「マーニャ様、ミネア様、今です! 今のうちにお2人でハバリアへお行きなさい!」
「え?! どうして、今なら3人で逃げられるじゃないか!」
「ダメです。3人で逃げれば追われます。下手したら船が出航しなくなる。それではダメです! 私はここで追手を食い止めます。だから2人で行くのです!」
「でも……」
 マーニャ様はなかなか引き下がろうとはされなかった。だから私はミネア様に視線を移し、目で訴えた。ミネア様は唇をかみしめながら無言で頷かれた。
「姉さん、オーリンの言うとおり、2人で行きましょう。もう時間がない。私たちはここで共倒れするわけにはいかないの」
 いつもと同じような、冷静な声音でらっしゃった。
「ミネア、あんた、本当にそれでいいの? 3人で逃げ切れるかもしれないのに……そんなの冷たすぎるよ!」
「お説教だったら船の中でじっくり聞くわ。とにかく行くの」
「……オーリン!」
 ミネア様はマーニャ様の腕を引っ張ると、半ば引きずるようにして敷地の外へと向かわれた。決してこちらを振り返ることなく、ただひたすらに前へと進まれた。
 そしてついにお2人の姿は見えなくなった。
 ミネア様に損な役回りをお願いしてしまったことは些か心苦しい。もしまたお会いすることが出来たならお詫びをせねばなるまい。荷物持ちなど良いかも知れぬ。……再び会えればの話ではあるが。

 その直後、城門から数名の兵士が現れた。もっと大勢出てくるかと思っていたが、そうでもない。この程度の数なら何とかなるかもしれない。勝とう、勝ってハバリアへ行こう、などとは微塵も思ってはいない。とにかく今の私は時間稼ぎをすれば良いのだ。
「雑魚ども、あそこの兵士のようになりたければ相手をしよう。まとめてかかって来い!」

 私の最後の戦いが始まった。

   ◇◇◇

「くそ、なんて馬鹿力だ」
「こいつがアレだろ? バルザック様を叩きのめしたって奴だろ?」
「だがもう、さすがにくたばっただろう」
「あー疲れたな。こいつはココに晒し者にして、さっさとメシを食おうぜ」

 ……さすがに私1人ではどうにもならなかったようだ。「地面に大の字」とはまさに今の私のことを言うのであろう。
 だが、幸いなことにこいつらは脱獄したのが私だけだと思っているらしい。続々と城内へ引き上げていく。あのバルザックが王になっただけはある。兵士間の情報伝達も疎かであれば、統率もろくに取れてはいないようだ。

 もはや自分の身体をろくに動かすことも出来ない。私は兵士との戦いに敗れた。だが、奴らがハバリアへ向かう気配は皆無。
 きっと、大局的には私は勝ったのだ。
 最後の最後で、私はなんとかお嬢様方をお守りすることが出来た。我が生涯に一片の悔い無し……とは到底言えぬ。今に至るまで悔いが残ることばかりであった。だが、これでほんの少しだけ胸を張ってエドガン様のもとへ行けるであろう。
 目を閉じればまぶたの裏に、在りし日のエドガン様の姿が蘇った。その傍らには嬉々として習い始めた踊りを披露するマーニャ様と、お父上の後ろから恥ずかしそうにこちらを覗くミネア様の姿。
 マーニャ様、ミネア様、まだまだつらい道が続くかもしれませぬが、どうか姉妹仲良く、そして必ず、エドガン様のご無念を晴らしてください……。

「キャー! 助けてー!」

 恐らく人生最後であろう考え事をしていたとき、不意に女性の叫び声が聞こえたような気がした。これは幻聴であろうか?

「でへでへー。待てー、おじさん逃がさないぞぉー! ぐへへー」

 品性の欠片も感じられない男の声も聞こえる。……よりによって人生の最後にこんな男の幻聴とはあんまりではないか!
 そう思った途端、身体に力が入った。まるで何かのスイッチが入ったかのようであった。地面にしっかりと手を付いて身体を起こすと、逃げ惑う若い女性と、しまりのない口から唾液を垂れ流しながら女性を追い掛け回す大柄な男がそこには居た。どうも幻聴ではなかったようだ。
 2人とも私が既に屍になっていると思っていたのであろうか。起き上がると驚いたようにしてこちらを見た。
「ぐええええ、な、なんだオメェはぁ! 今イイトコロなんだよぅ! 腐った死体なら出る作品が違うだろぉがぁ! あぁ?」
 下品なだけでなく、たいそう失礼な男である。
「腐っているのはお前の性根の方だ!」
 私は立ち上がって、男の方へ一歩踏み込んだ。
「あーたたたたたたた! ぉあたぁ!」
 無我夢中であった。100発殴りつけたと言っても大げさでは無いほどの攻撃をお見舞いした。
「ひゃまはぁ〜 は、はろわっ!」
 まるで世紀末に職探しをするかのような断末魔であった。あまりに情けない叫びに思わず体中の力が抜け、私は再び地面に臥せた。こいつのおかげで長らえた生命は、ほんの数分のみであったようだ……。
「あ……ありがとうございます。あぁ……ひどいお怪我を」
 女性が駆け寄ってくれたようだが、もはやその言葉をよく聞き取ることも出来ず、言葉を返す力も残されてはいない。
「そ、そういえばわたし、確かキメラの翼を持っていたはず。ここならもうお城の外だから、きっと使えるわ。あの、わたし、前にサントハイムの小さな町に興行に行ったことがあるんです。だから、これを使ってあの町まで逃げれば大丈夫なはずです。だからわたしにつかまって……って言っても無理みたい。よいしょ、よいしょ……お、重い。わたしの力じゃ動かせないよ……どうしよう」
 女性は必死に何かをしているようだった。
「あ、そうだ! わたしの方がこの人につかまればいいんだ! ちょっとごめんなさいね、少しの間だけ我慢して。……じゃあいきます。それっ!」
 何かが身体にまとわり付いたかと思うと、急に身体が軽くなった気がした。なんだ? 宙に浮いているのか? 私はこれからどこかへ向かうのか? エドガン様の待つ天上か、それとも……。

 今の私にはこの先のことなど、うかがい知る由もなかったのである――

 −第4章・おわり−



   ◆◆◆

4章は3回ぐらいで終わるかなと思っていたら、とんでもなかったです(´・ω・`)
書き進めているうちにオーリンが考え事が多い性格になってしまったり、断末魔が世紀末な悲鳴になったり、色々と思いがけない展開になってしまいました。最も思いがけない展開だったのは静寂の玉を使わなかったのにレベル10でクリアできてしまったことですが。
最後、オーリンと姉妹が別れる場面。リメイク版の会話システムでは確かマーニャがミネアを引っ張っていく形になっていたと思います。しかし今回のパターンはそれとは逆になっています(腹姉妹のときも逆でした)
リメイクでそうなっている以上、マーニャが引っ張っていくのが公式なのでしょうが、個人的にはリメイクが出るより前からずっとミネアが引っ張っていく形を想像していました。なのであえて公式とは逆の展開にしています。

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この記事へのコメント
オーリンの戦いぶりには涙が出ます。
あと、笑いも出ます。

ケンシロウなオーリンに秘孔を突かれまくっている兵士たちが、
ある意味重要な役所ですよね(笑い要素的に)。
ハローワークを探しながら死んでしまった兵士に合掌です。

我が身を犠牲にして姉妹を助けるオーリンの姿はやはり感動ものです。
そして、最終的に命だけは繋ぎとめれたというストーリーも、
やっぱり感動の物語ですよね。
原作では示されていない舞台の裏側が見えると、
一段と物語がおもしろく思えますね。
フレノールに行って、
後生を幸せに過ごしてほしいです。

ところで、
腐ったしたいは4では登場しないんですね。
いつも出てるから、
てっきり4にも出てる気になってました。
Posted by かえさる at 2014年11月18日 11:35
キングレオの兵士の皆さんには良いアクセントになってもらいました(笑)
オーリンは立派な益荒男だと思います(`・ω・´)

4章の最後では「ただのしかばね」になってしまいましたが、5章で無事生存が確認できて嬉しかったものです。
知られざる伝説では介抱してくれた女性と結婚してフレノールで商売人になってましたね。話の中に出てきたマーニャとミネアの姿がこっそり彫られている黄金の腕輪のレプリカが欲しいです(笑)

4では腐った死体はお休みなんですよ。腐りきって骨だけになった方たちなら色々と登場していますが。
Posted by タギー at 2014年11月18日 20:22
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